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And This Is Not Elf Land

Memories of MATSUKO

※映画「嫌われ松子の一生」
筋書きが書かれています。


遅ればせながら、観てきました。
おもしろい~っ!!

「繊細」で「儚げ」で、どこか「チープ」で…
これぞ「ザッツ・じゃぱにーず・エンターテインメント」
最近は欧米でも日本のポップ・カルチャーを好む人が増えているようですが、外国の人たちも惹きつける独特のテイストって、こういうものなんだろうな…と思いましたね。

松子のように、
思い込みが激しくて、
考えすぎて、行動しすぎて、
相手に求めすぎて
...
結局は何も得られない人。
大変な悲劇なんだけど、もう現実とは完全に乖離してしまったようなカリカチュアされた世界で、悲しくも可笑しい。この手の「冷えた笑い」はSEINFELDでも馴染んでいる「お陰」で、誰~も笑ってない所で吹き出してしまって困った。(特に前半)

映像は常に「光のスポット」があるような画面で、キラキラした「漫画世界」。
パステルカラーをふんだんに使って、小鳥、星、花を散らした…まるで少女漫画のような絵。

そういえば、松子は最後の最後まで、少女趣味な色合いのものを身につけていた。

私も、バラ、ベゴニア、ゼラニューム、インパチェンスなどで庭を飾り立てるのが好きで、時々「この庭は宝塚か!」と突っ込まれる。ま、ミーハーなんでしょうね。こういうのって「体質」みたいなもので、死ぬまで治らない(?)んですよ。自分が婆さんになって、じっくりと「山野草」を眺めているなんて考えられないし。

以前に、大衆文化の研究をしている人の話を聞いたことがあるんですが、その方は「ミーハーという人種はピカピカ、チカチカ、キラキラしたものに弱い」んだそうで…全くもって私のことですね。

最近は、ある程度の年齢になっても何かに夢中になる人を総じて「ミーハー」と称することがありますが、私に言わせれば、どんな夢中になっていても、その対象が渋いジャズだったり、70年代のフォークだったりする人は「ミーハーとは呼べない」つうか「ミーハーと呼ぶのは許さない(!)」
ミーハー…って、実は奥が深いことなの!

話がそれました。
松子って究極のミーハーなんだ!なんて思いながら見てみる。松子は光GENJIが大好きだった。これが浜田○吾じゃないところがいい!(年代的にはコッチに嵌まるほうが自然なのに)

たくさんの人たちと出会った人生。
でも、本当に心を通い合わせることができたのは病弱な妹の久美、かつての教え子の龍、売れない小説家の徹也、そして刑務所で知り合っためぐみ。繊細で、危ういまでに混じりけがなくて壊れそうなものを心から愛した。愛しすぎて、どうしていいか分からなくなって、混乱して…そして相手を傷つけてしまう。なんか「ライ麦畑でつかまえて」のホールデン・カーフィールドを思わせる。

そういえば、画面を彩る無数の花々も、小鳥も、モビールも、すべてが「壊れやすくて」「儚い」。日本人独特の「か細い声」で歌われる歌の数々や、何ともチープな衣装や振り付けさえも、この映画の中で見ると、儚げで味わいがある。(それにしても、「あなたの心に」は懐かしすぎる~♪あんな曲を持ち出すのは「反則」だ!)


川を見るのが好きだった松子。川を人生に例えれば、ハックルベリー・フィンのように筏で川を下り、ハラハラ・ドキドキの大冒険をするのも人生の醍醐味なんだけど、あの時代に女性として田舎の堅苦しい家庭に生まれた彼女には、あれが限界があったんだろうな…。
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