さてさて、
昨日の北海道犬の繁殖の話を 噛み砕いて私にもわかるように 宏美所長に解説してもらいました。
最近では本当に耳の先まで真っ白な 本当にきれいな北海道犬が繁殖されるようになりましたが
以前にはそんな「きれいな」犬はいなかったそうです。
確かに 白×白 をしていくと どんどん白くなってきれいな 白毛のワンちゃんが繁殖されていくそうです。
さて、ここで 大前提の 「保存」 という話になっていきます。
白×白でどんどん繁殖していくと
大変可愛くて、きれいなワンちゃんが繁殖されていきますが
その反面
三角目で キレのある目が特徴の北海道犬の目が まんまるくなってしまったり、(まんまるだとペットとしてはかわいいけど)
色素が足りなくなって 鼻や爪・肉きゅうなど皮膚や粘膜が赤く(ピンク色)になってしまったり
胸幅が丸くなったり
本来、もっこもこの被毛が短くなったり、と、
本当に、ペットとしてはきれいで、可愛いワンちゃんとしてはいいのですが
保存に適する犬づくりには限界が来る・・・のだそうです。
で、昔の白毛北海道犬は今のような真っ白なワンちゃんはいなかったので
たまに、真っ白で鼻黒の犬は「幻の犬」と重宝されたそうです。
だから、牧十郎は、このブログにも時々登場する 「桜花・稚内武方荘」を この犬は幻の犬と言われるくらいいい犬なんだよ、
と、所有者に何回も言って説明していたのは こういった理由からだそうです。
で、色素が足りなくなったり
目の形や体型・被毛など含め 「素朴さ」「野性味のある」といったワンちゃんに戻すために
白毛の犬に赤毛や黒褐の犬をかけたりして、長い経過、時には何世代もかけて、保存に適した犬づくりをしていくわけです。
その過程で出てくる 色については それなりに目的に沿ったものなのか・・・といったところが審査員に求められていくのかな、
と思います。
審査員さんにもベテランさんと なりたての方がいて
経験値での評価の差は仕方のないことで、どんな職種のなかにも、その経過・経験でベテランになっていくわけで
また、せった時には多少の好みも入るでしょう。
だから一喜一憂しながら、各展覧会を楽しめるのでしょう。
しかし、犬は確実に良くなってきているそうです。
久しぶりに牧十郎と展覧会に行った時、こんなことを言ってました。
「審査員の目はボロじゃないわ。」
なんか、おもしろおかしく言ってましたが、要するに節穴でない・・・様なことを感心して言ってたことがありました。
審査員さんって、すごく良く勉強しています。
あたりまえのことですが、並みではありません。
私も以前、「顔で一席とった」みたいなことを言われて、とても悔しく情けない思いをしたことがありました。
これからもだんだん北海道犬のことを知っていくとそう、思ってしまうことがあるかもしれません。
牧十郎の部屋にさりげなく置いてあった、こんな本がありました。本というか冊子です。
牧十郎は、この冊子を何回も、何回も読んでいます。