1 ヒューマニスティック・サイコロジー (人間性心理学)
・精神分析の潮流、行動療法の潮流の
いずれとも一線を画す、第3の潮流として、
1960年代に出現。
・意識的な主体を重視し、
人間の本性は自己実現に向かうものだという
肯定的な人間観に立っている。
*来談者中心療法(パーソン・センタード・アプローチ)(Carl Rogers)
・どのクライアントにも、
自己実現に向かう生得的な傾向が備わっていると考える。
・セラピストにとって、最も重要なことは、
クライエントの中の自己実現に向かう傾向が働き始める条件を整えること。
・そのために、ロジャーズ(1957)は、
「無条件の肯定的尊重」「共感的理解」「自己一致」が
主要な条件であると論じた。
・ロジャースの考えによれば、どのような特定の治療技法よりも、
この条件を満たす人間関係を提供することこそが、
クライエントに治療的変化をもたらすうえで重要である。
・この考えは、その後の多くの研究によっておおむね支持され、
その後のあらゆる心理療法に大きな影響を与えた。
・現在の心理療法の多くは、その考え方を潜在的に取り入れているともいえる。
・来談者中心療法は、それを直接の起源とする心理療法をいくつももたらした。
「フォーカシング」「動機づけ面接法」「感情焦点化療法」 など。
2 実存的心理療法
・ニーチェ、キルケゴール、ハイデッガー、サルトルといった
哲学者たちによる、実存哲学の影響を受けた心理療法。
・実存哲学によれば、人間に与えられた基本的条件ゆえに、
人生には根源的な苦しみが伴う。
・この根源的苦しみは不可避なものであって、これを避けようとすることから、
さまざまな心の問題が生じてくる。
実存的心理療法家はクライエントの呈している問題の中に潜在している、
不安、孤独の恐れ、自由と選択の恐れ、人生の意味への疑惑といった
実存的なテーマを探求し、それについてクライエントと率直に対話していく。
3 システム論的アプローチ
・援助対象を、
「問題や症状を呈している個人」から、「個人の生活環境」へと拡張してみると、
家族や職場など、その個人が所属しているシステムにおいて、
その個人の問題や症状は何らかの意味のある機能を果たしていることが観察される。
・こうした観察に基づき、援助対象を、「問題や症状を呈している個人」ではなく、
「システム」だと考える。
・システムの在り方に変化が生じれば、システムを構成する個人の在り方にも変化が生じ、
「問題や症状」が変化したり、
「問題や症状」自体はそのままでも、その意味が変化したりすると考える。
・代表的なシステム論的アプローチ
「システムズ・アプローチ」「解決志向アプローチ」「ブリーフ・セラピー」
・構成主義の認識論に立脚している。
「○○が原因である」「○○が問題である」といった、
当事者にとって紛れもない現実と見えているものも、
当事者たちによって構成されたものだとみなす。
・面接では、会話によって、こうした現実を構成し直し、
安心感や希望が感じられる新しい現実を構成することをも目指す。
・そのための技法に、「ジョイニング」と「リフレーミング」
*ジョイニング
・そのシステムにおいて、現実とされているものや
そのシステムにおけるコミュニケーションのルールを受け入れ、
システムに溶け込む技術。
・ジョイニングによってセラピストがシステムの一部となることにより、
システムに変化をもたらす素地ができる。
*リフレーミング
・クライエントにとっての現実を、少し違った視点から見てみることにより、
現実構成を変化させる技術。
4 総合的アプローチ
・セラピストが、クライエントのニーズを尊重し、
クライエントのニーズに適合した心理療法を工夫して提供することが、
治療効果が高まると期待されている。
・1つの学派にもっぱら依拠するのでなく、
多様な学派の存在をリソースとしてとらえ、
多様なクライエントに対して多様な学派の視点や技法を生かして
総合的に、より効果的な心理援助を実現しようとする立場。
・主に4つの立場がある。
①理論的統合
異なる学派の基礎にある、観察や理論を検討し、
そこからもともとの学派の要素を持ちながらも
新しい一貫した理論を構築することを目指す。
②技法的折衷主義
学派を超えて個々のクライエントの特徴に適合する治療技法を選択し、
活用すること目指す。
③共通要因アプローチ
学派を超えて共通する治療要因を明らかにすることを目指す。
④同化的統合
さしあたり一つの学派に依拠しながら
徐々に他学派の知見を取り入れていくことを目指す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『たくさん、たくさん、あるんだねー』
1960年ごろには約60だった心理療法の学派は、、、
20世紀末には400以上にまで増大したそうですよ・・
(2016年 6月下旬 夜 撮影 1Fリビングにて )
・精神分析の潮流、行動療法の潮流の
いずれとも一線を画す、第3の潮流として、
1960年代に出現。
・意識的な主体を重視し、
人間の本性は自己実現に向かうものだという
肯定的な人間観に立っている。
*来談者中心療法(パーソン・センタード・アプローチ)(Carl Rogers)
・どのクライアントにも、
自己実現に向かう生得的な傾向が備わっていると考える。
・セラピストにとって、最も重要なことは、
クライエントの中の自己実現に向かう傾向が働き始める条件を整えること。
・そのために、ロジャーズ(1957)は、
「無条件の肯定的尊重」「共感的理解」「自己一致」が
主要な条件であると論じた。
・ロジャースの考えによれば、どのような特定の治療技法よりも、
この条件を満たす人間関係を提供することこそが、
クライエントに治療的変化をもたらすうえで重要である。
・この考えは、その後の多くの研究によっておおむね支持され、
その後のあらゆる心理療法に大きな影響を与えた。
・現在の心理療法の多くは、その考え方を潜在的に取り入れているともいえる。
・来談者中心療法は、それを直接の起源とする心理療法をいくつももたらした。
「フォーカシング」「動機づけ面接法」「感情焦点化療法」 など。
2 実存的心理療法
・ニーチェ、キルケゴール、ハイデッガー、サルトルといった
哲学者たちによる、実存哲学の影響を受けた心理療法。
・実存哲学によれば、人間に与えられた基本的条件ゆえに、
人生には根源的な苦しみが伴う。
・この根源的苦しみは不可避なものであって、これを避けようとすることから、
さまざまな心の問題が生じてくる。
実存的心理療法家はクライエントの呈している問題の中に潜在している、
不安、孤独の恐れ、自由と選択の恐れ、人生の意味への疑惑といった
実存的なテーマを探求し、それについてクライエントと率直に対話していく。
3 システム論的アプローチ
・援助対象を、
「問題や症状を呈している個人」から、「個人の生活環境」へと拡張してみると、
家族や職場など、その個人が所属しているシステムにおいて、
その個人の問題や症状は何らかの意味のある機能を果たしていることが観察される。
・こうした観察に基づき、援助対象を、「問題や症状を呈している個人」ではなく、
「システム」だと考える。
・システムの在り方に変化が生じれば、システムを構成する個人の在り方にも変化が生じ、
「問題や症状」が変化したり、
「問題や症状」自体はそのままでも、その意味が変化したりすると考える。
・代表的なシステム論的アプローチ
「システムズ・アプローチ」「解決志向アプローチ」「ブリーフ・セラピー」
・構成主義の認識論に立脚している。
「○○が原因である」「○○が問題である」といった、
当事者にとって紛れもない現実と見えているものも、
当事者たちによって構成されたものだとみなす。
・面接では、会話によって、こうした現実を構成し直し、
安心感や希望が感じられる新しい現実を構成することをも目指す。
・そのための技法に、「ジョイニング」と「リフレーミング」
*ジョイニング
・そのシステムにおいて、現実とされているものや
そのシステムにおけるコミュニケーションのルールを受け入れ、
システムに溶け込む技術。
・ジョイニングによってセラピストがシステムの一部となることにより、
システムに変化をもたらす素地ができる。
*リフレーミング
・クライエントにとっての現実を、少し違った視点から見てみることにより、
現実構成を変化させる技術。
4 総合的アプローチ
・セラピストが、クライエントのニーズを尊重し、
クライエントのニーズに適合した心理療法を工夫して提供することが、
治療効果が高まると期待されている。
・1つの学派にもっぱら依拠するのでなく、
多様な学派の存在をリソースとしてとらえ、
多様なクライエントに対して多様な学派の視点や技法を生かして
総合的に、より効果的な心理援助を実現しようとする立場。
・主に4つの立場がある。
①理論的統合
異なる学派の基礎にある、観察や理論を検討し、
そこからもともとの学派の要素を持ちながらも
新しい一貫した理論を構築することを目指す。
②技法的折衷主義
学派を超えて個々のクライエントの特徴に適合する治療技法を選択し、
活用すること目指す。
③共通要因アプローチ
学派を超えて共通する治療要因を明らかにすることを目指す。
④同化的統合
さしあたり一つの学派に依拠しながら
徐々に他学派の知見を取り入れていくことを目指す。
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『たくさん、たくさん、あるんだねー』
1960年ごろには約60だった心理療法の学派は、、、
20世紀末には400以上にまで増大したそうですよ・・
(2016年 6月下旬 夜 撮影 1Fリビングにて )
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