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And This Is Not Elf Land

THE BOOK OF ELI

映画『ザー・ウォーカー』

デンゼル・ワシントン主演。

ブロードウェイで「生」のデンゼルを観てきてから、ちょうど4週間!…

あ~、まだ4週間しか経っていないのか…あの夢のようなウィークエンドin NYCから!

もう何か月も経ってしまったように感じるんだけれど~

これもひとえに
「こっちの生活が地味すぎるから!!」


なんとかしてほしい!
「夢のようなNYC」に対する「地元の生活の変哲のなさ!!」
もう我慢しきれなくて、先日、地元出身のFさまのブログに乱入してしまったんですが(笑)

こちらじゃあ、もう「映画」ぐらいしかないのですよ!
で、私は館内で叫びたかった!
「みなさん、私は4週間前に、至近距離でデンゼル・ワシントンの演技を観てきています!彼は映画も素晴らしいけれど、舞台はもっと凄いんです!」

しかし、映画館でそんなことを叫んだら「単なるアブナイおばちゃん」やわな~もう、ここに来れなくなるわ…ここに来れなかったら、いよいよ「映画さえ観ることさえ、ままならない」生活になる…それじゃぁ、あまりに悲惨!ということで、思いとどまりましたがね(笑)



で、映画の話に行きましょう。少しネタばれしています。

近未来、おそらく核戦争によって世界が崩壊し、シェルターなどに逃れて難を免れた少数だけが生き残っているが、そこには秩序も何もない。

神学的なメタファーがいっぱいで、おそらくデンゼル・ワシントン演じるイーライは「キリスト」なのでしょう。まるで、荒野を彷徨うキリストのよう…とにかく、そのあたりに明るい人がご覧になれば、いろいろな場面に隠された意味も読み取ることができるのでしょう。ただ、同時に、これは、派手なアクションを交えた、完全な娯楽映画でもあります。

最初に出会ったギャングの手を切るとるシーンは、ハンムラビ法典にあるとされる「子がその父を打ったときは、その手を切られる」を思い出しました。そして、荒廃した世界では、「水」が不足していて、人々は「洗う」ことができずにいる…というのもまた宗教的な意味が隠されているように思いました。

そして、世界を滅亡させた戦争というのは、「本」に書かれた教えが「原因」の一つになっていたことがほのめかされます。そして、戦後、その本はすべて燃やされてしまったのだと。しかし、戦後の無秩序な世界を牛耳ろうとするギャングのボスは「本」の力を必要とします。

途中に出会う、一軒家の生命力の強い老夫婦は、アメリカ人の開拓者精神をデフォルメして描いてあるように思いました。しかし「手の震え」って、そういう意味があったのですか(苦笑)

とにかく、イーライに課せられたのは「絶えず歩く」ことでした。「目的」は「行動」しながら姿を現してくるものだと。こういう発想って…どうなんでしょう?少なくとも、日本人には、そんなに違和感はありませんよね。

イーライとともに旅した少女ソラーラ(「太陽」という意味の名前ですか?)は、最後に、「自分の故郷へ帰る」のだと、来た道を戻りますが、その姿は、まるで「聖戦」に赴く兵士のようでした。明らかに、愛する者を奪った「悪」を成敗するために戻るのでしょう。結局「同じ歴史が繰り返される」のを暗示させるエンディングだったと思います。

最後に、あの懐かしいジェニファー・ビールスが出ていて、驚いたことを付け加えておきます(!)ちょっとエキゾチックな顔立ちがスクリーンに映えていました。最後に、カーネギーに手をかざしたときは、こうして奇跡を起こして彼のけがを癒す展開になるのでは…と錯覚するほどでした。

「求める心」「目的」「行動」、それぞれの位置関係、力関係というのは、それぞれの宗教観・世界観によって、異なって見えるものではありましょう。この作品も、観る人によっては、受け止め方が違ってくるのではないかと思います。それでも、私たちは、あくまでも「一つの世界」を分かち合って生きているのであるし、これからもそれ以外の選択肢はないのです。面白い映画でした。


しかし、デンゼル・ワシントンは舞台の方がいいです。この映画では台詞が少なかったのが残念でした。まぁ、映画だからこれでいいのかもしれませんが!

『フェンス』は7月11日までです。ブロードウェイに出かけられる方は、ぜひご覧ください。
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