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And This Is Not Elf Land

Springtime for Hitler

※ミュージカル&映画「プロデューサーズ」の筋書きが書かれています。※

トニー賞12部門受賞、今も「無敵!」の人気ミュージカル、THE PRODUCERS!!

私の中ではSEINFELDも、このTHE PRODUCERSもおんなじようなモンですわ(!)
度の過ぎたキャラ、自虐ネタ、偏執狂ネタ、マイノリティー・ネタ、ユダヤ・ネタ、パロディー、時々下ネタ…好きな人はマジ面白いと思う。

冴えない会計士Leoは、producerになって、もっとcreativeな仕事がしたいと願う。
実際、彼の勤める会計事務所の社長は独裁者のような人間で、ウサギ小屋のようなofficeに(何故かバニー・ガールがいる??)各会計士のデスクの上方には自分の肖像画を飾らせている。

このシーンで思い出すのはThe Trip(2)でのGeorgeのこの台詞
George: I'll tell you something,
if I'd own a company, my employees would love me.
They'd have huge pictures of me up on the walls and in their home, like Lenin.

Leo bloomとMax Bailystockは「確実にコケる、史上最悪のショーをプロデュースすれば、ショービズ界ではそれなりにお金が転がり込む仕組み」に気付く。そこで「史上最低のシナリオ」に選ばれたのがHitlerを讃えるとんでもないシナリオ。SPRINGTIME FOR HITLER。

ところが、これがバカ受け!彼らの企てがばれて一時は塀の中に入るが、そこで囚人達とPRISONER OF LOVEというミュージカルを作り、めでたくシャバに出てプロデューサーズとして返り咲く…というもの。

結局、「つまらない作品でもヒットする」というブロードウェーの体質も痛烈に皮肉っている。最後のシーン、返り咲いた二人のプロデューサーはブロードウェーを闊歩する。劇場街にはきらびやかなサインの数々!

BAILYSTOCK & BLOOM PRESENT

A STREETCAR NAMED MURRAY
HIGH BUTTON JEWS
47TH STREET
MAIM
SOUTH PASSAIC
DEATH OF A SALESMAN ON ICE
SHE SHTUPPES TO CONQUER
FUNNY BOY 2

「クスリ」とさせられるパロディー。
確かに、今のブロードウェーなら、DEATH OF A SALESMANだって、DISNEYのアイス・ショー化しかねませんわ。

アンサンブルにはスラリとした長身の美女たちが登場するが、しかし、みな180センチは軽く超えていて、190センチ近い人も含まれている。あまりの長身に多少の違和感が。一方、男性陣は普通サイズ~可愛いサイズの人が多い。
Maxのお年寄り相手の「逆援助交際」、naiveな私には(?)想像するのも憚られる~。「華麗な」ゲイの演出家集団。突然キレるハトおじさん。Leo BloomはJames JoiceのUlysseusに登場するさえないユダヤ人の広告取りと同名。Max Bailystockは、実際にはあり得ない名前のようですが、「(ユダヤ人の好物のパンである)bailyの在庫もバッチリ」みたいな響きになるのかな…?要するに、登場する人は、み~んな、どことなく「規格外」。「異端」を隠し味にした冷ややかなユーモアで貫かれている。


さて、このTHE PRODUCERS、舞台版が映画化されてアメリカで公開中で早速話題沸騰。ネオナチ暴走男役のWill FerrellがGG賞の助演男優賞にノミネートされるなんて「あり得ない展開」(?)になってるらしい。(アメリカ人はこういうcrazyなキャラが好きですね。)スウェーデン人のプッツン女性秘書を演じるUma Thurmanも評価↑だとか…。このキャラも理解不能(?!)なんですが、舞台では透き通る白い肌とプラチナブロンドの北欧美女が“Bailystock & Bloom!"と独特のイントネーションで電話を取るシーンは…なんともはや、苦笑です。

さて、これが4月に日劇系列で公開だそうです。
これがどこまで日本で受け入れられるか、興味深いところです。配給元ではミュージカル映画として日本でもヒットしたCHICAGOやTHE PHANTOM OF THE OPERAよりも多くのトニー賞のタイトルを獲得したミュージカルの映画化、なんて強調していますが…SEINFELDだって「全米NO.1のコメディー!」と華々しく宣伝されても、多くの日本人には「ビミョー」だったのだから…どうなることやら。


今回は作者のMel Brooksについては書けませんでしたが、彼については、いつかの機会に!

PS
Jason Alexanderは一昨年、LAの舞台でMaxを演じていました。
観ている人は、どうしても「George!」と思ってしまったことだろうな…
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