


今日は、写真は無くて文章だけです。
少し長い文章です。
保江先生の本を5冊読みました。
どれも面白い!!
「人を見たら神様と思え」の本で
「人だけでなく、物や動物や自然に寄り添っていると、
いつのまにか在るがままでいる自分に気づきます。
そのとき人間も、木も、犬も、山も同じ存在です。
魂が解放され、自分を意識している思考の存在から
魂の存在に戻っています。
それが活人術であり、人を生かす術です。」と書かれています。
門人の一人で群馬県の教師
加藤 久雄先生の話を読んだとき
涙が止まりませんでした。
3回に分けてその一部を載せます。
是非、購入して読んで見て下さい。
「人を見たら神様と思え」保江邦夫著 風雲舎 ¥1429+税)
「床暖房が切れる
奇妙なご縁で保江邦夫先生の本に出会いました。
ある本を手に取ると、横にあった本が一緒に落ちてきました。
それが『合気開眼』(海鳴社)でした。
タイトルが気になって買い求め、家に帰ると夢中で読んでしまいました。
読み終えるとどうしてもこの著者に会いたくなって、
出版社に頼み込んで連絡先を教えてもらい、
お会いしたいと手紙を出しました。(中略)
『合気開眼』を読んで、その真偽を自分の目で確かめようと
道場破りのような人が全国から続けて訪ねて来ていました。
先生は遠くからわざわざ訪ねてきた人たちを喜ばせるため、
ついつい大げさに人を投げ飛ばしたりしていました。
ある日、女子大生たちが、
「最近、なんか冷えるわね。床暖房が切れたのかしら」と
言い始めたそうです。
もともと道場には床暖房はないのですが、
寒い冬でも稽古を始めると道場はホカホカしていたのが、
すっかり冷えきっていたのです。
先生は、武術的要素を強めれば強めるほど、
道場が冷えてくることに気づいていたそうです。
ちょうどそんなときに僕の手紙を受け取り、
ここに必要なのは武術的要素ではなくて、
人を活かす活人術そのものではないかと思ったそうです。
そのため子供の教育に携わる僕にも会ってくださったのです。(中略)
保江先生は、僕が何かを相談しても
「加藤先生の思うままにお進みください」と
おっしやるばかりで具体的なことは言ってくれません。
でも保江先生の言葉を聞くと、
僕はなぜかほっとしました。
僕がある学年を持つことになり、
そのクラスがほんとうにたいへんだったので、
どうしたらいいのか相談したときは、
さすがに先生もこれは尋常ではないと思われたのでしょう。
というのは、その学年は前年十一月に大きな学級崩壊を起こしていました。
教室では教師の言うことが通らなくなっていました。
授業中に紙飛行機が行き交い、
教師が黒板に向かって何かを書きはじめると
背中に紙つぶてが飛んできたりして、
授業が成り立ちませんでした。(中略)
子供は本質的に人の注意を自分に向けるということに
人生をかけています。
いいか悪いかは関係ありません。
そこでは怒られることも愛ですし、
ほめられることも愛です。
「加藤さん、あなたに言葉を贈るよ。
いつも自分は愛されていると思って学校に行きなさい」
とおっしやいました。
大人はほめるときは上の空です。
叱るときは本気です。
苛立って叱ります。
叱るときのほうがエネルギーが強いのです。
大人たちが叱るときは本気で、
ほめるときには目先三寸でやっていると、
子供たちの気持ちは叱られるほうに強化されていきます。
次々に問題が起こるので、
担任も疲れ、
注意ができなくなります。
子供たちはあるレベルで先生が怒らなかったからと、
もっと怒らせることをやります。
ほんとうは注意を自分に向けたいのです。
口ではけっして言いませんが、
本心はそうです。
担任に自分たちのことを思ってほしい。
それがどんどんエスカレートしていって、
あるとき手がっけられない状態になりました。(中略)
学年末にクラスの子供たちが千羽鶴を折って
担任の先生に持ってきました。
先生はおかしいなと思ってその折鶴を開いたら、
そこには「死」とか「呪」という文字が書いてありました。
三クラス中一クラスの崩壊でしたが、
大きな崩壊でした。
そうなってそのクラスを持つのは、
「加藤さんしかいない」と
他の先生方が言い始めました。
当時、僕が持っていたクラスも大変でした。
放課後、教室を回ると、
「先生死ね」と黒板に書いてありました。
それが二年間で心が通うようになって、
やっと温かくいいクラスになってくれたのです。
それでひと息ついたところで校長に呼ばれて、
「加藤さん悪いけど、
来年は崩壊したクラスをなんとかしてほしい」と
言われました。
ふつうなら教師冥利に尽きるのでしょうが、
このときばかりは自信がありませんでした。(中略)
「自分がやらねばなければいけないと思うのですが、
僕自身どんどん苦しくなっていきました。
なんとかしでも自分がほんとうになんとかできるのだろうかと、
気が変になりそうでした。
朝、学校に行こうと思うと車のアクセルが踏めません。
どうしたらいいかと思い悩んで、
保江先生にこんな状態ですとメールしました。
保江先生からの返事には、
隠遁者さまから教わった
活人術をあなたに伝えると書いてありました。
それが次の言葉でした。
「相手を愛することより、
相手に愛されることのほうが難しい。
相手に愛されるにはどうしたらいいかというと、
あなたが子供たちや親たちから愛されていると
勝手に強く信じ込み思い込むことです」
最初これを読んだとき、
正直いってあまり響きませんでした。
僕はこんなに苦しんでいるのに……と思いながら、
それでも何度も何度もそのメールを読み返しました。
読み返しているうちに、
だんだんその気になってきました。
それが愛魂なんでしょうね。
保江先生の愛魂にかかっていたのです。
四月にスタートを切るとき、
その学年を受け持つことになった三人の先生に、
あまり詳しいことは話さず、
「じつは僕の師匠が教えてくれたんだけど、
毎日、自分はこの子だちから愛されていると強く思うと、
ほんとうにそうなるというんだ。
だから僕ら教師は今はほかに打つ手がないから、
これでいこう」と話しました。
それから僕らはそれぞれ
「愛されているんだ」と、
自分に言い聞かせて学校に行くことにしました。
最初は変わりませんでした。
東北の大震災の後でもあり、
子供たちの気持ちは落ち着かず、
いっそう苛立っていました。
それまでは外から見ていたけれど、
四月からそのクラスの子供たちは
僕の子供になったわけです。
その子たちの心の壊れ方というのは
ほんとうに大きかった。
その子たちの心を覗いたとき
人の心はこんなにも
闇を抱えてしまうものかと震えが来ました。
いちばん人の気にしていること、
いちばん人の嫌がることを
直球でぶつけてきます。
汚い嫌だなと思ったその子の
触ったものには触らない。
給食だってその子には配らない。
その子がちょっと触っただけで
バイ菌が付いたと言って大騒ぎする。
自分勝手を楽しんでいる一部の子供は幸せなのです。
ほかの子が便乗してその子たち
だけが楽しんでいるということがどのクラスにもありました。
何をするにもクラスの誰かが傷ついて泣く。
拒食症の子はどんどん痩せて、
もう入院というところまでいきました。
この子をまず助けなければいけない。
そして死を考えている子を安定させなければいけない。
そこで僕は保江先生に伝授された
スマイルリフティング(愛魂上げ)を子供たちにかけたり、
相談室に呼んでいろんなかたちでカウンセリングをしました。
毎日毎日、自分は愛されていると言い聞かせながら。
愛されていると思うと緊張感が解ける
不思議なもので、毎日「愛されている」と自分に言い聞かせ、
愛されていると思うと、
逆にこちらから向こうに光の筋が出て行く感じがあるのです。
あの子たちが自分を愛してくれていると本気で思うと、
その結果、自分の身体の緊張感が解けるのです。
そういう効果が出てきました。
外から見たらわかりませんが、
やがて子供たちが微妙に変わってきたのが
僕にはわかりました。
たとえば誰かが休んだら、
「○○ちゃんどうしたんだろう」と
いうようなことを言うようになりました。
そんなちっぽけな、
ふつうの学級ならあたりまえのことが起きるようになったのです。
そこをすかさず「いいね」「やさしいね」とほめて、
「あなた素敵だね」と言葉をかけました。
まだ全体にはかけられませんから、
その子だけにです。
もし全体に向かって言えば、
「いい子ぶっているんじゃないよ」と
その子が攻撃されかねません。
ですからできるだけひとりひとりに声をかけていきました。
それを続けていくうちに、
周りの子たちのことを思う、
そんな空気がだんだんクラスに
出てくるようになりました。
ちょっと前ならごみ箱のゴミが山盛りになっていても、
触るのが嫌だからゴミがあふれて外に落ちます。
それをそのまま放っておきます。
自分の手が汚れるのが嫌で、
ギュツと手を押し込む子がいなかったのです。
それをある女の子がやるようになった。
そしてノートに「先生にほめられてうれしかった」と
書くようになりました。
これまではそんなことをすると、
「いい子ぶるんじゃない」と
いじめられるので誰もしなかったのです。
「そうじゃないよ、
先生はいつも正しいほうについているから」と言うと、
変なことをやる子に対して
「もっと静かにしろ」と
言うような子が出てきたのです。
「いいね」とすかさず言うと、
クラスの空気が変わってきました。
とくに大切なのはボスの男の子です。
その男の子に僕はいつも話しかけていました。
「おまえはほんとうはいい子だよ」
「先生はおまえが大好きだよ」と。
ほんとうに大好きだったのです、その子が。
明日に続きます。
少し長い話でごめんなさい。
でも、心に響く素敵な話なので伝えたくて載せました。
今度の日曜日には、保江先生の「愛魂」に触れに行きます。
その話をまた書きますね。
ありがとうございました。