Makoqujilaの蝶散歩Ⅱ

【蝶日記】第20回 チョウ類の保全を考える集いレポ

■ 2024.2.10 オンライン開催
ここ数年オンライン開催が続いている本集い、オンラインの方が参加者が多いということで、このスタイルをしばらく続けていくようです。今回は気候変動に関する話題が登場。興味深く聞かせていただきました。議題順に全部ではないですが一部メモをつけて様子を報告します。

◆日本のチョウの置かれた状況と今後の展望
【世界の状況】
地球温暖化の効果①生物の分布は1日5m北に移動している、②エスカレーター効果=スペインでは蝶の群衆(分布)が160m上昇した。
【国内の状況】
都道府県単位では180件の絶滅(「○○県で××が絶滅した」で1件)。モニタリングサイト1000のモニタリング結果ではスギタニルリシジミ、ミヤマカラスアゲハ、アオバセセリ、ギンイチモンジセセリの減少率が大きい。国内でもエスカレーター効果がミヤマシロチョウやヒメチャバネセセリ等で見られている。
【最近の成果】
保全活動数は増加できている。保全の技術が進化してきてヒョウモンモドキ、ツシマウラボシシジミは絶滅を食い止められている。

◆気候変動によって危惧されるチョウたちの状況
①「ウスバキチョウ、ダイセツタカネヒカゲほか北海道・大雪山の高山蝶の現状」
⇒ このあたりの種も温暖化の影響をうけ羽化時期が早まっている。またエゾシカが高山帯に進出してきていることが脅威。主題の3種以外ではクモマベニヒカゲの減少が激しい。

ウスバキチョウ 2022.7.2 大雪山(再掲)

②「ミヤマモンキチョウ、ミヤマシロチョウほか浅間山系のチョウ」
⇒ 2023年は両種に加えコヒョウモンモドキの数が非常に少なかった。春先が暖かかったが5月に寒の戻りがあり氷点下に下がる日が続いた影響で、孵化/越冬明けの幼虫が死んでしまった可能性があると考えている。

ミヤマシロチョウ 2023.7.22 浅間山系(再掲)

◆チョウ類保全の取り組み
①「大阪府能勢町におけるキマダラルリツバメの保全活動」
②「危機的な群馬県赤城山のヒメギフチョウ」
⇒ 2023年に産卵数が激減。危機的状況。一部の卵を保護すると同時に、市の予算で防鹿柵を設置し食草のウスバサイシンを守り始めたというところ(以前はウスバサイシンは毒があるので食べられなかったのだが、最近は餌が足りないのか毒でも食べられちゃうとか。。。)。

ヒメギフチョウ 2014.5.4 赤城山(再掲)

◆チョウ類のモニタリング調査
①「神奈川県小田原市におけるチョウ類のトランセクト調査」
 ⇒ 2022年から2023年でイチモンジセセリが減ってウラナミシジミが増えた。
②「ビジターセンターで行っているチョウ類のトランセクト調査」
③「モニタリング調査全体の結果と解析について」

◆絶滅危惧のチョウ・昆虫類の活動報告
①ヒメチャマダラセセリ、②ヒョウモンモドキ、③ツシマウラボシシジミ、④ツシマウラボシシジミとウスイロヒョウモンモドキの生息域外保全、⑤東北地方のアカハネバッタ

・前回のレポは:第19回 チョウ類の保全を考える集いレポ
・過去の同会のレポは:
  第18回チョウ類の保全を考える集い
  第17回チョウ類の保全を考える集い
  第16回チョウ類の保全を考える集い
  第14回チョウ類の保全を考える集い
・上で写真を掲載した種のブログは:ミヤマシロチョウヒメギフチョウ
・ウスバキチョウ撮影したときの様子:今年2度目の北海道:中盤は登山!
・日本チョウ類保全協会の公式HPは:こちら



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