母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

母はオートロックを解除できるのか?

2024-02-29 17:16:12 | 日記
「来月にはママを引き取る」

と言った父と話し合うため

父のもとへ向かった

追い詰められた表情で

「とにかく連れて帰ってくる」

と言っていた父に

私の話が通じるのか

キリキリと痛む胃をさすりながら

実家に向かった

父に施設の書類を渡して

とりあえず入所した時の

母の様子を話した

病棟から出て施設に着くまで

何度「自宅には帰れない」

と話してもすぐ忘れて

帰るのを楽しみにしてしまうこと

看護師さんも退院するまで

何度か施設に行くことを説明したが

理解できないようだと言われたこと

少し嫌がったが

普通に施設の中に入っていったこと

そんな状態だから

家に帰すなら一時も目が離せないことを

説明した上で

気になっていたことを父に聞いた

入院前の生活で

デイサービスが迎えに来ると

私がいる時は

マンションエントランスから

デイサービスの人がインターホンを鳴らし

母は「すぐおります」と言って

自分で下まで下りていっていた
(実家はマンションの4階)

私が見る限り毎回そうしているように

思えた

デイサービスの人も

エントランスの入り口で

待っていてくれたから

しかし父は

父がいる時は上まで

迎えに来てくれていたと

言いはっていた

「もしかしてパパがオートロック解除してあげてたんじゃない?

と聞くと

「いや、俺はなにもしてない
迎えが来るとあいつがインターホンに出てた

と答えた

お前なにもしとらんのかい❗

それなら父がいる時と私がいる時で

デイサービスの対応や

母の出来ることが

変わるわけない

「本当にママはオートロック解除出来てた?上まであがってきたお迎えの人をちゃんと確認した?」

そこまで突っ込むと父の目は泳ぎ

黙り込んだ

おそらく父は勝手に

お迎えの人は上まで迎えに来たと

思い込んでいただけだ

相変わらず母が出掛けるときも

見送るわけでもなく

デイサービスの人に

「お願いします」も言うことなく

自分はテレビを見ながら

動くことなく背中で

母が出掛けるのを感じていただけだろう

情景が目に浮かぶようだ

「例えば入院前にママがオートロック解除出来ていたとしても今のママには出来ないと思う
ママを家に帰したいならデイサービスに行く時も帰ってきた時も誰かが付き添わなきゃだめだよ
家に置いて一人には出来ないから会議にも行けないしパパの日課のお昼寝も出来ないからね

そう言うと

少し考え込んで

「うーん俺が仕事辞めてもしょーがないしなぁ」

とつぶやいた

「仕事辞めてつきっきりになったら俺の方がおかしくなる」

と言い出した

やっと現実が見えてきたかもと

「そうだよ、まず自分達の生活を守った上で出来ることをしていけばいいんじゃないかな?

と言うとほっとしたようだった

「俺は一回は家に帰してやらないといかんかなと思っただけで」

と言うので

「今はコロナの関係で出来ないけど落ち着いてくれば外泊って形で家に帰すことも出来ると思うしそもそも今いる施設もずっと居ていい施設じゃないからね?そのうち出されると思うから家に帰すならどうやってママを安全に家に置いておくかしっかり準備してからじゃないと帰せないしその時のママの状態で無理だと思えばまた施設も探さなきゃいけないよ

と言うと納得したようにうなずいた

とはいえ

また母からおかしな電話があったら

豹変するかもしれない
 
それだけ父にとって

母はトラウマなのかもしれない

私たち娘は母から離れて

母の呪縛が取れてきたけど

父は今になって縛られているのかも

私も3人目を産むと決めた頃からやっと

母と距離が取れるようになってきた

今思うとなんであんなに

母の言うことを聞かなければならないと

思ってしまったんだろう?

私が3人目がほしいと話した時

母は大反対をした

「3人目産んでも私は面倒見ないからね❗」

と母に言われたが

望むところだと思ってしまった

母に手伝ってもらって助かった部分は

感謝しているが

孫の私物化も激しかった

私に相談もなく勝手に

娘の髪を切っていたり

私が子供たちにマフラーでも編もうと

毛糸を買ってきたら

「私が編んでやるわ」と言って

毛糸を持っていってしまったり

やりたい放題だった

その頃親しい人が亡くなり

「死ぬときに後悔したくない」

という気持ちが芽生え

3人目を産む決意をした

3人目は完全母乳だったのもあって

手の平を返して

預かろうとする母をかわす

いい言い訳だった

上の子を言い訳にして

出産後も実家には帰らず

「沐浴は私がやる」

と言うのでそれだけ母に任せた

少しずつ距離を取りつつ

客観的に母を見れるようになってきて

母の身勝手さや非常識に嫌気がさしてきた

母の言うことは絶対じゃない

若い時にそう思えたら

私の人生も違ったかな?

今幸せだからいいんだけど

母のために

家族にも迷惑かけているから

私もしっかりしないとね


父にもしっかりしてもらわないとね



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