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カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

自分の持っているマジックの道具をカップを中心に紹介。

Mongolian Clock by Slydini

2024-12-24 22:23:00 | カップ&ボール以外

 前回のクロック・マジックを紹介した際に、一緒に紹介したかったのですが、ブログの文字数制限のため、書くのを諦めたカードマジック、スライディーニ氏の「モンゴリアン・クロック」を紹介します。

 スライディーニ(Tony Slydini[1901-1991])は、20世紀を代表するイタリア出身(アルゼンチン育ち)のクロースアップマジシャンです。スライト・オブ・ハンドやミスディレクションの名手で特にラッピングがすごいマジシャンです。代表作としてステージにあげた観客の前で紙玉が消える「Papaerball over the Head」や強く結んだ結び目がするっとほどける「Slydini Silks(Slydini's Knotted Silks)」などがあり、テレビなどで多くのマジシャンも演じていますよね。スライディーニについて紹介しているマジェイアさんのページを示します。

マジシャン紹介:トニー・スライディーニ

 さて、このスライト系のスライディーニのマジックの中で、非常に珍しい、ほぼセルフワーキングであるマジックが今日紹介する、クロック・マジックの「モンゴリアンクロック(Mongolian Clock)」です。

上口龍生氏の実演映像を示します。


ちょっと話に無理があり(;^ω^)、観客が下に回した後、演者が下から配る点などが少し気になりますが、準備がいらない点や、かなりしっかりグチャ混ぜしているのに見つけ出し不思議な点など、名作だと思います。

 私は、90年代後半にマジェイアさんのページで知りました。

Mongolian Clock

このページの最後に追記でKarl Fulvesが書いた"THE BEST OF SLYDINI ...AND MORE"に見つけられなかったとありますが、この本にちゃんと記載されています(2章の「2. Easy Routines and Moves」の中の1つ)。ただし、このマジックは説明用写真が無く、解説も1ページくらいとさらっと書かれています。このマジックがあのスライディーニの「ベスト」マジックの一つとして入っていることからいかに有効なマジックであるかがわかります。

 ちなみにこの本は2冊セットでテキストと写真が別れた構成となっています。ビデオの解説がまだ主流で無い時代に、1000枚以上の写真を使ってわかり易く伝えようということなのでしょう。定価は60ドルくらいだったと思われます

Best Of Slydini ( 2 Volume SET ) ( Text/Photographs )- Book

A must for the serious close up magician! This set of 2 volumes (one text, one photographs) not only teaches professional magic tricks, but how to entertain and ...

Penguin Magic

 

が、今はもう作られておりませんので、中古の本として、海外では150ドルから300ドルくらいで取引されています。その中でマジックファンタジアさん2号店で3300円で売られていたのは驚きです(;^ω^)

The Best of Slydini ... and more (Text & Photos)-マジックファンタジア2号店

This ebook includes both the text and the photos of the original two volume hardcover set. Each of the almost 1000 photos is available twice. The first time th...

マジックファンタジア2号店

 

というわけで、30000円くらいあれば海外から中古で購入できる本なのですが、時々紹介しているLybrary.comでは30ドルでダウンロードできるので、リアルな本に拘らなければこちらがお得だと思います。

The Best of Slydini ... and more (Text & Photos) by Karl Fulves & Tony Slydini

This ebook includes both the text and the photos of the original two volume hardcover set. Each of the almost 1000 photos is available twice. The first time the ...

Lybrary.com

 

 もし、モンゴリアンクロックだけに興味がある場合は、この本でなくて知ることはできます。最もお値打ちなのは、先程示した動画の解説を見ることです。400円で学べます。

5章:モンゴリアン・クロック|ヒーローウッド出版

 これはトランプを時計に見立てた、物語性のあるマジックです。  かつてジンギスカン率いるモンゴルの民は、他の部族と時間を示し合わせるためにトランプを使っていまし...

note(ノート)

 

ただ、ちょっとそれはもったいなく、このコンテンツは「超初心者のためのカードマジック入門」の1つとしてあり、全体をまとめて購入すると13のマジックが980円で購入できるので個人的にはこちらがお薦めです。さすが上口さんでよいマジックの選択だと思います。「超初心者」とありますが、私のレベルではこれで十分です(笑)

超初心者のためのカードマジック入門 - 2022-01|ヒーローウッド出版|note

トランプをはじめて触る『超』初心者のためのカードマジック入門。テクニック要らずで、それでいてプロも驚くほど本格的な、10種のマジックを憶えることができます。

note(ノート)

 

 また、このマジックは「図解 カードマジック大事典 新装版」にあります。「読心術 / Mindreading」の分類です。非常にサラッと書かれています(^◇^;)

カードマジック大事典 新装版

カードマジックを体系的にまとめた超大作

マジックショップ フレンチドロップ

 

 麦谷氏のMasquerade(マスカレード)でも取り上げていたようです。読んでみたいですが、私は残念ながら持っていません

魔法使いはリハビリ中

ただいま闘病中で時間にも気持ちにも余裕がなく、コメントをいただいても返信できません。ご了承ください。

 

 最後に紹介するのはmML Vol213の「ジャパニーズ・クロック」です。『スライディーニのモンゴリアン・クロックという名作を基にアレンジしたもの』とあり、だいぶ違う印象を持たれると思います。ジャパニーズ・クロックなので、モンゴルの話は一切出てきませんしね(笑)

演技動画のURLですが、うまくリンクがはれませんでした。

https://www.youtube.com/watch?v=9Ik2LYMg4E0

monthly Magic Lesson DVD VoL213 [monthly Magic Lesson Shoppers]


 モンゴリアンクロックは、全く即席で準備無しでできますし、最後のダイナミックな当て方といい、素晴らしい手順だと思いますので、気に入られた方は演じられてみてはどうでしょうか。とお勧めしつつ、私は前回紹介したトリックをレパートリとしていてこちらは滅多に演じないのですが(;^ω^)


 いろいろ紹介しましたが、これが本当のモンゴリアン・クロックですね(;^ω^)

Mongolian-Clock | 逆回転時計とオリジナル時計のお店 【時を楽しむ 未来時計工房】 powered by BASE

【自由時間・中型電波掛け時計】のデザイン例として「Mongolian-Clock」を製作しました。モンゴル数字を使った電波掛け時計です。モンゴルの方、モンゴル語教室へのプレ...

Mongolian-Clock | 逆回転時計とオリジナル時計のお店 【時を楽しむ 未来時計工房】 powered by BASE

 








【My Repertoire】クロック・マジック(クロック・トリック)

2024-12-14 14:33:00 | カップ&ボール以外

 久々の「My Repertoire」です。私の数少ないレパートリを紹介させて頂く記事ですが、もしかしたら今年はじめてかもしれません…もう、今年終わりですけど(;^ω^)。今回はいわゆるクロック・マジックです。クロック・マジックというのはトランプを時計の文字盤のように並べて行うマジックで非常に多くのバージョンがあります。私が行っている手順もそれほど変わったものではありませんので、「普通だね」と思われるかもしれませんが、ほぼセルフワーキングで効果的なマジックでありますので紹介させて頂きます。

 多くの入門者向けマジックの本にクロック・マジックは解説されてますので、それまでも目にしたことがあったかもしれませんが、私がはじめて自分で演じてみたいと思ったのは、ゆうきともさんの「ワイズワークス3」の「オーバータイム」を観たときでした。このビデオでは、実演のみで解説は無かったのですが、不思議なことはもちろん、観客との

やり取りもしっかりできる素晴らしい手順でした。

 解説が無いので、当時正確なやり方はわからなかったのですが、この手順を見よう見まねで少し演出を変えた手順を演じるようになりました。クロックマジックのマジックの良いところは観客が選ぶカードは時間によらず決まっていますので、単にカードは当てるだけでなく「予言」することができます。また、マジシャンは時計の文字盤のようにトランプを並べる時に、観客が決めた時間を知ることができます。ですので、後ろを向いて観客が時間に対応するカードを覚えている間にちょっとしたことならできます。

 私がやっていた手順のアウトラインを示します。はじめに何かが入った布袋をテーブルに置いておきます。そして、手順を進めてカードを時計の文字盤のようにカードを並べたらポケットから鍵を出して時計の針のように置きます。「これで時計っぽいですよね」という感じです。そして、決めた時間と対応するカードを観客とのやり取りで当てた後、「実はこの袋の中には南京錠をかけた木箱がありましてね...」と木箱を取り出し(マギーボックス)観客に南京錠を開けてもらいます。するとその箱の中には写真のようなテントウムシの形をした時計が入っていて、握ると羽が開いて時計が見えますといって、観客に羽を開けてもらいます…すると確かに中に時計があり、その針は先程観客自信が決めた時間を指しています!さらにテントウムシの羽にはハートのシールが2枚貼ってあり、先程選んだカード、ハートの2を示しています。「このテントウムシはあなたの時間とカードを知っていたみたいですね。」という感じで終わります。

 最近はこの演出ではなく、袋の代わりに写真のようなボックスを置いておき、時間などを当てた後で「実はこの中にはおじいさんの形見の懐中時計の写真が入ったアクリル製のフォトフレームが入っているのですよ…。何時を指した写真だったかな…」といい、2重になっている箱を開もらうと観客の決めた時間を指す写真が入っています!また、箱には裏向きのミニカードが入っており、これは?とめくると、時間に対応したカードである!という演出です。単純すぎる発想でお恥ずかしいですが、見てお分かりのように「Frozen in Time(あなたの好きな時間) - ハイテクバージョーン」を使っております。今は販売されていませんが、まだページがありましたので示します。

Frozen in Time(あなたの好きな時間) - ハイテクバージョーン  |メーカーから探す,益田克也(ATTO)や手品グッズ揃うマジックショップ|セオマジック

この商品非常にいいのですが、2点ほど気になるところがありました。1つは「音」です。結構振動音が響くので箱をそのまま机の上などに置くと正直厳しいです。そこで、もう1重箱を増やし、中にスポンジを入れることで、音の問題を無くしました。もう1つは木箱の外観です。和な感じが強く、「へその緒の箱みたい!」と言われてしまったこともあります(;^ω^)。そこで、せめてもということでビンテージワックスで色を付けました。本当はもう少し「古い」感じを出したいのですが…

 演じてるマジックについては以上なのですが、関連情報を少し述べます。先に述べましたように私が最も影響を受けたのは、ゆうきともさんのワイズワークスの演技でした。

ゆうきとも「ワイズ・ワークス4」(DVD)

ゆうきとも氏のレクチャー・ビデオ・シリーズ「ワイズ・ワークス / Wise Works」の第4巻です。(発売元はUGM)制作年度の表記はありませんが、2004年にリリースされた模様...

 

 その後、ゆうきさんはご自身の手順をさらに改良され、「ゆうきとものカードミラクルズ・第3集」で実演・解説されています。このマジック単独ではなく、前のマジックとうまくつながり、エンディングとしてふさわしいインパクトのある手順に仕上がっています。

【大注目シリーズ!】ゆうきとものカードミラクルズ・第3集〜オリジナル作品集としてのレクチャーDVD!〜 [monthly Magic Lesson Shoppers]

流石だと思ったのは、このクロック・マジックで、面倒なところ、ちょっと引っかかってしまうところに、きっちり改善策を施しているところです。このマジックを実際にされたことがある方なら共感頂けると思いますが、このマジックでは基本的な演出にしても以下の点が少しストレスになります。

1.特定のカードを特定の位置にセットする必要がある

2.観客にカードをポケットに入れてもらうと、曲がってしまうかもしれない

3.12枚から決めた時間分取り除いたカードをデックの上に返してもらう必要がある

4.リバースカウントをする必要がある

5.裏向きに文字盤状に並べたカードから、観客の時間を読み取る必要がある

これに対して、ゆうきともさんは「そこは、そんなもの」ではなく、その小さなストレスをしっかり解決するというのがすごいと思います。特に上記4.5を解決する手法については、個人的には非常にありがたい解決策でした。5.に関しては大胆な解決策で観客に違和感を覚えられないかな?と思いつつもやってみてますが、いまのところ指摘されたことはありません。ただ、この進化バージョンでは時計が使われなくなり、カードのみでまとまっているところは良いのですが、個人的には小物として実際の「時計」を使いたく…。これは演者のエゴでしょうかね(笑)

 ゆうきともさんのビデオ以外にも影響を受けたのがBILL GOLDMAN氏の「Out of Time Out of Mind」という手順です。かなり昔にGINさんから購入しましたが、今では販売されておらず、扱っているお店もほとんどありません。daytonamagicさんで扱っていたのを見つけましたのでリンクを貼ります。

TWO FOR THE SHOW by BILL GOLDMAN - Daytona Magic Company

From the man who brought us Monkey in the Middle Two for the Show contains uncomplicated, direct magic with strong audience impact.

Daytona Magic Company

 

当時、最も面白かったのはカードを当てるときのやり取りでした。ゆうきともさんのワイズワークスの演技でもこれに近いやり取りが行われています。BILL GOLDMANの手順ではカードは当てますが、時間はマジシャンが観客とのやり取りで当てるのではなく、最後に演技の途中でデックの上に裏向けに置いた氏の時計を観客自身に見てもらうことで、一致を確認してもらいます。

 という感じで私が普段行ってるクロック・マジックの紹介は終わりですが、せっかくですので、クロック・トリックのバリエーションについて私が知ってる狭い範囲ですが、ご紹介します。


1.あそびの冒険シリーズ4ミラクル・トランプ・マジック(松田道弘著):第一部「技法の要らないカード・トリック」という章で「クロック・トリックによる予言」というタイトルで解説されています。松田さんが「プラクティカル(実用的)」と書かれているこの手順の特徴は、事前準備がいらない、観客にカードを覚えさせる手続きを省いて予言トリックとしている点です。12枚のカードを取り出しよく混ぜます。演者は予言だといって紙に何か書きます。観客は12枚のカードの何枚かをポケットに入れ(観客も枚数はわからない)、残りをデックに戻します。演者は12枚で文字盤を作ります。観客のポケットからカードを出して、その枚数の時刻のカードを表向けます。予言を開くとそのカードと一致しています。

2.ビッグ・マジック講座(新井一郎著):第5章「プリディクション」という章に「時計」というタイトルで解説されています。この演出はジョン・メンドーサのやり方のようです。観客に時間を思い浮かべてもらい、その枚数をボトムに回してもらいます。デックから12枚を時計の文字盤のように並べますが、表向きに並べます。考えた時間を強く思ってもらい、この時間ではないですね、とどんどん裏向きにしていき、最後に残った時間が、観客が思った時間と一致するという現象です。マジシャンはあらかじめ選ばれる時間を予言していて、その時間のカードにあらかじめ印を付けておいたといい、裏向けると1枚だけ他のカードとは異なる裏模様だというクライマックスです。このように、その1枚だけ裏の色が違うというのはかなりインパクトがあると思います。一方、そのカードをどこかのタイミングで仕込む必要がありますので、複数の手順の中で利用する場合はそれをどのタイミングでどうやって仕込むのか?を考える必要があります。また、カードを当てるという現象は含まれていませんので、そこを演者としてどう考えるかだと思います。また、裏に特徴を持たせるものとしては、この本ではありませんが、レインボーデックの解説でクロック・マジックに使う解説があった記憶があります。

3.ファイブ・スター・クロースアップ(根本毅著):「時間の予言」というタイトルで紹介されています。3つ目のマジックですが、目次で4となってるところが根本さんッポイです(笑)。根本さんのオリジナル作品ではないようです。ワン・ウェイ・デックを使った手順でサカー・トリックで、驚きだけでなく、笑いもとれる良質な手順だと思います。

 実は、この手順、マジックファンタジアさんで商品として売られていました。現象はこちらで確認してください。かなりお値打ちですね。

スーパークロックデック 2.0/解説DVD付き-マジックショップ マジックファンタジア

サッカートリックの傑作カードマジック!解説DVD付きになって値下げしました!演者はまず、予言のカードをテーブルに出します。1組のカードをよく切り...

マジックショップ マジックファンタジア

 

4.松田道弘のシックなカードマジック(松田道弘):「クロック・トリックのリニューアル」というタイトルのマジックです。観客にパケットを渡し、そこから何枚かのカードをポケットに入れてもらいます(観客も何枚かわからない)、残りのパケットをシャッフルしボトムのカードを覚えてもらい、テーブルの上のデックに戻してもらいます。演者は12枚のカードを時計の文字盤のように並べ、選ばれたカードとポケットのカードの枚数を当てます。最後の選ばれたカードの当て方が少し特徴的です。気になるのは、時計の形に並べて当てるものの、時間的な話は出て来ないところです。せっかく時計の文字盤に並べるので、演出は何か時間や時計と絡めたいと個人的には思います(;^ω^)。最後に<クロック・トリック文献>として、多くの文献が紹介されています。1920年代の文献からあり、このテーマが古くから人気があることを示していますね。

5.ランディー・ウエイクマンのカード・マジック(マジックハウス):^_^マジックハウスさんから出ているRandy Wakeman氏のレクチャーノートにある「OVERCLOCK」というマジックです。タイトルから予想がつくかもしれませんが、ポール・ハリス氏の「OVEREKILL(オーバーキル)」という手順のバリエーションのようです。

観客が好きに思った時間の枚数をデックからとってもらい、ポケットに入れます。演者は時計の文字盤のように12枚のカードを並べ、後ろを向いている間に観客は思った時間のカードを覚えます。カード集めて混ぜ、デックに戻します。演者は、時間と、カードを当て、さらに、それは予言されてたといって、ある演出でそれらを示します。

 この手順を読んだのが、ゆうきさんの手順やBILL GOLDMAN氏の手順を読んだ後だったので、歴史的には逆かと思いますが、ほぼ、そのままやん!という感じでした(;^ω^)。レクチャーノートに「客の"好きな時間"を使って客をトリックに参加させることができるのです」と書かれていますので、観客に好きな時間を思ってもらう演出はRandy Wakeman氏が初めてだったのかもしれません。

 以上で文献紹介は終わりです。また、ギミックやハイテク時計を使った演出も考えられると思います。そのあたりはまた別の時に紹介したいと思います。









THREE SHELLS BY TCC とThe“Shell”Game by Mai Bro & TCC Magic

2024-11-23 11:14:00 | スリー・シェル・ゲーム

 3シェルゲーム用のシェルの2回目としてTCCからリリースされているシェル2種を紹介します。

1.THREE SHELLS BY TCC

 何年前にリリースされたか忘れてしまいましたが(2020年か2021年くらいでしょうか?)、TCCからリリースされたはじめてのシェルです。真鍮製のアンティーク感あるシェルで、金ぴかの「The Golden Shells」に比べると少し落ち着いた感じがありいい感じです。商品にはグラスとピー(ボール)、巾着袋も付いてきますので、お値打ちな感じもあります。

 PVを示します。



 現在販売されているシェルの中では良いシェルだと思います。良い点は、落ち着いた感のある見た目、大きさ、重さ、付属品(グラス、ピー、袋)、そしてお値段です。底面のエッジも処理されているのでクロースアップマット上で引っかかったりすることは無いと思います。

 一方、The Golden Shellsの方が個人的に良いと思う点は、TCCのシェルはおしりのところに空きが無い点と完全フラットの底面をしている点です。これらが無いためスチール・ロードするときの振動がゴールデンシェルと比較すると大きいと思います。ただしこれは、上記ビデオを見てる限り気にならないので、やってる自分がビビっているだけかもしれません(;^ω^)。付いているグラスは写真のように、少しだけ余裕があり、The Golden Shellsの時ほどぴったりしたものではありません。

 解説ビデオでは基本的なムーブの解説と、基本的な手順の解説がされています。手順の最後はPVにあるように、シェルにグラスを重ねて指で抑えてもらいますが、ピーは消えて重ねて置いてある中央のシェルの下から出てきます。

商品ページです。

THREE SHELLS BY TCC

TCC Presents - The 3 Shells The 3 Shell Game, much like the renowned Cups and Balls, carries a rich history that dates back to the 1670s. This age-old gambling s...

TCC Magic

 







2.The“Shell”Game by Mai Bro & TCC Magic

 今年(2024年)にリリースされた商品でKickstarterからの商品です。最も一般的なクルミの形のシェルではなく、亀の甲羅の形をしたシェルです。このシェルセットでは、上記のセットのようなグラスや巾着は付いてきません。黄色と赤の2色のピーが付いてきます。PVを示します。


 亀の甲羅の形をしたシェルは以前(10年ほど前)Black Fox Magicから販売されています。

Deluxe Turtle Shells by Black Fox Magic

 同じくBlack Fox Magicからカナブンのシェルも販売されていました。

Scarab Beetles (Metallic Blue) by Black Fox Magic

 これらBlack Fox Magicのシェルはちょっと、変わったデザインだったので当時話題となった記憶があります。購入していませんので質感などはわかりませんが、プラスチック製とのことですので、やや軽めのシェルだったと思われます。

 TCCからリリースされたシェルは真鍮製でしっかり重みがあります。職人による手作業でアンティーク調の風合いを出すために表面を電気メッキし、磨き上げているそうです。中も外もきれいな感じです。甲羅の形にすることで、首の部分の形が自然とでき、スチール(ロード)しやすい形になっているのが良いですね。また甲羅の溝が持った時に滑り止めの効果があるのではないでしょうか。シェル自体の大きさは上記シェルや The Golden Shellsに比べて結構大きいです。ですので、これらで使っているグラスが使えません。もし、このシェルでグラスを使った手順を行いたい場合はもう少し大きなグラスを探す必要があります。私のところにはたまたま、また紹介させて頂く別のシェル用のやや大き目のグラスがあり、それとぴったりな大きさでした。

 このセットでは2色のピー(ボール)が付いてきますが、このピーが特徴の一つです。やや小さめピーであり、シェルの特徴的な形とこの大きさにより、これまでにないムーブ(現象)が可能となります。ただ、ピーのサイズが少し小さく、シェルはちょっと大きめなので、ピーがかなり小さく見えます。通常のクルミと緑のピーの大きさ関係に慣れてしまってるから小さく見えるだけで、はじめて見る人にとっては違和感ないかもですが(;^ω^)

 また、ピーは黄色と赤の2色が付属しており、2つのピーの質感の違いにより、カラーチェンジができるようになっています。先の特殊なムーブとくわえて、カラーチェンジもできるので、これまでとは少し違う手順構成ができそうですね。

 解説ビデオでは、基本的な動作と、PVで行っている4つのフェーズから成る手順について解説しています。

商品ページです

The “Shell” Game by Mai Bro & TCC Magic

Mai Bro's The "Shell" Game features a clever design and material selection that allow for effortless concealment and seamless color change effects,...

TCC Magic

 












Tommy Wonder/Jos Bema(トミー・ワンダー) 

2024-11-12 11:02:00 | マジシャン別

 今回でブログ記事200回となります!想定外に続いております(笑)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m。100回はもともとの私のゴールであった、Danny Dewが作ったPaul Foxカップを紹介しました。100回記念にはそれだろう!と決めていたのですが、正直200回は全く考えていませんでした(笑)。ちょっと前に、「あれ?あと数回で200回だ」と思い、考えました…。まだ紹介していないPaul Foxのような自分にとって思い出深いカップなどもありませんし、手順で最も影響を受けているバーノン氏やアマ―氏も既に紹介済み…。どうしようか考えた末、私が手順を演じていないこと(演じられないこと(;^ω^))や、うまくまとめる自信がなく、避けていたトミー・ワンダー氏を紹介させて頂くことにしました。つたない内容になるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 Tommy Wonder氏(本名はJoseph Bemelman?)はオランダのプロマジシャンで1953年に生まれ、2006年に肺がんで亡くなっています。52歳という若さでした。亡くなる1年前(2005年)に日本でレクチャーをされています。その以前にも来日されているので、生の氏の演技を観た幸せな方もある程度いらっしゃるのではないでしょうか。私も観たかったです…(T_T)。4歳の時見たテレビのマジシャンに影響を受け、10歳からマジックの練習をはじめ18歳でクロースアップ・ステージのプロマジシャンとなります。"Tommy Wonder"は1979年からの芸名(?)でそれ以前は"Jos Bema"(1973-78)でした。1979 FISM 大会で2位(close-up)、1988 FISM 大会で2位(general magic)を受賞しています。代表作は、数多くあり、発明品的なものも多いです。"Ring Watch & Wallet"や"Vanishing Bird Cage"、"Flying Birdcage"、"Diminishing Cards(Squeeze)"、アンビシャスカートの最後に使うRing Boxも有名ですよね。

 幸せなことに、氏のマジックの代表作は映像と本で学べます。ビデオはいくつか出ていますが、L&Lから出た3巻セットの「ビジョンズ・オブ・ワンダー(Visions of Wonder)」の字幕付きがお勧めです。カップの手順が収録されているVol.1の商品URLを示します。

ビジョンズ・オブ・ワンダー 第1巻 – スクリプト・マヌーヴァ

本は2冊セットである「The Books of Wonder by Tommy Wonder」に氏のマジックのほとんどが書かれていると思います。氏の集大成といえる本です。一時廃盤になっていましたが、権利が移動し再販されました。カップ&ボールの手順はVol.2に書かれています。日本のお店でも購入できるところがありますが、PVがついている海外のお店の商品ページを紹介します。いつか日本語訳本が出てくれるといいですね(誰かその偉業に立ち向かってください(笑))

The Books of Wonder by Tommy Wonder (2 Volume Set)

"By far, two of the most valuable books in my library. His magic is truly exceptional, original, awe inspiring." -Johnny Thompson"Tommy Wonder w...

Penguin Magic

 

 カップ&ボールの話に入ります(;^ω^)。氏の有名な手順の演技映像を示します。


日本のテレビ番組で放送されたときの映像もありました


素晴らしい手順ですね。ロードするタイミングを知ってても、何回も騙されるのは私だけでしょうか(;^ω^)?なかなかそんなマジックは珍しいと思います。手順は2つのカップを使ったもので、バッグに付いている大きなポンポンやバッグ自体が出てくるところが非常に特徴的です。2つのカップを使った手順はトミーワンダー氏が初めてではなく、以前紹介したJohn Ramsay氏の手順が1940年代に本となっています

John Ramsay - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

前回はRings-N-ThingsMagicから出ているPeteBiro'sRamsayCupsandBallsを紹介しましたが、今回はJohnRamsayのカップ&ボールについてもう少し広い範囲で書きたいと思い...

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John Ramsay氏はミスディレクションの名手であり、Tommy Wonder氏も恐らくその影響を受けているでしょうから、本人はそのような事は言ってませんが何らかの影響はあったかもしれません。本によると、Tommy wonder氏は2カップについて、3つのカップは観客にとって現象を追うのが難しい、また、2カップで3カップの技法のほとんどはできると考え、2カップにしたと述べています。また、ポンポンを使う発想に至ったのは氏がプロとして活躍し始めた70年代は体にぴったりした服装が流行っており、大きなボールをポケットなどに入れておくことが難しいという環境のためだとのことです。そこから袋からのロードを思いつき、ポンポンそして袋自体へと考えを進めたと考えられます。

 Tommy Wonder氏の手順を通常のカップ&ボールとの最大の特徴がはやはり目の前にあったポンポンや袋がカップの下に移動することだと思いますが、プロの演者として価値がある点として後に紹介する「TOMMY WONDER ENTERTAINS」では以下を挙げています。①立ったまま行えるので演技の環境はそれほど重要ではない。②「ポケットワーク」が無い。マジシャンがポケットに手を入れて取り出したり、しまったりすることがない。ボールがカップからポケット(とその逆)の移動もない。③大きくて目立つボールを使っていて(1.5インチ)、観客にとてみやすい④クライマックスの為に大きなボールを3個から4個身に着ける必要がない。膨らんだポケットでマジックを演じる必要がない。⑤終わったらリセットされているので、準備の必要なく、余分な道具も必要ないので、特にテーブルホッパーには便利である。

 このような特長を多く持つ手順ですが、1976年にポンポンや袋をロードするというアイディアで手順が作られた後、時間と共に少しずつ手順は変化しています。この手順を記した3つの文献を紹介します。

1.JOS BEMA - LECTURE

 1977にトミー・ワンダー氏自身が出したレクチャーノートです。10以上のマジックが解説されており、カップ&ボールが最後に記載されています。タイトルはシンプルに「CUPS AND BALLS」です。このレクチャーノートには有名な氏のDiminishing Cards(Squeezeではないです)や、前田知洋さんもテレビでよくされてたCARD-PUZZLEなどが解説されてます。16ページの冊子に10以上のマジックですので、一つ一つはコンパクトに説明されています。挿絵はトミー・ワンダー氏自身が描いています。カップ&ボールはp13-p16にわたり、14の図を使って説明されており、この冊子の中では多くのエリアを使い詳細に説明されているマジックなのですが、正直この文章だけでどんなマジックが行われているかを理解(再現)するのは厳しいと思います(;^ω^)。

 この初期手順では、後の最終手順といくつか違う点があります。導入部分ではカップ・スルー・カップは行わず、ボールがカップを貫通する現象を行っており、さらにチャーリーミラームーブなども行っています。最も驚いたのは、ポンポンがネジではなくクリップで留められていたことです。あの不思議そうな顔をしながらゆっくりネジを絞める演出は笑いを得る非常に良いパフォーマンスですが、初期ではなかったんですね。ちなみに、この冊子はインターネット上で「Original Magic from Holland Lecture」と書かれていることも多いのですが、そんなタイトルどこにもないじゃないかと思っていたら鍵穴に連続して書かれてました...(;^ω^)

2.Tommy Wonder Entertains

 1983年に、Jeff Busby Magicから出版された冊子で著者はDr. Gene Akira Matsuuraと書かれていますので日系のお医者さんか博士号を持たれている方でしょうか...。サブタイトルに「Three Novel Routines Based on the Cups and Balls by JOS BEMA」と書かれていること、目次の2つのセクションが「1.Novelty Routines (pp1-12)」「2.The Jos Bema Cups and Balls(pp15-40)」となっていること、表紙にポンポンが描かれていることなどから、この冊子は明らかに氏のカップ&ボールがメインであることがわかります。1つめとしてレクチャーノートと大きく異なり、約20ページをかけて、道具に関して(ポンポンの作り方も含め)と手順を非常に丁寧に解説しています。図も40あり、動きや状態がわかり易く描かれています(挿絵はJohn Elferink)。手順の解説の後は、Tommy Wonder氏によるファイナルロードのコメントや、練習の時に役に立つようにアウトライン、その他バリエーションが書かれています。この手順を学ぼうとする人を考えた、かなり力の入ったカップ&ボールの解説書です!

 また、この冊子には、このTwoカップの手順のほかに「CANNED CRAZIESS」と「COUGH COUGH」というマジックが解説されています。「COUGH COUGH」おそらくVisions of Wonder - Vol.2の「Cough Drop」と同じだと思います。


しかし、「CANNED CRAZIESS」は他では解説されておらず、実演動画を探せていない作品です。是非実演を見てみたいこの作品は以前ブログで紹介したいわゆる缶タイプのソリッドカップの手順です。

缶タイプのソリッドカップ - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

前回紹介した高木先生のソリッドカップが発表されたのは1977年ですが、その数年前からボールとコーンの中身が詰まってしまうという考えはあったようです。しかし、高木先生...

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この記事でも少し述べましたが、当時、ポール・ハリスやマイケル・アマ―などがこのタイプのワンカップルティーンを発表しています。トミー・ワンダーの作品は氏らしく、笑いがあり、特有の道具があります。この手順では、スープ缶を開けるとなぜかミートボールが出てきて、そのミートボールがカップへの移動、それから貫通をします。貫通の途中の半分埋まった状態を見せるのも面白いです。ミートボールはさらに大きくなりますが、実は缶は空いていなかったという手順です。アマ―の手順では、缶についているキャップを開け、それと同時に玉が出てくるというシンプルな演出ですが、トミーワンダーの手順では缶切りで缶を開けるという手の凝った演出です。是非実演を見てみたいですね。

3.The Books of Wonder 1 & 2

 Tommy WonderとStephen Minchが著者でイラストはKelly Lylesです。カップ&ボールに関しては2巻の「Acetabula Et Calculi」という章にあります。このブログにして今更ですが、この言葉はラテン語でカップ&ボールの現象を意味します。「カップ(容器)を使うもの」という意味の言葉「acetabularii」と「小石を使うもの」という意味の言葉calculariusからなり、共にマジシャンを表す言葉として使われていた言葉のようです(カップ&ボール=マジシャン(o^―^o))。

 この章では、いくつかのことが書かれていますが、特にロードに関しての内容が詳細に書かれています。氏のTwo-cup Routineでもポンポンや袋のロードが特長ですし、氏がそこに様々な考察を行っていたことがわかります。どこかで聞いた(読んだ)のか忘れましたが、今のカップ&ボール演者はバーノンの手順に慣れ過ぎていて、ポケットに手を持って行き過ぎだと...理由を作り自然にポケットに手を持って行くのもいいが、最もいいのは全くポケットに手を持っていかず、大きなボールが出てくることだ...という言葉に少しハッとした記憶があります。

 Two-cup Routineの解説では先に紹介した冊子の解説よりさらに詳しく、微妙にアップデートされた最新版(最終版)の道具やルティーンが説明されています。先の冊子ではこの手順を学ぶ人のために、どのような現象か、どう実演するのかが詳しく書かれており、ビデオが一般的でなかった時代にこのルティーンを学ぶのに非常に役立ったとも思われます。この本は氏自身が書かれているため、それらに加え、さらに、なぜそれを行うのか?という見えていないところまで深く書かれています。この手順を本当にマスターしたいのであれば、演技・解説映像と合わせてこの文章での解説も読まれた方がよいかと思います。

 再度氏の手順を振り返りますと、これだけ、方法がわかっていても引っかかってしまう手順はそうそうないと思います。観客が気を抜くタイミングを作るには、逆の緊張するタイミングを作ればよいとビデオで言われてます。他でも聞いたことがあるフレーズですが、それが非常によく実現された手順だと思います。

 最後にカップについてですが、本では、クラシックな形でも、丸みを帯びたポールフォックスタイプでもどちらでもいいと書かれています。トミーワンダー氏は後者が好みだそうです。この手順では多くのカップ&ボールの手順と異なり、カップのトップに複数のボールを置くことがありません。ですので、トップの領域は広い必要はありません。また、前半のカップの上からボールを引き出すような動きや、後半の観客の手からカップを持ち上げる動きなどを考えると、トップが狭くスリムなAuke Van Dokkum氏やRaphael氏がデザインしたカップの計上は合理的な気がします。ボールとカップの大きさに関しては必要な関係がありますので、大小のポンポンは使うカップに合わせた大きさにする必要はあります。




Raphael and Bluether MagicのTommy Wonder Cup 3種の比較 - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

前回、「TommyWonderCups&BallsSet2.0」を紹介しました。これでRaphael氏が作ったTommyWonderCupが3種類になりましたので、3つの比較記事を投稿させて頂きます。新しい...

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Tommy Wonder Cups and Balls Set - カップ&ボールのカップ中心にいろいろ紹介

TommyWonderCupsandBallsSetです。このカップはAukeVanDokkum氏がTommyWonder氏の許可を得てステンレスの塊から削り出して作ったカップです。ちょっとわたしには重いのです...

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The Golden Shells by Whit Haydn

2024-10-24 23:11:00 | スリー・シェル・ゲーム

 これまで、カップ&ボールのカップの形をしたスリーシェルゲーム用ミニカップを幾つか紹介しましたが、最も多いのはクルミの形のシェルであり、私もクルミの形のシェルを使っています。いくつか家にありましたの紹介していきたいと思います。一つ目として紹介するのは、私が使っているWhit Haydn氏の「The Golden Shells」です。20年以上前にL&Lで購入しました。解説書には手順はありませんが、このシェルが出来た経緯とかスリーシェルの歴史などが書かれています。もう販売されていないと思っていたのですが、タネンで見つけました。

Golden Shells trick

Over six months in the making, Whit Haydn and Chef Anton have created the perfect shells for any Three Shell Game routine. Including design enhancements and tips...

Tannen's

 

 本シェルはピューターで作られた本体に24カラットの金で厚くメッキされたシェルです(22カラットと私の持つ解説書には書かれていますが(;^ω^))。重量感があり、高級感もあります。細部にこだわり作られており、Johnny Thompson氏が"This set of shells and peas is going to be for the shell game what the Paul Fox cups were for the cups and balls."と書いています。でもポールフォックスはちょっと言い過ぎでは…(;^ω^)。この商品が出てから、金色のシェルがいくつか販売されています。一度「高級ゴールデンシェル!」と書かれた数千円のシェルを購入したことがあるのですが、全然違うものでびっくりしました(笑)。この「The Golden Shells」ですが、実はMAJIONさんでも販売されています。

Golden Shells(金色のスリーシェルゲーム) - マジックショップ MAJION

1万円以上のご注文で送料無料!初心者から玄人までお楽しみいただけるマジックショップMAJION。 世界中のマジックグッズの中から専門家がセレクトしたアイテムの販売から、...

マジックショップ MAJION

 

「Pop Haydn監修のスリーシェルゲームの用具でセットです」と書かれています。私の中ではWhit Haydnという認識だったので、??と思いましたが同一人物ですね。Whit Pop Haydn氏はハリウッドのマジックキャッスルの元副社長であり、クロースアップ、ステージ、パーラー、バーのマジックで6回も受賞しています。

Whit Haydn - Wikipedia

 

 さらに、MAJIONさんで購入すると「MAJION特製手順動画」が付いてきます。

 野島さんの映像は、はじめて見た方は、特にスリーシェルゲームを知っている方ほど引っかかってしまうのではないでしょうか(私だけ?)。ただ、私が勝手に想像した手順の場合、これが行えるピーをお持ちでない可能性もあります。私はこのシェルを持っているのでこの手順のみマジオンで別売頂してほしいです(T_T)…。商品説明では、ジャストサイズのグラスが絶賛されてます。よく「ゴトッ」ってなってる演技ありますもんね(;^ω^)。でも、逆にギリギリ過ぎて私のセットはマット上では問題ないですが硬い面に置くとグラスの口がちょっと浮きます(^◇^;)

 Whit Haydn氏のこだわりはいろいろあるのですが、個人的にこのシェルがいいと思う点を述べます。①重量があり、しっかりしている、サイズ感も良い②底が(ある程度)平らであり、滑らせたときに滑らかに進む③おしりに少し空きがありスチールしやすい(ガタッとなりにくい)④底が少し湾曲しているため前・後ろを押すと反対側が少し上がる






 次に手順です。多くの手順が発表されていますが、私はこのシェルを使ったBob Kohler氏の「Golden Shells」というビデオで解説されている手順を演じています。私が購入したのはもう20年以上前で、ビデオテープでしたが、今もDVDで販売されています。

Golden Shells by Bob Kohler - DVD

Works with any shell set Absolutely angle proof Bob Kohler

Penguin Magic

 

 ちなみにWhit Haydn氏の手順の動画です(2018年マジックキャッスル)


この手順の解説動画もリーズナブルなお値段で販売されてます。

Pop Haydn

Pop Haydn teaches every detail of his award-winning shell game routine. The video includes live performances of the routine in the Close-Up Gallery and the W. C....

Penguin Magic

 

賞も受賞している素晴らしい手順だと思いますが、長いですよね…これを実現するためにはやはり、表現力・コミュニケーション力が必要です。技術解説があるので、それらを使って自分なりの手順を組み立てるのも良いかもしれません。Whit Haydn氏は他にも解説DVDをChef Anton氏とBob Sheets氏と共に出しています。これも詳しくて良いと思います。

Scoundrels Touch (2 DVD Set) by Sheets, Hadyn and Anton- DVD

In this two disc Volume II, Chef Anton, Whit Haydn, and Bob Sheets outline their advanced system for the shell game and teach routines complete with patter and a...

Penguin Magic

 

 日本では、やはりテレビ番組で実演されていた、ふじいあきらさんの手順が有名ですよね。道具付きで販売されていましたが現在は在庫なし状態が続いています(T_T)。

【用具+解説DVD!】ふじいあきらの「こだわり」スリーシェルゲーム〜プロの用具・プロの手順!〜 [monthly Magic Lesson Shoppers]

また、日本語の本格的解説DVDとしては、黒田氏の「東京都東くるみ市」があります。

東京都東くるみ市  ★永久保存版★-モテまじっく倶楽部

プロ、アマ待望のdvdがついに完成!!ほんとにやばいです!!東京都東くるみ市  永久保存版スリーシェルゲーム“史上最強のでんすけ賭博”Mr.Kuroda氏の18番...

モテまじっく倶楽部

 

 本(冊子)もいろいろ出ています。私が読んだものは20年以上前に根本さんのお店で購入したTom Osbourne氏の「Three Shell Game」です。1stエディションは1938年で当時これだけ詳しく書かれたものはなかったかもしれません。Lybrary.comで5ドルで購入できます。あと、松田道弘氏の遊びの冒険シリーズ3「ギャンブルのトリック」の中で少し取り上げられています。

 関連サイトを3つほど紹介します。

①スリーシェルの商品やDVDなどをまとめたサイト(Reference Guide to the Three Shell Game)です。スリーシェルへの愛を感じます! 

Reference Guide to The Three Shell Game

②歴史や、どんな風に行われたかなどが書かれたサイトです。Boschのカップ&ボールの絵がドーンと出てるところがいいですね(笑)

THIMBLERIGGING – HOW TO PLAY THE SHELL GAME

The Conjuror, by Hieronymus Bosch and workshop, between 1496 and 1516. Public domain, via Wikimedia Commons One of the most basic, yet also the potentially most ...

GRISTLY HISTORY

 

③マジェイアさんのページです。さすがの内容です。「The Golden Shells」の話もでてきます。

Three Shell Game

 というわけで、今回は3シェルゲームのシェルの紹介第1弾として「The Golden Shells」の紹介とその他いろいろ書かせて頂きました。しかし私はこのマジックをレパートリーにできていません(;^ω^)。3シェルゲームは基本ギャンブルなので、マジックとして観客に楽しんで頂くには演出に工夫が必要です。カップ&ボールでもそうですが、観客が指したところに玉が入っていない場合、観客は不思議ではありますが、楽しめるでしょうか?ここを何とかしないとと思っています。しかし、多くのマジシャンがこれで観客を楽しませているのは事実ですので、レパートリーにすべく、勉強していきたいと思います。

ちなみにGary Ouelletの演出も評価他界です。優しい感じがしますね。


 スリーシェルゲームの歴史の話になると、クルミを使う前はシンブルが使われていたということが書かれています。はじめて読んだ時ちょっと驚きました。小さすぎでは?と思いました(笑)。シンブルはカップとは比べ物にならないほどバラエティがありますので、お洒落なシンブルで行うとまた雰囲気が変わるかもしれません。シンブル専門の本とかあって奥が深いです…