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そう言えば、逗子のスーパーで買ったラーメンをまだ食べていなかった。おおっ、いずれも伊豆諸島がらみではないか!八丈島産の明日葉を使った「あしたばラーメン」、同じく八丈島産の島唐辛子を使った「島とうがらし味噌ラーメン」、そして青ヶ島特産の海水塩を使った「ひんぎゃの塩ラーメン」。購入したのは式根島に行って島ファンになる前であったが、よい買い物をしていたものだ。
さらに、「海のあおさ」なんてのも出てきた。これはいつ買ったんだろ?式根島の帰りかな?封を開けると磯の香りがする。早速ラーメンに入れてみる。
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島のりははっきりしている。式根島のお土産で買ったものである(でも買った場所は竹芝)。ずっとラーメンに入れていたが今回使い切った。もともと、キリギリスとアリのどっちかと言われればアリで、とことん物資をしまい込んで将来に備えるワタクシであったが、最近人間が変わった。とことん使い切って家の中を空にしよう。ということで、袋の中をどばっと全部空ける。
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他に残ってるものはないかしらん。おっ、そうめんがある。何年か前に協同組合が送ってきたものだが、夏にこれを食べる習慣がないのでそのままだった。え?そうめんは年を越すとコシがしっかりする?お湯で食べるといい?じゃあ、ラーメンにうってつけではないか。ということで、ラーメンにして食す。言葉としては何か変。そうめんはそうめんであってラーメンではないはず。正確に言うと、ラーメンスープを使って、ラーメンのように食べるそうめんということだ。うん。なかなかいける。
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こうやって、家の中をがらんどうにしつつあるのは終活ではない。島に行くために荷物を減らしているのである。と言っても、島行きの具体的なプランがあるわけではない。だが、希望を捨てずに準備を怠らなければいつかは夢が実現するはずである。アリアドネだって、待って待って待ちくたびれた頃、バッカスが迎えに来た……まてよ、これは島から脱出する話であった。逆の例えを出してしまった。なお、アリアドネだ、バッカスだ、というのは、Rシュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」を念頭に置いた話である。私は、このオペラでツェルビネッタを歌うグルベローヴァこそが空前絶後だと思っている。因みに、ナクソス島ってぇのはエーゲ海に実在する島で、面積は428平方キロ。八丈島が69平方キロ、伊豆大島が91平方キロだから、かなり大きい。人口も現在1万人以上いる。だったら、アリアドネの時代でもさほど絶海の孤島という感じではなかったろう。だけど、アリアドネは寂しい、悲しい、と嘆いていた。そうか、単に人恋しいということではなく、好きな男と別れたのが寂しかったのだな。このオペラの見方が変わりそう。さあ、これからいつもの儀式である。ナクソス島だったら私と一緒に行く人いる~?で、今回のタイトルと相成った。これは、一応57577の短歌であるが、季語が入っていないので狂歌であろうか。短歌と言えば、与謝野晶子の「やわはだの」にメロディーを付けたCMがあった。名曲だと思う。そのメロディーに今回の狂歌を乗せてみよう。♪ナクソスに(ミシラシド)、島ラーメンは(ラシドシラミド)、なきにしも(レレファソファ)、問うてみるらむ(レミファミレドラ)、ついてくるーかとー(シドレファミー♯ソラー)。五文字の店で聞こし召したワタクシの帰途はこの歌とともにあった。おろ、私って、テナーもいい声だわさ(朝言ってることと違う)。