タイトルはタイプミスではありません(!)
おバカ・サウンドを極めたSLADE。
グラム・ロック全盛の頃、vividな時代の雰囲気に乗って一躍人気No.1バンドに躍り出たのがSlade(スレイド)でした。teenagerを中心に爆発的な人気で、音楽雑誌の読者人気投票でもトップの座を独占していました。
あっ、これはあくまでもイギリスの話です。日本では…そうですねぇ、だいたいロックを聴く人たちって、今よりもはるかに「構えた」人たちが多くて、通好みのハード・ロックかプログレ(このころは大ブームでしたね)は好まれていましたが、「スレイド~?プッ☆!」みたいは雰囲気、ありましたよ。
親しみやすいものが好きな人たちはカーペンターズなどの方に行ってましたし。もっと言えば、イギリス本国でSladeに夢中になっていたteenager層は、日本では日本のアイドル歌手に夢中でしたしね。数年後には、同じくイギリスのバンド、Bay City Rollersが大ブレイクしますし、Queenも日本で人気に火がつきますが。70年代初頭は、まだ機が熟していなかったんでしょうね。
Sladeはとにかく、ストレートで分かりやすい「お祭りサウンド」に徹していました。vocalのノディ・ホルダー、テンションの高い、ドスの効いたハイトーン・ヴォイス。どことなく「下品」なんだけど、不思議と心地よい。「音」は、とにかくチープでハイ・テンションで(今も昔も…こういうテイストに私は弱いのだ)…訪れたこともなかったロンドンの「旬」の空気を感じてしまったんですよね。不思議な感覚でした。
日本の評論家の中には「徹底的おバカ・サウンド」「イギリスのカーナビーツ」なんて表現する人もいましたねぇ。(カーナビーツに失礼だろ!と反論する人もいたり…笑)
…なんて言ってますが、彼らのサウンドは一つのスタイルを確立してましたし、それなりに完成度が高いですよ。私は好きでした。シングルを中心にレコードも持っていました。Merry Xmas Everybodyは、イギリスでは今でもクリスマスの定番曲になっています。彼らはアメリカでも人気がありました。
イギリスのバンドの素晴らしいところは、どんな単調なビートに終始していても「メロディーが美しい」点じゃないかと思っています。人間の耳に心地よく響くメロディー・ラインがよくわかっている。それでもって、けっこう「小細工」が効いたりしてますしね。ひたすら「勢い」だけで突っ走るアメリカン・バンドにはマネのできないところだと思います。
ってことで、Sladeの魅力については、ひととおり語りましたんで、あとはひたすら「ネタ話」に行こうかと(笑)
Sladeのヒット曲は
Coz I Luv You
Look Wot You Dun
Mama Weer All Crazee Now
Take Me Bak 'Ome
Cum on Feel the Noize…
非標準スペリングのオン・パレードなのです。
彼らはcockneyというレーベルからレコードを出していたこともあって、このスペリングはcockney(ロンドンの下町に住む労働者階級の英語)をそのまま綴ったものだろう…と長年思いこんでいたのですが、いや、イギリス北部の方言だろうという話もあり…ハッキリしたことはワカリマセン。(すいません)
それと、Sladeと言えば…
ギタリスト、デイヴ・ヒルの「前髪」!
↓ ↓ ↓
一度見たら忘れられない!「どうしたら、こういう前髪になるんだ!?」と、友人同士で盛り上がっていましたよ。(当初、ヴォーカルもこの人だろう…と思っていた。)イギリスでは今でもネタになっているヘア・スタイルのようですよ。
ヴォーカルのノディ・ホルダーも、
これって、今見るとThe Cat in the Hatに見えるんですが…
トレードマークにもなっていた、なんとも「怪しげな」山高帽はナンなんだ!?
さて、Slade…今聴いても、メチャクチャ「いけてる」バンドです!
日本では、今後も彼らが取り上げられる場はあまりないと思うので、こちらを紹介させてください。
これがSLADE!!
We get wild, wild, wild!!
《追記》
アメリカのへヴィー・メタル・バンド、Quiet Riotが83年にこの曲のカバーを大ヒットさせています。ヘビメタ曲としては初のメジャー・ヒットになりました。原曲に近い音になっています。ヴォーカルもノディ・ホルダーの声と似ている。
…しかし、しっかり「怒れる若者」の音楽になってしまっている。
好みの問題でしょうが、
私は、やっぱりこれはギンギラギンで演奏するからいいのだ思う。
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