とてもショックです。
私たちの年代には懐かしいオランダのロック・バンドThe Shocking Blue(ショッキング・ブルー)の女性ヴォーカルMariska Veres(マリスカ・フェレス)が12月2日、癌で亡くなりました。まだ59歳でした。
日本の新聞では今月の4日ぐらいに載っていたのかな?とにかく私は気付かなかった…。翌々日の、大阪でのBilly Joelライブが楽しみで舞い上がっていたのか…。新聞記事も小さいものだったようですね。
私は、今でも「オランダという国から何を連想する?」と問われたら、Shocking Blueと答えようか、Vincent van Gogh(ゴッホ)と答えようか迷いますよ。
私の年代では、最初に買った洋楽レコードがVenus(ヴィーナス)だった、という人はかなりいると思うのですよ。
The Shocking Blueはオランダ出身の4人グループで、ヴォーカルがMariska Veresでした。実際、あまりにパワフルな声なので、最初は男性が歌っているのかと思っていました。日本人でああいう歌い方ができる女性シンガーはいませんでしたから。
代表曲VenusはアメリカでNO1ヒットになりました(69年)。その後(70年春)、日本でも大ヒットし、「Dutch Soundブーム」到来!と話題になりました。それまで、洋楽といえば殆どがイギリスかアメリカから入ってきていましたし、またフランスからのシャンソン、イタリアからはカンツォーネなどもヒットチャートを賑わせていましたが、なにせ「オランダ」というのが…なんとも珍しかったのですよ。
またVenusは、80年代にイギリスのバナナラマがディスコ・サウンド風に料理してリバイバルヒットさせていますし、日本では長山洋子さんが(演歌に転向する前)カバーしてヒットさせています。なぜか、日本語を乗せても違和感のないメロディーでしたよね。
Venusの後はNever Marry a Railroad Man(悲しき鉄道員)が大ヒットします。
その後もMy Blossom Lady(悲しき恋心)、Sally Was a Good Old Girl(グッドサリー)、Shocking Youなどもそこそこのヒットをしますが、上記の2曲ほどの大ヒットにはなりませんでした。73年ごろにはヒットチャートには顔を出さなくなってきました。
また、同じくオランダからEarth & Fireという、やはり女性ヴォーカルが歌うバンドが「シーズン」「アムステルダムの少年兵」(ともに原題がワカリマセン…調べる気力もアリマセン)などのヒットも飛ばします。しかし72年ごろからFocusという実力派のプログレ・グループが注目を集めるようになり、「ショッキング・ブルーのオランダからフォーカスのオランダになった!」と音楽雑誌に書かれていたのを思い出します。
さて、あらためて今、Shocking Blueを聴くと、とても泥臭いサウンドであったと感じます。ヒット曲「悲しき鉄道員」の間奏部分などのメロディーも、ちょっと他に見当たらない(?)くらいにユニークですね。私が一番好きだったのはLong and Lonesome Road(明日に向う道)とかSend Me a Post Cardでした。これは一枚のレコードのA面とB面になっていて、私の記憶では両面の曲ともヒットチャートに顔を出していたと思います。一時的であったとはいえ、彼らの人気が伺えますね。とにかく、この2曲とも、やはり今聴くと「泥臭い」。どことなくヨーロッパの民俗音楽っぽい…のですよ。どことなく哀愁があって、独特の異国趣味が漂っている印象的な曲。
ヴォーカルのMariska Veresは、これがまぁ、とてつもない美女で、当時から移動民族(当時はそのものズバリの言葉で表現していました)の血を引いていると言われていました。彼女のお父さんは民俗音楽のギタリストだったんですね。彼女も、そんな様々な音楽の刺激の中で育ったようです。
そういえば、今は国民的司会者のMのMんた氏、当時は洋楽番組のDJをやっていたのですが、Mariska Veresが移動民族の血を引いていることと、大変なセクシー美女であることから、「アムステルダムのスト○ッ○ー」なんて言ってたことがありましたね…。今なら、大変な問題発言なんでしょうけれども、当時はこういうのも普通にまかり通っていたのですよ。(私も細かいことをよく覚えてる…)
何度か来日しているはずです。最初の来日時の実況録音盤(当時は「ライブ」なんてハイカラな言い方はしなかった…ホントだよ)をリリースしています。これは、レコードとはかなり違った歌い方をしているようで、戸惑ったものでした。当時の私には「ライブは別物」という感覚がなかった。
また、ラジオで近年某洋楽評論家から聞いた話なんですが、あの「悲しき鉄道員」って、オリジナルはもっとスローな曲だったのだけど、「これではノリが悪い」とレコード会社の人が勝手に「回転を早くして」プレスしてリリースしたらしいとのコトです。マジですか~。当時は著作権もへったくれもなかったんですね。そういえば、この曲のMariskaの声はちょっと高めに聴こえる。また、確かに、来日コンサートのヴァージョンは、「拍子抜けするくらい」ゆっくりしていましたよ。
とにかく、当時、女性ロック・ヴォーカルはJanis Joplin一人が気を吐いているような状況で(彼女は70年秋に亡くなります)、後はJefferson AirplaneのGrace Slickぐらいしかいなかったのかな?だから、Shocking Blueがヒットを出さなくなっても、Mariska Veres自身は、その後も音楽ファンの記憶に残りつづけていたように思います。
東京国際歌謡祭(これ、今もあるの?)に参加した事もあるようですね。数年間はソロとして活動していたようです。
10年ぐらい前に、手紙をやりとりしていたオランダの女性に「Shocking Blueってどうしている?」と尋ねてみたことがあります。「彼らはもう一緒に音楽活動をすることはない。でも、数年に一度、音楽番組に出演して、その番組のためだけにメンバーが集まってヒット曲を歌うことがある。」と言っていました。どこの国でも似たようなことをやってるんだ~とミョーに感動したのを覚えていますよ。
Shocking Blueの思い話は、これまたキリがないです。
Mariska Veresさん、安らかに…
でも、早すぎますよ…
《追記》彼女の死を伝えるニュースです。オランダ語わかんなーい!!
(何となくわかったのは、マリスカ・フェレスさんがハーグで亡くなりました。…musicのiconだった…ファッツ・ドミノがどうとか…世界で成功した…アメリカや日本…天才だった…)
でも、ずっと音楽活動をしていたんですね。体型は変わっているけれど、声のパワーは落ちていない。彼女だけでも来日して往年のヒット曲を歌ってくれればよかったのに…。どうして実現しなかったのかな~、あれだけ人気があったのに。
それと「悲しき鉄道員」は、やっぱりレコードと同じ速度で歌っていますよ(ホッ!)
コメント一覧
Elaine's
dankai
Elaine's (master of my domain)
UEちゃん
master of my domain
ペルちゃん
jasje
最新の画像もっと見る
最近の「Music」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- JERSEY BOYS (舞台ミュージカル)(127)
- JERSEY BOYS(映画)(43)
- JERSEY BOYS(来日公演)(9)
- JERSEY BOYS(日本版)(18)
- JERSEY BOYS(音楽関連)(30)
- Jerry Seinfeld(36)
- SEINFELD Cast(22)
- BEE MOVIE(40)
- CUTMAN(27)
- Theatre(118)
- Books(33)
- Music(84)
- Movies(111)
- THE PRODUCERS(20)
- CURB YOUR ENTHUSIASM(6)
- New York(49)
- HAIRSPRAY(33)
- SEINFELD(139)
- English(1)
- Unclassified(84)
バックナンバー
人気記事