バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1996年5月9日(木)

2024年09月22日 | 1996年

5月9日
 雨がぱらついているせいか、一緒に実技を受けるのは3人だけ。5分前まで待合室にだれもこなかったので、1人で実技を受けるのを覚悟していたのだ。時間ぎりぎりになって、ようやく残り2人が駈けこんでくる。

 1時限目のS字練習では何とかコケズに(残りの2人はコケていた――なんか、自分だけコケナイのはしみじみうれしい)指導員についていけたが、2時限目の急制動ではエンスト数回。この2時限の指導員は言い方はきついが、模範運転をやるときなどは、ギアチェンジごとに「ハーッ!」とか「ホヤー!」と気合いをかける。おもしろい指導員だと思って注意してみると、指のつけねに空手ダコ。涼しげな目つきをしているが、ときおりするどい眼光も飛ばす。タンデム走行で彼の両肩に手をかけたとき、ぶおんと盛り上がった筋肉を感じる。なるほどなあ、と納得。

 なんとかこの時限も無事クリア。明日は2段階3と4。


1996年5月8日(水)

2024年09月20日 | 1996年

1996年5月8日
 午後から入校式と適性検査にそれぞれ一時間。普通車の人間も合わせて、10人くらいいる。やはり、若いやつが多い。当たり前か。
 一旦、部屋に帰り、あらためて5時50分と6時50分の技能教習を受けにいく(技能は連続2時間受講が基本)。教習所から部屋までは数百メートル、自転車で3分――急げば約2分の距離なので楽だ。技能教習、三段階。審査も含めて全部で10時間。プラス3時間くらいを目標にする。
 教習簿自動検索機にメンバーズカードをさしこむだけで、数秒もたたないうちに自分の教習簿がすすっとでてくる。教習時間がくるまでベンチに座り、じいっと教習簿を見ていると、写真の横にある年齢40歳という文字が、やたら気になる。今回、一緒に受講するなかでは、たぶんワシが最年長なのは間違いない。5分前に自動二輪の待合室にいくと、案の定、若い男ばかり。ほとんどが20歳前後。

 いよいよ、実習1時限目。一緒に6人が受講する。
 バイクを囲んで、各部の名称やはたらきなどを、50歳ぐらいの指導員が説明していく。きびきびしていて、気持ちがいい。どこかの飲み屋ででも知り合いになっていれば、話が合いそうだ。服装はいかにもバイク乗り――赤いキャップに、黒の革ブーツ、動きやすそうなライディングウェア――という恰好。さりげないが、決まっているという感じだ。これだけでも、ワシみたいなバイク初心者には感激もんだ。背丈はワシより2、3センチ低いくらいか。けれど、それほど小柄には見えない。

 バイクはワインレッドのCB400フォアー。ぴかぴかに磨き上げてある。エンジンは艶消し黒の塗装、集合マフラーも黒、くわしくはわからないが、一昨年くらいのモデルだろうと見当をつける。なんか、今すぐこれに乗って、町中を走り回りたい衝動にかられる。指導員の話なんか聞くより、このバイクをずうっと見ていたいくらいだ。結構、存在感があるのがいい。低いエンジン音が頭の中に響く。これと同じ色のバイクが表に10台は停車している。なんか、わくわく。

 いよいよ初乗り。
 ローギアで5メートルほどいって停止。エンジンをいったん切り、また始動して5メートルほど前進。しばらくそのくり返し。1時限目はそれで終了。10分休憩、2時限目。次はS字カーブ。6人のうち4人が普通免許を取得していて、あとの2人も原付免許をもっている。指導員もそのつもりでやっている。アリの行列のように、指導員の運転するバイクに6台のバイクがついていく。最初のS字にはいるとき、前のバイクがいきなり転倒。あせっているのが、傍目にもわかる。エンジンの再始動に戸惑っている。うしろに停車して、その様子をじいっと見ているワシに、先にいけと指導員から指示。ワシもハンドルを切りすぎクラッチ操作をあやまり、エンスト。すぐにエンジン始動。あとは周回をやりながら、セカンドで直進30キロ走行。ブレーキング。拡声器をもった指導員に、脇が開き手首が立っていると注意される。が、その後エンストすることもなく無事に2時限目を終了。正直な感想。こんなに疲れるものなのかよ。

 


1996年5月7日(火)

2024年09月20日 | 1996年

1996年5月7日
 午前、自転車で近所のk自動車教習所に行き、自動二輪の中型免許の手続きをする。
 前もって電話で問い合わせていた普通自動車免許証、印鑑、メガネ等をもっていく。いつも散歩がてらに見ている教習所の建物が、心なしか普段と違って見える。正面玄関は外階段をあがった二階にある。

 階段下で若干気持ちを落ち着け、正面入口に向かう。玄関ドアを押し開けると、教習を待っているらしい若い男が、入り口近いソファに数人座っている。どうやら普通自動車受講者らしい。いかにも教習所に溶けこんでいるという感じがする。不思議だ。自分だけ浮いているような疎外感にとらわれる。奥の受付へいき、カウンターの女性にバイクの免許取得をしたい旨伝える。たったそれだけだが、ちょっと緊張する。

 書類に住所、本籍などの必要事項を書きこみ、その場で視力検査(受付のカウンターに顕微鏡みたいな視力検査器が据えつけてある――眼鏡使用で両目とも1・2)。10年前、大泉学園で普通自動車免許をとったときとは趣がだいぶ違う。昔の視力検査そのままに「はい、この文字は」「つぎ、左目いきますよ」だった。それから、メンバーズカードをもらう。このカードで予約、入金、検定申し込みをするようになっている。カードにはデフォルメされた自動車のイラスト。教習簿と教則本も受け取り、会計カウンターで金を払う。――75000円也。

 先ほどのカウンターにもどって、10分間ほど学科や実習を受講するさいの個人レクチャー。ヘルメットは貸し出してくれるらしい。技能教習のところでちょっとわかりにくいところがあったので質問すると、担当していた女性の、わざとらしいため息。まるで出来の悪い小学生でも諭す調子でもう一度説明をくり返す。教習にやってくる若いやつばかりを相手にしているので、自然にそういう態度になるのだろうか。