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And This Is Not Elf Land

BEE MOVIE その⑥

映画『ビー・ムービー』日本語吹替え版を観てきました。

ホントはデンゼル・ワシントン・ファンの同居人と『アメリカン・ギャングスター』を観る予定だったのですが、何故かあちらがBEE MOVIEの方がいい、などと言い出したのでした。

館内は小学生とその親が多かったです…っていうか、大人ふたりで観に来ているのは私だけでした(笑)で、話の終盤になると、お父さんたちのクスクス笑いが聞こえてきたりして、まぁまぁ楽しい雰囲気でした。

Barryの吹替えは、マイケル・J・フォックスの吹替えで有名な宮川一朗太さん。
とても「安定」しているし、「安心」して聞いていられる吹替え。宮川一朗太さんの声になると、Barryは「一生懸命」でinnocentで…とても「好感度」upなキャラになります。でも、日本ではこれでいいんじゃないかと思いました。

ただ、親友のAdam(オリジナルではマシュー・ブロデリック)の声もBarryと良く似た感じだったし、Vanessaもレネー・セルヴィガーと表情も似せてあったりするんで、英語版は非常によかったんですが。一人ひとりは上手いのだけど、全体としては脇役の声に個性が無いのが物足りなかったですね~。(でも、Larry King役の声が本人に似ていたのが笑えた)

一朗太さんは若手実力派俳優として認められています。一方、Jerryの本業はコメディアンなので、SEINFELD(となりのサインフェルド)でも芝居はクサイわ、台詞を言いながら自分で吹いているわで…ま、こと「演技」に関してはあんまり多くを期待できなかったので(それがネタにもなっていた)今回も吹替えの方が「演技」としては上手いんじゃないかと予想していました。でも、日本語吹替えを聞いていると…なかなかどうして、Jerryもそんなに「大根」じゃないじゃん!なんて思いましたね。冒険のシーンで叫んだり喚いたりするところとか、一朗太さんがあれくらいなら、Jerryは上出来ってもんですよ(いや、ホントに)

でも、あくまでもこれはアニメですからね…それと、もう一点大事なのはBarryの台詞って、基本はコメディの喋りなんだということですね。ブログなどでBEE MOVIEの感想を読んでいると、「台詞の活きがよくて面白い」と感じてくださった方もいらっしゃるようで…それならば吹替えは俳優さんではなくて、噺家喋りができる人(お笑い芸人とか)を当てたら良かったのかな、とも思ったり。実際、韓国ではそれで大ヒットしたようですからね。ま、こればかりは何とも言えませんが…あくまでも、いちSEINFELDファンの独り言です。


さて、日本語訳では翻訳不可能なジョークもあったようでしたが…

wasp(スズメバチとWASPを掛けているところ)は何とかできなかったかな?で、Larry Kingネタの所だけ「ユダヤ系」という言葉をしっかり使っているので、違和感を覚える人もいるんでは…(同居人はびっくりした模様)

ただ、養蜂家が何気にドイツ人な名前だったり、honey farmの描きかたとか、スプレーをまいてミツバチを気絶させるところなんか強制収容所を皮肉っているようにも見えましたし、ま~その手のネタもたっぷり仕込んである感じなのもSEINFELDですね。


honeyとfunnyのところは、苦し紛れでもいいから、何とか工夫して欲しかったです。日本語で、面白おかしく語呂が合う語が見つかりませんでしょうか。

Hivoのところは、まぁ、あんな感じでいいかな。ハチ・ビジョンでテレビが8台…ハイハイ(笑)

watermelonのところは100パーセント意味不明になっていましたが?(!)ギョーザがどうとか…あれ何?(要説明)字幕版では「スイカ」と「スイス人」を掛けてあったように思うんですが、日本語台本もああしておけばよかったのに。まあ、そうすれば、あまりにデーブ・スペクター風味になっちゃいますが

コックピット内のドタバタ場面のbaldとboatはもう無視、「どーでもいい」って感じでしたね。

Tournament of Rosesのところはもうチョイでした。英語版では「バラには自分たちがアスリートだって意識はあるのか?」とまで言っていたように思うんですが、日本語では「バラがスポーツするの?」ぐらいで留められていたようでした。バラの品評会に「トーナメント」なんて、「まるでスポーツ」な言葉を使う可笑しさをついているのですが、もっともTournament of Rosesという言葉自体、日本人にはあまり馴染みがありませんからね。どんなに上手く訳しても、元もとのネタ自体のインパクトに違いはあるでしょうが。。

Drag-queenはもっと面白おかしくできたんじゃないかな~!?英語版では、私はここで声を出して笑ってしまいました。確かに、どうして女装した男性のことをqueenと呼ぶのか…常々不思議に思っていたのですよ。日本ではdrag-queenって言葉は一般的になっているんでしょうかね。



あと少し続きます・・・『ビー・ムービー』粘着記事(笑)

コメント一覧

ファイア-
ハチ川クリステル(笑)
字幕翻訳の方も苦労されたんでしょうね(笑
吹替版観にいけるかなあ・・・DVDで確認することになっちゃいそうな・・・
先日「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ」を観てたら、欽ちゃんの吹替えがあまりにもハマっていて、ちょっとうらやましかったです。
これからの記事も楽しみです♪
master of my domain
いいな~
ファイアーさま、また「字幕版」ご覧になったんですね、羨ましい!私など「おしゃべりバリー」に喋らせて寂しさを紛らわしている日々です

ニューススタンドのシーンにもけっこうネタが仕込んでありましたよね。残念ながら私もSting云々のところはよく分かりませんでした。あとは"Frisbee Hits Hive, Internet Down"というヘッドラインには笑いました。

ニュース番組もHIVE at FIVEというのも可笑しかったです。Janet Chungは実在のConnie Chungを捩ってあるのかなと思いました。吹替え版では「ハチ川クリステル」とかになっていて、ばかばかしくて笑いました。
ファイア-
吹替版
観てこられたのですね~!くわしい解説ありがとうございます。
私は先日字幕版2回目観てきまして、やっとマスターさまの理解度の半分くらいに追いついたかな?^^;
この時は仕事帰りの若人のグループが来ていて、映画のあと「めっちゃおもしろかった~♪」と大喜びしてくれてましたよ。ほっと胸をなでおろした私でした(笑

>宮川一朗太さんの声になると、Barryは「一生懸命」でinnocentで…

なるほど。確かに一長一短でしょうね~。Jerryは今回の出演のためにアフレコのトレーニングを受けた、とどこかで見ましたが、本当にがんばってましたよね。それでもやはり残るアマチュアリズム(いい意味で)を表現するには、やっぱり本職の俳優さんではない方にやっていただきたかったかな・・・という気がしますね。最近CGアニメ全般の興収が日本でふるわないらしいから、有名タレントが出演するメリットがあまりないと判断されるのかも。
おっしゃるように、噺家さんがやるとおもしろかったかもしれませんね。落語って一種のスタンダップコメディですよね(座ってるけど)。

オリジナルのマシュー・ブロデリックはやはりうまいですね!ラストの歌も本領発揮という感じで。

Drag-queenは私も笑いました。吹替えではどう訳されてるんでしょう?ふつうに「これはドラッグ・クイーンだよ」でいいんでは・・・

ひとつわからなかったのが、はじめのほうでバリーとアダムが話をしながら歩く場面(会社説明会のあとだったかな?)で、ニューススタンドを通り過ぎるとき「Stingなんとか」とヘッドラインを書いた紙が映りますが、あれの意味がわかりませんでした・・・もしチェックなさってたらどうか教えてください~

あと、Beeのニュース番組のオープニングで「No more bee beard」(だったかな?)のデモ行進の様子が一瞬映るのが笑えました。これのアンカーウーマンの名前がJanet Chungだったと思うんですけど、他のアンカーたちが皆Beeをもじった名前なのに彼女だけ普通の名前というジョークなのかな?ちゃんとエスニシティをふまえてるのもおもしろいですね。
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