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And This Is Not Elf Land

Everyday's Like an Open Door

次、HAIRSPRAYいきま~す!


METで新作オペラ、AN AMERICAN TRAGEDYを観た後だったからかも知れませんが、このHAIRSPRAYのあまりにoptimisticなAmerican dreamの世界は、むしろ胸に「ズシン」と響きました。

時は60年代、Baltimoreのworking class家庭で、貧しいけれども大らかに育てられた少女、Tracy。背が低くて太っているのを気にしながらも、TVスターになることを夢見ます。オーディションを受け、うまく事が運びますが、そんな中でTV界に存在する黒人差別に疑問を感じます。彼女の素朴な疑問が、一時は騒動になるのだけれど、差別解消へ道を拓きます。

そんなstoryが、抜群に楽しい60年代の音楽(ポップス、ロックンロール、ソウル、ゴスペル…)とともに展開されます。こういう「お祭り系」のミュージカルはやはりアメリカ産がご本家かなぁーと思う。(お陰で、MAMMA MIA!は「お気に入りリスト」から外れました)テンポがいいね。

それにしてもTracyも、親友のPennyも、どう見ても「もてないキャラ系」の女の子達なのに、なんでこんなに歌も踊りも抜群に上手いの?!また、オーディションもさせてもらえないLittle Inez役の8-9歳ぐらいの黒人の女の子…歌、凄すぎ…
このあたりがブロードウェーの醍醐味なんですよね。極めて層が厚い!

これもTHE PRODUCERSと同じパターンで
映画→ミュージカル舞台→再映画化
という流れで、来年映画が公開されるようですが、下手をするとビデオ・クリップ集のようになるのではないかと少し心配。
また、元の映画はかなり痛烈な皮肉が込められた作品のようです。(私は未見)「毒の部分」を取り除いて舞台化したもののようですが、新しい映画はどういうものになるんでしょうか?

HAIRSPRAYは観光でNYにやって来る日本人にも人気があるようです。キャッチィな60年代のメロディーは、かなり日本人好み。また、モテない系の女の子、ハンサム・ボーイ、お金持ちの意地悪な美少女などなど、類型的なキャラクター達はまるで昔の少女漫画みたいで、「キャンディ・キャンディ」のような「無国籍な話」として楽しめないこともありません。

でも、やはりこれは、テロ事件後のアメリカの「夢」と「願い」がつまった、極めてアメリカ的な内容だと思うのです。彼らが思い描ける、最大の理想世界のfantasyがこのHAIRSPRAYなんでしょう。NY TIMESは次のように批評しました。

IRRESISTIBLE!
If life were everything it should be, it would be more like HAIRSPRAY.
(たまらない!
 人生が理想どおりになるものなら、
 それは、よりHAIRSPRAYの世界に近づくということだ。)

貧しくても愛情豊かな家族。外見にハンディがあってもスターになる夢を実現でき、憧れの彼との恋も成就する。小さな声が大きな流れになって多様な文化を受け入れる社会をつくる…すべては、所詮、「ありそうであり得ない」理想世界の出来事。PennyとSeaweedの肌の色が違うカップルだって、40年たった今でも珍しい。観ている人はみんな分かっているんだろうな、すべては「夢」だって。

今回のNY滞在は、いつ交通ストが始まるのか…ヒヤヒヤしながらのものでしたが、NYの寒空の中で出会った様々な人たちを思い浮かべながら…それでも、私も主人公Tracyの元気を分けてもらいたいと願って、'Good Morning Baltimore'を「目覚めの曲」に設定しました。

でも、落ち込み状態のときに聴くと、かえって切なくて悲しくなるんですよね(苦笑)


I know every step
I know every song
I know there's a place where I belong
I see all those party lights shining ahead
So someone invite me
Before I drop dead!

私はどんなステップだって、どんな歌だって知ってるの
私の世界はどこかにあるわ
煌びやかなパーティーライトが頭上に見えるもの
誰か私を招待してくれますように
どうにかなっちゃう前にね

So, Oh, Oh
Give me a chance
'Cause when I start to dance
I'm a movie star
Oh, oh, oh
Something inside of me makes me move
When I hear the groove

だから、だから私にチャンスをちょうだい
踊りだしたら、私はたちまち映画スターなる
カッコいい音楽が聴こえてくると
私の体は自然に動き出すの

My ma tells me no
But my feet tell me go!
It's like a drummer inside my heart
Oh, oh, oh
Don't make me wait
One more moment for my life to start...

ママは「ダメ」って言うけれど
私の足は「踊って!」と言うの
私の中で「行け!」って誰かが言っているみたいに
だから、だから
私の人生は始まるのよ
もうこれ以上待たせないで

I love you Baltimore
Every day's like an open door
Every night is a fantasy
Every sound's like a symphony

愛してるわ、ボルチモア!
毎日が開かれた扉
毎晩がファンタジー
あらゆる音はシンフォニー

And I promise Baltimore
That some day when
I take to the floor
The world's gonna wake up and see
Gonna wake up and see
Baltimore and me...

約束するわ、私の町ボルチモア
いつか私が踊り始めたら
世界中が目覚めて、
そして、そして
ボルチモアと私を見つめる日が必ず来るのよ

★かなり意訳してます
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