まあちゃんのエッセイです、読んでね!

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リーダーシップをとりたいおばさん

2012-11-27 09:15:19 | 自治会活動

【花植え作業でリーダーシップをとりたいおばさん】

●土づくりを終えて一か月後

  10月はじめは土づくりだった。昨年の花壇の枯れた花を取り除き、根っこ
を抜いたり切ったりして、次の花の植え付けに備えた。
スコップや鍬でかたくなった土を掘り起こしやわらかくした。カのいる作業だ
ったので参加していた数人のお父さんたちが活躍してくれた。「は一い、それじ
ゃ花壇ごとに腐葉土をまいてくださ一い」と、リーダーさんから声がかかり、
大きな袋にはいった腐葉土をばらばらと土の上にまいていく。枯れ葉などのく
さった臭いがして、小さいころ育った田舎の田んぼを思い出した。腐葉土と土
がよく混ぜ合わさるようにスコップでなんどもかきまぜ、その上にパラパラと
白い丸い肥料をまいて花壇の土づくりは終わった。

(花 1)

  あれからひと月、自治会の花壇担当者から緊急のチラシがポストに入ってい
た。「花の植え付け作業、ご協力のお願い。急な日程となりよろしくお願いしま
す」。「え一、11月の終わりって聞いてたのに、今週の土曜日だなんて!しか
し何とかしよう。共同作業は大事なことだから」と、私はスケジュールをあけ
て参加した。

(花 2)

●根切り虫の幼虫って土にいいのよ

 平坦になった花壇にスコップを入れると土がやわらかい。「いや一、こんなに
掘りやすいと思わなかったわ」と、声が聞こえる。「そうなんや、やっぱり腐葉
土や肥料を入れて手間ひまかけて準備したからやな」と、私も思いながら土掘
りをしていった。「チューリップの球根はまあるくなった方を外側にむけて入れ
てください。土は深く掘ってね。お願いしま一す」と指示がでる。穴掘りが浅
いと水やりをしたとき球根が土の上にでてしまい、赤くなって芽を出さなくな
ってしまう恐れがあるとのこと。 

 「今年は根切り虫が多いわね」と、年配のおばさんが言った。土を掘りおこ
すと2cmくらいの白い幼虫がま一るくなって眠っている。「あ、これ根切り虫
の幼虫なんですか」。私はこんな形の幼虫が小さい頃から大きらいで、ポンポン
と土の上にほりだしていた。「土にはいいんだって、こんな虫って息もするでし
ょう」「あ、そうなんですか。しらなかった。じゃ戻しといてあげようか」と、
私は掘り出した根切り虫の幼虫をまた土の中に戻しておいた。土にはいいけど、
成虫になったら根を切るんだから悪い虫になるんじゃないかと、思ったけど「ま、
いいか。冬さむいもんね。土のなかで眠ってるんだから」と、そのままにして
おいた。

(がんじきと紅葉したもみじの、 桜の葉っぱをかき集めました。)

●リーダーシップをとりたいおばさん

 こんな小さなグループ作業のなかでもリーダーシップをとりたい人がいるん
だな。けっこうそんな人の言い方ってきついのよね。

 「ほら、そこの花、もっと間隔あけないとダメじゃないの。しっかりしてよ」
と、パンジーを指してえらそうな口調で言ってきた。
 「せっかく私が穴掘りして植えたんだから、そんなことあんたに言われる筋
合いないわ」と言いたいところだが、そこはじっと我慢。
 「あ、そうですか。狭いですか?もう10cmほどこちら側にうつしましょう
か?」と従う返事で対応する。
 「そうそう、パンジーはこれからいっぱい葉っぱ広げて花咲かすからね」と、
急にやさしい声で説明してくれる。
 「なるほど、パンジーはそうなんですか」と、納得しながら私は植えかえた。
 「初めっからやさしく言ってくれればいいのに」と思ったけど、すぐに気が
ついた。

(パンジーの花苗を皆で植え付け作業)


 女の人は「このグループでは私が上に立ちたいわ」と思ったら、まずは上か
ら目線の言い方をしてそれが通じる相手か見定める。素直に従う相手とみたら、
「うん、これはくみしやすいぞ。じゃやさしく出てもだいじょうぶ」と思うの
か急にやさしくなる。「私が上で、あんたは下よ」という序列が定着すると満足
げな笑みが浮かんでくる。自治会でいろんな行事のお手伝いをしているうちに、
私はだんだんとわかってきた。多分女性には社会的にきちんとした立場や役職
がないことが多いから、リーダーシップを取りたい人は自分の勢いで取るしか
なくて、こういう言い方になるんだろうな。はじめは「なんでこんなえらそう
な言い方するんだろう」と、ムカついていた。しかしその心理がわかってから
は、腹がたたなくなった。私は行事の手順や花の植え付け作業がわからないの
で、素直に従う立場にまわることにしている。

●見渡すと色とりどりのパンジーの花

 花の植え付け作業は終わった。花壇を見渡すとそれぞれ担当者の性格がでて
いておもしろい。整然とならべて植えてある花壇、チューリップの上には黒い
さん箱がかぶせてある。チューリップを真ん中にパンジーがまあるく植えてあ
る花壇もある。私の植えた所はどうかなと遠くから見てみると「あれ、なんか
バラバラやな。それに黒いさん箱かぶせるの忘れてるし。いつも必死でやるん
だけど、どこか抜けてるからいつもドジ美ちゃんっていわれるんやな。無理も
ないな一、でも、まっいいか」と、いつものように受け流す。

 来年の春がきてこれだけの色とりどりのパンジーが咲き乱れ、そのあいだに
チューリップがすらっとした茎をのばして花を咲かせると見事だろうな。「一月
ほどしたら芽摘みの作業があります。みなさんご協力よろしくね」と、リーダ
ーさんの声が聞こえた。パンジーは茎や花がいっぱい増えて、ま引きしないと
大きなきれいな花が咲かないのだそうだ。それを芽摘みというらしい。

(花壇のコーナー、 パンジーの花苗、 黒いさん箱の下にはチューリップの球根が植えてあります。)

 水やりとか草取りとかこれからもまだまだ役目はまわってくるだろうけど、
自分で植えた花だからそれも楽しみになりそうだ。


自治会の会計さん奮闘記

2012-10-29 21:14:15 | 自治会活動

【マンション自治会の会計さん奮闘す】

 「は一い、じゃ後期の会計さんお願いしますね」というかけ声と一緒に手渡
された金庫。ブルーの20cm四方の小さな金庫だけど、お金がつまっているの
かずっしりと重い。10月から私がマンション自治会の会計をつとめるのだ。

 まず初めに取り組む仕事は、11月に行われるボーリング大会の経費を銀行か
ら引き出してくること。「なんでもないや、お金引き出すことくらい。おちゃの
こさいさいやわ」と思っていた。それがいざやってみると時間がかかって。「え
一っと、通帳に登録してある正式の名義はなんだっけ」過去のノートなどを
開いてさがしたり。引き出すお金15万円のうち、万札、5千円札、千円札、各
何枚づつにすればよいか。500円玉、100円玉、10円玉など各何個づつに
小分けすればいいか。合計金額が15万円になるようにするのに、朝の9時から
奮闘して2時間かかってやっとできた。「あれまー、こんなにかかってしまって。
よし、行くぞ」と地域の信用金庫めざして出かけていった。

 ウインドウには『ミズノのバッグをお誕生日にプレゼントします』と大きく
書いてある。え、銀行がこんな宣伝してるの?と思ってよくみると、「公的年金
をわが金庫でお受け取りのお客様へ」とあったので、ああそうか、年金を受け
取る人への誘いだとわかった。それにしてはどこかうす汚れた感じのバッグが
二つ、へしゃげて長い間おかれっぱなしみたいだった。

 

 なかに入ると「振り込め詐欺撲滅運動」のたすきをかけたおじさんが案内し
てくれる。しばらく椅子にすわっていると、「そんで退職してしばらくはどうす
るん」と大きな声で誰かと話をしている。さっきのフロアー係りのおじさん
の声だ。知人がやってきたのかな。勤務中にそんな話していいんかよ 

どれもこれもが田舎っぽいなー」と私はつぶやきながら待っていた。

 「○○マンション自治会様」と呼ばれていってみると、窓口の女性が「あの
ー、51枚から手数料がかかるんですけど」と言う。「はあ手数料」私は
おどろいた。「そんなこと前任者から聞いてなかったぞ」。細かいお金をぜん
ぶあわせて50枚(個)までなら無料、51枚からは手数料がかかるというのだ。
知らなかった私が朝から2時間もかけて札数個数を念入りに決めてきたこと
が無に帰すのか。それ以上に私は自治会のお金が出ることについては敏感なんだ。
ほんの数10円でも出金は明記しなくてはならない。来年3月末に行われるマン
ションの総会で会計報告がある。「これはなんですか支出をおさえる工夫はさ
れなかったんですか」って、数字に鋭いおばさまから突き上げられるかもな
んだ。なかば私はパニクっていた。「あのー、どうしたらいいですかとにかく
手数料がかからないようにしてください」と叫ぶように言うと、窓口さんは
笑いながら「大変ですね、こちらでやりましょうか」って言ってくれた。「あ
りがとう。お願いしま一す、ヤレヤレ・・・」

 汗いっぱいかいてお金15万円を受け取って出てくると見なれた風景が待って
いた。不動産屋さんといつも通うクリーニングやさん。その隣にある公園から
は金木犀の香りがながれてくる。「あー、会計ってこんなに大変な役割だったん
だ」。一仕事終えた私は大きく深呼吸をした。見上げた空にはすじ雲が勢いよ
くサーッサーッと流れている。もうすぐお昼だな、おなかが急にへってきたぞ。

 


極楽トンボなドジ美ちゃん!

2012-09-09 15:58:34 | 自治会活動
 
【極楽トンボなドジ美ちゃん!】 
 
●きれいな花壇って誰が世話してるん
   だろう?
 
 今のマンションに引っ越して10年に
なります。
一番気に入ったのが真横にある円形
花壇です。
引っ越したのが冬だったので、その花
壇に色とりどりの花が咲くと知ったの
は2~3か月後のことでしたが。
 
 季節のなかで一番好きなのが春。
玄関を出て見上げると桜の花が雲の
ようにひろがっています。 
足元にはチューリップやパンジー、
サクラソウどがきれいに植えられ、
色とりどりの絨毯のよう。花壇の美し
さに見とれ、私は春から初夏にかけ
て、毎朝夢見ごこちで出勤していま
した。
 
 ある日ふと「こんなにきれいな花壇、
誰が手入れしてるんだろう?」と、
気になりだしました。
気をつけて見ていると、5~6人の作
業服を着た人たちが水をやったり花
を植えかえたり・・・
夕方には草取りをしたり、
落ち葉を集めたりしています。
「あ、やっぱり手入れする人がいる
んだ。でもあの人たちはどこの人?
 市役所のシルバー人材センターか
らくる人たちかな。ま、私には関係な
いか。 でもこんな感動的な景色をシ
ーズンごとに見せてもらって、感謝
感激だな・・・ 市民税のなかに含ま
れているから、ま、いいか」
 
 極楽トンボの私が、この花壇は地
域の人たちの手で守られていると知
ったのは、
今年になって自活合役員の当番が
まわってきたときでした。
 
 
●自治会役員の資料のなかに花壇の
 当番表が
 
 今年我が家は自治会の役員をする
ことになりました。有体にいえば当番
が回ってきたのです。
 「え、花壇の手入れ当番表!?
 これって何の当番ですか?」
「あら、エントランスの横にあるで
しょ。 あの花壇のことよ」 
「え、当番って、何するの?」 
「水をやったり花を植えかえたり
するのよ」
「私たちが?あれって市役所とか
シルバー人材センターの人たちが
やってくださってるんじゃないん
ですか?」 
「何言ってるの藤原さん、私たちが
するのよ。地域の人たちと共同で、
当番決めて順番にね」
 ドヒャー、知らなかった!自治会
役員の人たちが順番に世話をして
たなんて。
住んで十年になるのに・・・私って
なんて極楽トンボなんだろう。
それ超えて、「私ってほんとうにボ
ンヤリよね。
 小さい頃からドジ美ちゃんって
よくからかわれてたけど、
〇十年たっても変わってないのね」
 
● "がんじき" を持って落ち葉あつめ
 
 とうとう当番の日がやってきました
ジーパンをはいて、長袖の作業着を着て、
軍手をはめました。そして手にしたのが
"がんじき" でした。 
熊の手みたいに大きな竹の手のついた
道具をわたされて「は一い、一班さんは
これで落ち葉をかき集めてください」 
と班長さんの声が響きます。 
芝生の上に散らばっている落ち葉をガリ
ガリとかき集めて、ゴミ袋に入れて。
「そういえば小さい頃こんなことやって
たな一。庭の落ち葉を集めてお風呂を
沸かすところまで持って行って。
長い間すっかり忘れてたな一」。
毎日仕事に追われる日々になって、
土のにおいのする作業なんてすっかり
思い出のかなたに行ってしまっていました。
 
●蝉の亡骸があちこちにちらばっていた
 
 かき集めた落ち葉のなかに蝉の亡骸
がころがっていました。
取り上げてみるとぱっくりと口を開けています。
のぞいて見ると人間の声帯によく似ています。
まっくろになってしまった蝉、半分に
ちぎれた蝉。がんじきの指に五匹ほど
かき集められてきました。 
みんな集めて木の根っこに持って行って
やりました。
「蝉ちゃんたち、ごくろうさんでした。
仲よくお話しながら成仏するんだよ」
と、声をかけて見送ってやりました。
 
  暑い夏の自治会当番の仕事も、
こうして一つ一つなんとか無事に終わ
てゆきます。