日本経済新聞紙の見出し「欧州感染者 第一波の3倍」を拝読しました

　2020年10月20日に発行された日本経済新聞紙の一面に掲載された見出し「欧州感染者　第一波の3倍」を拝読しました。

　サブ見出しは「移動緩和で再拡大　景気に二番底拡大」と伝えています。

　記事は「新型コロナウイルスの感染者数の拡大が過去最大のペースになっている」と始まります。

　そして、直近では新規感染者数は過去最大を更新した国・地域は40カ国に達したと伝えています。

　その中で、欧州連合（EU）と英国の新規感染者数は併せて、今春の第一波の3倍を超え、そして景気が二番底を迎える懸念が高まっているそうです。

　日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞紙　電子版では見出し「欧州感染者　第１波の3倍　景気二番底の懸念も」と伝えています。



　ここ1週間以内に、欧州（ロシアと東欧を含む）の半数に当たる35カ国では、新規感染者数（7日移動平均）が最多になっています。

　欧州の多くの国では、3月から4月が最初の感染者のピークでした。この時はロックダウン（都市封鎖）などの対策によって一時沈静化しましたが、また感染が再拡大しています。

　英国は10月18日時点で、今春のピークの3.5倍に感染者数が急増しています。ベルギーでは人口10万人当たりの感染者数が70人を超しています。

　欧州各国は夏前にかけて、移動制限を相次いで緩和しました。これが感染再拡大の一因と考えられています。

　米国Google社による集計によると、欧州各国での公共交通機関への人出は欧州でのコロナウイルス感染禍前の8割から9割に戻っていました。

　欧州各国での検査数は平均で約3倍から4倍に増えて、検査数が拡充しています。そして、新型コロナウイルスによる新規死者数は1日当たりに1000人を超えています。

　このため、欧州では例えばフランスではパリ市などでの午後9時以降の夜間外出禁止を始めています。このため、欧州での経済の見通しは暗いと報じています。

　欧州中央銀行（ECB）は、2020年のユーロ圏の成長率をマイナス8パーセントとみています。さらに「状況が悪化すれば、12月にも再び予測し直すとの見通し」です。

　フランスの国立統計経済研究所（INSEE）は、10月から12月の成長率予想を１パーセントからゼロに引き下げました。ドイツの主要経済研究所も20年の経済成長率をマイナス5,4パーセントに引き下げています。

　現在の感染数の拡大によっては、欧州各国は再封鎖を視野に入れ始めていますが、自国の経済回復を考えると、再封鎖は避けたい思惑です。

　米国のジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の累計感染者数は10月19日には4000万人を超しています。新型コロナウイルス感染は止まりません。

　日本でも賢い対応が当然、求められています。

(追記)2020年10月26日に発行された日本経済新聞紙の夕刊には、10月25日に「スペイン、再び非常事態宣言」をしたと報じています。また、イタリアは夜午後6時以降の飲食営業を禁止したそうです。イタリアは映画館や劇場、スポーツジムも閉鎖する措置を採っています。