5月9日に131円台に到達してから、
少し落ち着きを取り戻していたドル円ですが、
米10年債金利が再び3%台に乗せてきたため、
4月時点での市場関係者の大方の予想
一ドル131円の壁を
「円安ピーク4~6月」が5割 最多予想は129~131円 QUICK月次調査・外為 - 為替・金利|QUICK Money World - 株式投資・マーケット・金融情報の総合サイト
あっさりと突破、
132円へと進行しました。
次の心理的抵抗線は135円と140円だろうと思いますが、
ここで野党から「悪い円安」と「物価上昇」の批判が
日銀黒田総裁へ集中すると考えられるため、
投票日直前に意表を突いて円高ドル安に大きく動かせば
与党有利の展開になると思います。
135円から財務省主導の為替介入もあり得ると予想している関係者がいますので
急ピッチな円安が今後も進むようであれば
「投機的な動きを是正する」という大義名分も立つため、
為替介入への警戒が必要になってくるでしょう。
日銀が金融緩和をしている表の目的は
デフレ対策と景気対策なのですが、
すでに物価上昇している国内で
ここまで急激な円安を望んでいる企業は少数派です。
では裏の目的はというと、
やはり巨額の財政赤字による利払い費を低利率で抑え
国債発行により政治家が自由に動かせる予算を確保する意図が
あるのでは、と想像力豊かな私は勘ぐります。
もっとも、アメリカの物価インフレが高止まりしているため、
バイデン政権の支持率が危機的状況にあり、
FRBのインフレ退治が至上命題という外部要因が一番大きいです。
ウクライナ侵攻や米中貿易摩擦も
アメリカのインフレを加速させていますが、
コロナ対策で一人15万円×3回のうらやましすぎる給付金に加え、
FRBがリーマンショック以降行っていた8兆ドル(1050兆円)規模の
巨額の金融緩和がミニバブルを引き起こしています。
(リーマンショックでやらかしたのに、アメリカさんも懲りないですねw)
企業利益や消費も絶好調で力強い景気と
年20%を超える不動産のインフレもあり、
米金利のさらなる利上げは100%不可避の状態です。
代表的な10年債利回りが上がれば、
一貫してゼロ金利政策を行っている日本との
格差が広がり、
ドル資産がより高い利息が付くということもあって
ドル買いの動きは当面、収まらないと思います。
ただ、これはあくまでファンダメンタルズの話なので、
当局がどういう決断を下すか
為替介入があるかどうかはまったく別の話になります。
表の目的で金融緩和する場合、
ドル売り介入を行えば、
為替は一時的には落ち着くでしょうが、
(外貨準備高を消費するため限界もある)
経済効果としてデフレ効果になるため、
日銀としてはジレンマを抱えています。
インフレを抑えたいアメリカも今はドル高が政権に有利。
よって、為替介入がなければ……
「1%の金利差で10円の円安と言われることから、
私は2024年に135円~149円を付けるだろうと思っています。」
(↑ 3月時点の予測です →円安はどこまで? 堅実なインフレ防衛策とは? - ほぼ日記 現時点だと、+2%で152円ですかね。市場が織り込んでいないと仮定してですが)
年内に一ドル150円もあり得ると予想するエコノミストもいるので
どう動くかは分かりませんが、
発展途上国並みにリスクの高い値動きをすることだけは
間違いないと思います。
私は年末に米金利がピークに近づいたところで
ドル建て債券を直買いする予定(ETFのBNDやAGGより高利率!)なので、
ドルを少しずつ押し目買いするつもりでいます。
今年からドルのターン!
米ドル投資をするなら知っておきたい「ドル円相場の8年サイクル」とは ? | マネー | おすすめコラム | 大和ネクスト銀行
(でもちょっと色気を出して130円でドルを少し売って利確したら、
132円まで上がって逆を突かれました(;´Д`)
タイミングや銘柄選定は、ご自身で慎重に、逆を突かれても問題のないよう、
あくまで余裕資金で行って下さい。
確実な未来は誰にも予測できないんですよねぇ。