いわゆる負け組ばかり集まるスポーツジムAverage Joe’s。もう財政難で傾きかけている。向かいにはハイテク設備と徹底したトレーニングを誇る、思いっきり「成果主義」のGlobo Gymがありました。
Globo Gymのオーナー、ホワイトは厳しいトレーニングを自らに課すばかりでなく、誘惑に打ち克つためにはどんな苦行にだって耐え、遂には完璧な肉体を得た、まさに「アメリカン・ドリーム」のシンボルのような人なのでした。(トップの写真)もう、朝から晩までテンション上がりまくり。事業拡大のために、向かいのAverage Joe’sの買収に乗り出します。
Average Joe’sのオーナーのピーターは、まぁ分かりやすく言えば「ナンバーワンにならなくていいよ。オンリーワンでいいよ…」と負け組さんたちに優しい言葉をかけ、居場所を提供してくれる人なのです。そんな大切な居場所がGlobo Gymに取り上げられるなんて…あんまりだ。
で、みんなでドッジボール選手権に出場して優勝し、賞金を得られれば買収されなくて済む…ってことになったのです。大丈夫なのでしょうか~
ドッジボールの神様と言われる、謎めいたアイリッシュの爺様がやってきて「猛特訓」をした結果、めでたく世界選手権へ…。しかし、お向かいのGlobo Gymが黙っているわけもなく、秘密兵器をいろいろ揃えてやってくるのでした。
しかし、これも小ネタがいっぱい…。
ガールスカウトのチーム。健全な女子が集まる団体のチームなのに「女の弱み」を見せて油断させ、あざとく勝つ。しかし、ドーピングがばれて…。
それにしても、なぜ、彼女たちは動物用の向精神薬をたくさん持っているのでしょうか?この「謎解き」は私には無理でございました。(笑)誰か教えてください。
世界選手権、いろいろ出てくるんですよね。
まさに「ステレオタイプの大行進」ですよ。The Gay Gang(ま、そのとおり)、Lumberjack(荒くれ男集団)、Skillz That Killz(スラムに住む黒人チーム)。ドイツからはTeam Blitzkrieg、リーダー崇拝とチームプレーに命をかけてます。日本からは、でました!Kamikazes。なぜか全員「まわし」をつけてまして、「あんなオムツをしてドッジボールが出来るのか」なんて揶揄されるんですね。
で、いろいろとドタバタの末、ハッピーエンドになるんですけどね。
私の知っている人もゲスト出演していました。「テキサス・レンジャー」のチャック・ノリス。癌を克服して自転車競技でチャンピオンになったランス・アームストロング。彼はピーターに「不屈の精神」の大切さを話すのです。オンリーワンだけが全てじゃないのよね、ピーターさん。
最後は、全ての観客がAverage Joe’sのサポーターになります。観客の一人が「I’M AVERAGE, TOO!」と書いたサインを掲げて応援しているのを見て、私はおかしくて切なくて涙が出そうになりました。
最近の日本では「格差社会をどう生きるか!?」「勝ち組・負け組を作らない社会を!」なんて熱く語っている人たちがいますが、…どうなんでしょう…みんな「現実感」として受け止めているのかな?(「あんたはどうなの?!」なんて、振らないでくださいネ~)
とにかく「ドッジボール」は、我々がやっと考え始めたばかりの「格差社会」の「大先輩」、「勝ち組」「負け組」の酸いも辛いも知り尽くした人たちが、リアルにブラックにシニカルに、さぁ!この愛すべき社会で、この愛すべき仲間とハッピーにやろうじゃないか!と開き直り近い(?)スタンスで笑い飛ばしている、切なくも可笑しいコメディでした。
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