昨日とうとう母が帰ってきた
うるさいくらいに帰りたがっていたのに
いざ帰るとなると施設の人たちと
泣きながら別れを惜しんでいる
だったら
もっと居てくれても構わないのに
連れて帰ってきた母は
私の家を見ても
自宅のマンションを見ても
そこがどこだかわからなかったようだ
家に入って見渡したら初めて
自分の家だと理解できたらしい
帰ってきて2時間ほどは
動きも慎重で発言も
「怖いからおとなしくしてる」
って言ってたのに
3時間もすると入院前と同じように
「夕飯のしたくしなきゃ」
「買い物してこないと」
「一人でどこにでも行けるよ❗」
と覚醒してしまった
午後に担当者会議をやった
ケアマネさんとデイサービス担当者さん
介護ベッドを入れてくれた業者さんが
実家に集まった
母の覚醒発言をみなさんで諫めてくれる
「また転んで入院になったら悲しいからしばらく我慢しようね」
と言われると母は涙ぐみながら
「そうだよね」
と言う
退所はしたものの
みなさんからのアドバイスで
紙パンツを続けることになったし
外出時は必ず
歩行器を持って出てくださいと
言われた
母を迎えに行く時
父にも「必ず外出時は歩行器持ってね」
と言って
父も「わかってる」って言ったのに
一度自宅に戻った後
お昼を食べに出掛けようと
私が車を取りに行って戻ると
歩行器を持って降りてこなかった
「歩行器は?」
と聞くと父は
「まあいいだろ、俺が手を引くから」
と言う
その前に歩行器を押す母と一緒に
歩く父は歩行器を引っ張っていた
母のペースはもっとゆっくりなのに
歩行器に引っ張られるように
歩かされている感じだった
おそらく父にしてみたら
母のペースはじれったかったんだろう
母の歩幅に合わせる人ではない
直接引っ張った方が早く歩けると
考えたのかもしれない
母が車に乗り込むのも
母が手元足元を確認しながら
自分で乗り込もうとするのを
後ろからいきなり担ぎ上げて押し込んだり
降りるときも力ずくで引っ張り出したり
その度に母が悲鳴を上げても
お構いなしだ
担当者会議で父が
歩行器を持ってこなかったと言うと
ケアマネさんは
「習慣付けるために必ず
持って出てください」
と念を押した
父は少しふてくされたようにしてた
歩行器に
母の名前と住所と電話番号を書いて
入れておいたと
自慢げに言われたが
一人で外出はもう出来ないと
言ってあったのに
書いた電話番号は自宅のいえ電
想定されるのは一緒に出掛けた際
お店とかではぐれた場合だと思うが
ほとんど機能していないいえ電を
書いておいても意味はない
「そこはパパの携帯番号書いとかないと」
と言うと
「俺にかけてきても仕事中は出られない」
と答えた
父の想定で言うと
父が仕事中に母が一人で迷子になって
誰かが見つけてくれて
連絡をとってもらう番号は
誰もいない家のいえ電と言うことか
なんだろう?
父と話をしていると
ずっと痒いところとは関係ないところを
ひたすら掻かれてる気持ち悪さがある
マンションのオートロック解除方法に
暗証番号のやり方があったと思うが
私たちはそれぞれ鍵を持っていたから
使ったことはないけど
管理会社に聞けばわかるんじゃないかと
父に聞いてみるようにと頼んだら
「ちょうど5月に変わるらしい」
と話し出した
「じゃあその時聞いてみてよ」
と言うと「わかった」
と言ったので話は通じてると思っていた
しかし担当者会議でその話をすると
その話はオートロックの話ではなく
郵便受けが変わるという話だったと判明
私はオートロックの話をしているのに
父の中で郵便受けの話にすり変わる
その後も何度もオートロックの話に
戻すのに父は郵便受けの話で返事をする
こんなにわかり合えないのってある?
そこじゃない感ハンパない
私の忍耐が試されている
まあ遠からず事件は起きるだろうが
私は片目をつぶって
成り行きを見守ろう