病院って色んなドラマがある、私の知人が入院したときに同室だった老夫婦の事が忘れられない。
旦那さんが脳卒中で倒れ、地元の病院に運び込まれた、奥さんは献身的に毎日付き添いをしていた
奥さんは
『付き添いを頼むとお金が掛かるから、私がそばに付いてるからね』
意識朦朧の旦那さんの耳元で言った
24時間、点滴の旦那さんの病院食、殆ど食べられないその病院食を旦那さんに食べさせるふりして、奥さんが食べる
『あぁ～勿体無い勿体無い』ブツブツ言って食べる
ずっと病院にいると、お見舞いにきた人の見舞い菓子のお裾分けも口に入るしで一石二鳥♪
クレヨンしんちゃんも風邪を引く（笑い）
旦那さんは後遺症で軽度の麻痺で言語障害と記憶障害だったらしく、奥さんに向かって何を言ってるのか分からないが、いつも『はいはい、そうだね』と相槌を打つ、さすが奥さんだけは聞き取れるのねと感心感動
旦那さんは奥さんのことが誰だか分かってなかった（涙）
そうこうしてるうちに旦那さんの言葉は目に見えて回復、私も聞き取れる程に回復したそんなある日、旦那さんが奥さんに向かって
『あんたは、ずっと俺のそばにいてくれるようだが？』
すると奥さんは
『何を言ってるの、や～ねぇ～もう50年も側にいるじゃないですか』
そう言って笑った。
そんな会話に感動で涙が込み上げてきたので、廊下に出てハンカチで涙を拭いてたら、通りかかった看護士さんに
『大変だったね、気を落とさないで』と声を掛けられた
私が涙を拭いてた立ってた病室は老夫婦の病室隣の個室前
その個室から泣き声が聞こえてきた
『お母さん嫌だよ、死んじゃ嫌－－－－っ』
その声で再び大泣き
あんな夫婦って良いなって思う感動の涙が母親を亡くした子供達の悲痛な叫びで悲しみの涙に変わり、お岩さん状態のホラーな顔で自宅に戻ったら
『どうしたの？何か辛いことがあったの？言ってみなさい力になるから』
母の優しい言葉に爆泣き
あれから10年
あの老夫婦は？母親を亡くして泣いてた子供はどうしてるだろう
優しかった私の母も6年前の4月に逝ってしまった
母が逝った数ヶ月は悲しすぎて記憶がおぼろ
感動の涙と悲しみの涙の味って違うと知った
もうすぐお盆
母の好きだった料理を作ってお墓に迎えにいくわ
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