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And This Is Not Elf Land

やっぱり危なくて面白い!『プロデューサーズ』


そう言えば、本ブログでは、今なおTHE PRODUCERSというカテゴリーが残ってたんだ!(2年ぶりで~す!)

ブロードウェイでは、一時は「永遠にチケットが取れないのでは?」と思われた程の人気だったPRODUCERSでしたが、ちょうど2年前にクローズしております。私も2005年にようやく観ることができたのでした。その後も数回見ておりますが、どれも「かぶりつき」で観ていることもあって(笑)このショーの印象はとてつもなくビビッドなのです。

さて、このPRODUCERSが、なんと、今ベルリンで上演されているんですよね。この件に関しては、私よりもさらに濃いファンでいらっしゃる某様や某様がブログでも取り上げていらっしゃいまして、それらの記事を感心しながら読ませていただいていのですが、改めて検索してみますと、各国の高級紙なども取り上げているんですね~。

やはり何と言いましても…アレをベルリンでやるんですから(笑)私もいまだに信じられない思いです。



以下、Wall Street Journalの記事から

PRODUCERSオープニングに向けて、現地の新聞には“Can Berlin Laugh at Hitler゛という見出しが躍っているそうです(原文はドイツ語でしょうが)ドイツではチャップリンの『独裁者』なども知られているし、ヒトラーをネタにして笑ったという機会がなかったわけではないが、このミュージカルの原作映画(1968年)は1976年まで上演は禁止されていたそうです。

メル・ブルックスは「PRODUCERSのテーマはヒトラーやナチのネタではなく、笑いの限界ということなのだ」とAP通信に語りました。ベルリンでは、PRODUCERSのベルリン入りを歓迎する空気があった一方で、ブルックス氏が期待したほどの観客の反応はなかった…と伝えられています。

まず、本作では、ナチだけでなく、ユダヤ人、ゲイ、老人、金髪などがめいいっぱい「ネタ」にされているわけですが、時代は変わり、自ら同性愛者だと公表しているベルリン市長が、かつてヒトラーがオペレッタを鑑賞したのと同じボックス席から歓声を送っていたことからも分かるように、このような危ないネタは広く受け入れらるようになったことが実証されたようです。しかし、一方では作品全体を覆うJewishなセンスが、70年あまりJewish文化と疎遠になっているドイツの国民には分かりにくかったのと、「いかにもアメリカのミュージカル」なギャグに対する反応はいま一つだったそうです。(なるほど)


ベルリンのタブロイド紙は「ヒトラーのネタを笑っていいものか?」という問いに「Yes」と答え(ドイツ語でしょうけど…笑)「ヒトラーのことを{笑って悪いはずがない}なのではなくて、{笑わなければいけない}のだ。特にベルリンでは」と答えています。記事の最後は、これについての記者のコメントとして「これは非常に強い命令だ。つまり、ドイツ人は歴史には非常に敏感で、それを、注意深くも、賢明に利用するのだろう」と締めくくっています。


うん…でも、なんだかんだ言っても、やっぱりPRODUERSは面白い!

この作品って、実はものすごいアンチテーゼですよね。
おぞましい独裁者のはずが、実は腰をくねくねしたゲイだと分かると、みんな大笑いで受け入れてしまう。怖いよ、こういうの(笑)映画と違って、舞台は「観客役」は実際の観客なわけですから…思えばシュールなシチュエーションなんです。

いわゆるマイノリティーの側というのは、どうしてもタブーの敷居は低くなる…メル氏の言うところの「笑の限界」を突破しやすくなる…というのがあります。「自虐ネタだから」と、当の本人が言えば、それが免罪符になるというか。

ちょうど、SEINFELD(となりのサインフェルド)に、Jerryが「カトリックからユダヤ教に改宗した歯科医が、全てのタブーから自由になってギャグを言うようになる」のを恐れる話があります。で、焦りに焦ったJerryも墓穴を掘ってしまうんですよ。あれは傑作エピソードです(Yada Yada Yada)

PRODUCERSの「笑い」も、表面上はベタで馬鹿馬鹿しいんだけど…
2枚の鏡を向かい合わせたような…どっちがどっちを向いて「笑って」いるのか分からない、シュールな無限の世界に放り込まれるような感覚になるのです。

あ~、また観たいな~!でも、ベルリン行きは無理っす(!)
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