みなさま、今年もre-giftingのシーズンになりました☆クリスマスプレゼントとして戴いたものの中に「んーー、コレはちょっと…」なんてのがあれば、お年玉プレゼントとして誰かにあげましょう(?)
SEINFELD(となりのサインフェルド)6-12、The Label Maker(ラベルライターはいかが?)から。
re-giftというのはSEINFELDから生まれた有名な造語のひとつです。
こちら
JerryはSuper Bowlのチケットを2枚持っているんですが、友人Drakeの結婚式と重なってしまい、行くことができません。Drakeって、ずっと前にも婚約者がいて、Jerryたちが「苦労して」大画面TVをプレゼントしたのに(こちら)、土壇場で婚約解消になってしまった友人。どうも、Drakeが結婚すると言い出すと、ロクなことがないのでは?なんて予感が…
で、道でバッタリ会った歯科医のTim Whatleyにあげてしまうんです。
マジ?
だって、Super Bowlのチケットは高いんでしょ?以前にTimの自宅で開かれたThanksgivingのパーティーに、Jerryだけが招待されなくて、それが騒動の発端になったこともあったのに???…でも、いいんです、SEINFELDなんですから(?)とにかく、Super BowlのチケットはTimに渡ったのですよ。
後日、JerryのところにTimからお礼の贈り物が届きます。
label makerです。
ありましたよね、こういうの。今こそ、殆どの人はパソコンを使ってラベルなどを作成していると思うんですが、ほんの10年ぐらい前までは、日本でもlabel makerがあったと思います。ラベルなど、別に手書きにしてもいいんですが、でも一旦これで作成したものを使うと、なんか手書きのものではいけないような気になってしまって、それで「ラベル作成」そのものにどっぷり嵌まりこんでしまうようになるんですよね(笑)あー、私のことだ!
さて、それが届いたんですよ。Jerryはお礼の電話をかけています。
JERRY: Tim, you didn't have to get me a thank you gift. I know, it's a label maker. The Label Baby Junior. Yeah, I hear they're good. Well, label me thankful. Okay, well you enjoy those tickets. Buh-bye.
(Tim、わざわざ贈り物をしてくれなくてもよかったのに。ああ、label makerだよね。Label Baby Junior。ああ、これって評判いいじゃない。そうだね、僕を「ありがたい人」って呼んで{ラベルを貼って}。じゃあゲームを楽しんでね、バーイ)
このエピソードの中では、labelを使った面白い表現が出てきます。(実際、このエピソードは筋書きよりも言葉遊びのほうが面白い感じ)
label me thankful
labelという語が「目的語+補語」と続く使い方をするのを、ちょっとナンセンスにひねってあるみたいです。
labelはlabel the jar jamみたいに、補語の部分は名詞が来るのが一般的なのですが、labelをfind(f. ex: find him honest)などと同様に、補語に形容詞を持ってきているのが…なんかわざとらしくてウケました。
そこへElaineがやってくるんですよ。
ELAINE: …You know those things make great gifts, I just got one of those for Tim Whatley for Christmas.
(これって贈り物に最適なのよ。私もクリスマスにTim Whatleyに贈ったの。)
JERRY: Tim Whatley?
ELAINE: Yeah. Who sent you that one?
(そうよ、これ、誰からもらったの?)
JERRY: One Tim Whatley!
(Tim Whatleyってやつからだよ。)
ELAINE: Not, my Tim Whatley?
(えっ?私が贈ったTim Whatley?)
JERRY: The same, he sent it as a thank you for my Super Bowl tickets.
(同一人物だよ。Super Bowlのチケットをあげたお礼に贈ってきたんだよ。)
ELAINE: I think this is the same one I gave him. He recycled this gift. He's a re-gifter!
(これって、私があげたのだわ。彼は贈り物を再利用したのね。彼はre-gifterなんだわ!)
ここで、re-gifterという言葉が出てきます。
これは、アッという間に広く使われるようになりました。アメリカでも、頂き物をそのまま贈り物に使うことは珍しくないようですが、それをre-giftなんて仰々しい言い方をするのがウケてしまったのではないでしょうか?ま、それがSEINFELDなんですけれどもね…。
Tim Whatleyを演じたBryan Cranstonは、今でも周囲に人に「SEINFELDのre-gifterって誰のことだったか覚えてるかい?元々は、(僕の演じた)Timがやったことから生まれた言葉なんだよ!」と自慢することがあるそうですね。人々が、元々の出どころも忘れてしまうほど、ひとつの独立した言語表現として染み渡ってしまっていることが伺えます。
JERRY: Well how did he react when you gave it to him?
(これをあげたときの彼の反応はどうだったの?)
ELAINE: Um, he said, "Oh. A label maker. Howbout that?"
(うーん、「label makerか、いいね。」)
JERRY: He repeated the name of the gift?
(彼は贈り物の名前を繰り返したのか?)
ELAINE: Yeah, so?(ええ、だから?)
JERRY: Oh, well, if you repeat the name of the gift, you can't possibly like it.
(そうか…、贈り物の名前を繰り返したのなら、それを気に入ってない可能性が高いね。)
ELAINE: What do you mean?
(どういうことよ?)
JERRY: Oh, you know, like when someone opens something up and they go, "Oh. Tube socks." What are you gonna do about it?
(だってさ、贈り物を開けて、「ああ、tube socks!」なんて言ったらどう?)
これって、笑っちゃうんですけど…
tube socksというのは、かかとの部分がない靴下。確かに、アメリカでは(日本よりも)こういうの、よく売ってますよね。かかとの部分がないからtubeのような形に見える。でも、履けば不思議とフィットするんですよね…
さて、話は前後しますが(毎度のことです)、ElaineがTimにこれをプレゼントしたのは「無料で」歯を治療してくれたからだそうで、コレがまた何とも…Tim Whatleyという人の「嗜好」については、他のエピソードでも描かれていますが。機会があれば、取り上げます。
さて、Super Bowlの日に結婚式を挙げるという例のDrakeですが、実は後になってから、この日がSuper Bowlの日だと気付き、式を延ばそうとしたら、彼女と言い争いになり、結局婚約は解消してしまったんだそうです。このエピソードに本人は出てきません。でも人騒がせな人です。Hate the Drake!…
すると、当然、Super Bowlに行きたくなるJerry。
GEORGE: The wedding is off. Now you can go to the Super Bowl.
(結婚式はなくなったんだろ?Super Bowlに行けるんじゃないか。)
JERRY: I can't call Tim Whatley and ask for the tickets back.
(でも、Tim Whatleyにチケット返してなんて電話できないだろ?)
GEORGE: You just gave them to him two days ago, he's gotta give you a grace period.
(でも、あげたのはほんの2日前なんだろ?彼だって君に執行猶予期間を与えなきゃいけないよ。)
JERRY: Are you even vaguely familiar with the concept of giving? There's no grace period.
(君はモノを贈るということのconceptをぼんやりとしかわかっていないようだ。執行猶予期間なんてないんだよ。)
このgrace periodという使い方もnative的には可笑しいんじゃないでしょうか…
上手く解説できなくてすいません(汗
GEORGE: Well, didn't he re-gift the label maker?
(だって、彼はlabel makerをre-giftしたんだろ?)
JERRY: Possibly.(おそらく)
GEORGE: Well, if he can re-gift, why can't you de-gift?
(彼がre-giftしたんなら、君だってde-giftできるはずでしょ?)
JERRY: You may have a point.
(君の言うことに一理あるかも。)
ここでは、de-giftという言い方も出てきます。これは「一度贈ったものを取りもどす」という意味。
これは、一般には、re-giftほどには普及しなかったようですね。
このエピソードでは、他にも、KramerとNewmanが冷戦時代を引きずっているようなボードゲームに夢中になったり、Georgeの彼女と、そのルームメイトの男性との関係が謎めいていたりなどのプロットも組み込まれていますが、トータルとしては「言葉遊び」が面白いエピソードということになると思います。
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