■ 2020.2.1 国立オリンピック記念青少年総合センター
2年ぶりに日本チョウ類保全協会のイベントに参加してきました。昨年は会社の行事と重なり参加できませんでしたが、今年は運よく参加できました。
<プログラム>
①モニタリング調査によるチョウの生息状況の把握
「モニタリングサイト1000里山調査から明らかになった里山のチョウ類の危機」
藤田 卓氏(日本自然保護協会)
「絶滅危惧種および庭のチョウ類調査によるチョウ類の生息状況の推移」
日本チョウ類保全協会事務局
②自然エネルギーと生物多様性の保全
「増え続ける自然エネルギー利用~昆虫類の保全の観点から新たな方向性を考える~」
日本チョウ類保全協会事務局
「長野県諏訪市四賀ソーラー事業(仮称)計画について」
須田真一氏(中央大学理工学部)
「岡山県真庭市におけるバイオマス利用の取り組み」
増井太樹氏(岡山県真庭市)
③保全活動報告
「岩手県安比高原における馬の放牧による草原の再生」
渋谷晃太郎氏(岩手県立大学)
「大分県におけるオオルリシジミの保全活動」
川野雅喜氏(くじゅうオオルリシジミ保存会)
④チョウ類保全協会の活動報告
午前中はモニタリング調査によるチョウの生息状況の把握に関して、日本自然保護協会の方から報告がありました。
日本自然保護協会が「モニタリング調査1000」の結果から、チョウの数が急減していることをまとめ、昨年11月に発表したことにより、新聞他、多数のメディアに取り上げられ話題になりました。報告によると調査対象の87種中約55%の種類が減少しており、減少率が大きかったのは、ミヤマカラスアゲハ、コツバメ、ギンイチモンジセセリ、アオバセセリ、オオムラサキ、シータテハなどとのことでした。この結果は、調査ルートを決め、月に2回、その調査の動線上で見られ
た蝶の数であり、そもそもその動線上では見られないような激レア種は調査対象外となっています。また、絶滅危惧種は、生息地の減少で判断されることが一般的であり、生息している個体数では判断していないことから、いわゆるレッドリストとは傾向が異なる結果になっているものと思われます。いずれにしても、蝶の絶対数と見られる種類が減っていることは、われわれチョウの愛好家も感じていることであり、このような普通種も含めた調査は有用だと思いました。そういった意味では、チョウ類保全協会が行っている「庭のチョウ」の調査も重要ですね。参加者が増え、データの信頼度が上がることを願います。こういった活動は欧州が進んでいて、特に英国は参加者も多く(=データの信頼度が高い)、こういったデータが制度制定に有効活用されているとのこと。日本も追いつきたいです。
当日はこれ以外に、自然エネルギー利用と生物保全の関係(=一種のトレードオフ:温暖化防ぐべき→ソーラーパネル増→場所確保のため貴重な自然環境が失われる、、、的な)や草原の再生、希少種の保全など考えさせられるトピックスが続きました。個別に詳細は書きませんが、特にバイオマスの話は里山再生のヒントが隠れていると感じました。安比高原もいいところですね。行きたくなりました^^;
懇親会では沢山のチョウ仲間と会話できてうれしかったです。いろいろなポイントや撮影の裏技など勉強になりました。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
・前回のつどいは:第14回 チョウ類の保全を考える集い
・関連ブログ:
企画展:チョウが消えていく(2018)
企画展:チョウが消えていく (2017)
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