お向かいのシャムネコ ”モモちゃん” が吹雪の日に姿を消して四日目、
チャイムが鳴って転げるように玄関に出ると、飼い主に抱かれたモモちゃんがキョトンとしていた。
この寒空に、もう戻ってこないだろうと諦めていたので夢を見ているようだった。
今年二月、奥さんが骨折して入院中に姿を消し、
市の動物愛護センター「あにまーる」に保護されていたのを
お隣さんと共同作戦で連れ戻したハプニングがあった。
今回はタンスの引き出しの中で見つかったという。
高齢の奥さんはかなり耳が遠い。お返事ネコのモモちゃんの事、
ニャーニャー助けを求めたにちがいないが、奥さんの耳には届かなかった。
高音のテレビを消していた時に、たまたま訪れたお客さんが奥の部屋から聞こえてくる
モモちゃんの鳴き声に気付いて九死に一生を得たのだ。
どうしてタンスに? 奥さんにもわからないというから単純な想像だが、
タンスの引き出しを開けた時に素早くもぐりこみ、そのまま閉められたのだと思う。
それにしても災難続きのモモちゃんだが、
四日間飲まず食わずなのに痩せもしないでケロッとしている。
モモちゃんの強い生命力には驚くばかり。
お帰りなさいモモちゃん、そして寒い中諦めずに探し廻っていた奥さん、
モモちゃんの居ない寂しい新年を想像して胸が痛かったが、本当に良かったですね。