映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』
成田→NYの機内で観ました…
数多くの映画ライブラリの中から、何故これを選んだかというと、あのマイケル・インガーソルがチョイ役で出ているというからですよ!
いつかDVDを借りようと思っていたんだったよ。じゃあ、今観ればいいじゃないか!
でも、
結局は
↓ ↓
大げさな話じゃなくて
まじ
3秒しか映ってない!!
きっと、後からまた出てくるんだろう…と期待したのですが、とうとう出ずじまい…序盤の「3秒」が全てでございました!!
で、マイケルの話は置いといて、この映画ですけどね…
カントリー歌手(と、とりあえずカテゴライズしときます)ジョニー・キャッシュの伝記映画で…ま、よくあるパターンの映画ですわ。私的には、ジョニー・キャッシュにはあんまり思い入れもないし(スイマセン)ホアキン・フェニックスも、実在の人をそれなりにうまく演じているんだろうけど、それ以上の感動もないし(ファンの方、スイマセン!)良きパートナーとなる女性歌手を演じるリース・ウィザースプーンも、熱演は認めるけど、そんなに魅力は感じないし(ファンの方、スイマセン!)とにかく、全体的に冗長。この手の映画としての傑作『グレン・ミラー・物語』には遠く及ばない作品…という印象だったんですが~
ところが、リース・ウィザースプーンはこれでオスカーを獲得してるし、それなりに評価も受けている映画なんですよね。
確かに、この話の底に流れているテーマ自体には、惹かれるものはあります…
アーカンソーの貧農の家に生まれたジョニーは、両親と兄と、厳しい綿花摘みの労働に明け暮れる日々でした。父は厳格そのもの。まぁ、この時代のアメリカの田舎では、この父親のように、節制と信仰と労働を重んじる厳格な人が普通だったのでしょう。兄は、そんな環境にも不満も抱かずに、黙々と働いていました。まさに、そのような厳しい環境にも「適者」としてしっかり順応していたのだといえましょう。一方、ジョニーのほうはラジオから流れる音楽に興味を持つなど、兄とはまた違うタイプの少年でした。父は兄のほうを愛したのは言うまでもありませんでした。しかし、その兄は、事故で亡くなってしまいます。
父は「悪魔が、優れたほうの息子を奪った」と言い放ちます。
「なぜ自分が生き残ったのか」ジョニーは一生、心の傷を背負うことになります。
歌好きの青年としてして成長した彼は、歌手として、一応の成功は手に入れるものの、本当に愛する女性とはなかなか結ばれず、家庭は崩壊し、本人は薬物依存に…(ま、この手のストリーのお決まりといえば、お決まり…)しかし、やがては刑務所の囚人たちを相手に歌を歌うことに自分の存在意義を見出し、音楽史に残るライブを「刑務所で」実現させます。
カントリー音楽というのは、最も保守的な人たちを対象にしており、信仰や道徳をテーマにしたものが多い。刑務所での音楽活動などをすれば、一定のファンを失う覚悟が必要だったといいます。しかし、ジョニーの、何かの理由で道を誤った人々のために歌いたいのだ、という強い気持ちは揺らぎませんでした。
やがて、遅ればせながら、ジョニーも幸福な家庭を手に入れることができました。厳しかった父とも和解しました。子どもたちは糸電話(懐かしい…笑)で遊んでいます。ジョニーの父に「おじいちゃん、何かしゃべってみて!」と誘いかけるのですが、父は何を言えばいいのかわかりませんでした。生まれてこの方、貧しさと厳しい労働に明け暮れていた彼は、そんなときの気の利いた言葉など持ちあわせていませんでした。戸惑う父に、ジョニーは言います。「洪水から家を守った話をしてやれよ」
この場面が全てを物語っているような気がしました…
ジョニーの父親のような人間を「面白味がない人」と言い切るのは容易い。しかし、新大陸の厳しい自然と闘いながらも、ひたすら開拓したのは、紛れもなく、彼のように、不平や不満も言わずに、黙々と厳しい労働を続けた人たちなのです。眼下に広がるアメリカ大陸を見ながら、そんな名もなき人々に思いをはせました。そして、ジョニーの兄のように、今の我々から見ればなんの面白みもない日常にもきちっと順応していった「適者たち」が、見事にそれを受け継いでいったのでしょう。
しかし、一方では、ジョニーのように、音楽など「美しいもの」への豊かな感受性を持った人もいたわけで。そんな人たちは、自ら「不適者」となる道を選びとり、さまざまな人々の目や、社会通念とたたかいながら、それでも、心の深いところにあるものが求めるものを、ひたすら求め続けたのでしょう。
芸術的活動とか創作的活動とか、そういうことを追求することが許される立場の人というのは、実は非常に限られているのではないでしょうか。多くの人たちは、そういうものとは全く無縁の世界にいながらも、闘いながら、傷つきながら、ひたすらに求め続けて…それが今も私たちを感動させ、新たな美の世界へといざなってくれるのです…
人間というのは、どちらに「転んでも」素晴らしいのだ…そう思っているうちに、飛行機はNYに到着しました。
「ニュー・ヨークやカリフォルニアだけがアメリカじゃないよ」
そうなんですよね…
でも、そういうニュー・ヨークに降り立つのも、もう二桁回数を超えました。
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