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And This Is Not Elf Land

ROCKY BALBOA

映画「ロッキー・ザ・ファイナル」
もう、何も言うことありません!
Never Give Up!


実は、私はこのシリーズをちゃんと映画館で観たのは今回が初めてでした。もともとあんまり熱心に映画を観る方じゃないうえに、格闘技とか拳闘シーンとか流血シーンとか苦手だし。でも、ファイナルとか言われるんで、観ておかなきゃ!と(?)シネコンに足を運んだんです。

実は同居人に一緒に来てもらう予定だったんですが、あちらが直前に心変わりしてしまって、私一人で行く羽目に…ま、NYまでお一人様をやるくらいだから別にどうってことがないようなモンなのですが、メゲちゃったのはチケット買った時に貰うポスターですよ!(全国の皆様も貰いましたよね!?)

ちょっと…うっかり貰っちゃいましたけど、オバサンがあんなん持って上映開始時間までショッピングモールでうろうろしてるなんて~キャー勘弁してよ!いかにも「このオバサン、ロッキー観に来ました~」みたいな…ちょっと恥ずかしいわ~(汗)と思ってしまった私はおかしいですか??

とにかく、私は手に持ったポスターが気になって仕方がなくて、わざわざ屋上駐車場に置いてある車に置きに言ったという~…

さて、30年前に大ブームになった「ロッキー」。当時も「涙なくしては観られない映画らしいよ」なんて話題になっていましたが、結局は観に行かず…(思えば、ブルース・リーの映画は結構観てたかも)数年後にTVで放映されたものを観たのが初めてでした。そのときに印象に残っているのは、映画の内容よりも、当時中学生になったばかりだった妹が「ロッキー」を観て声を上げて泣いたことでした。気の強い頑張り屋だった彼女は人前で泣くなんてことは滅多になかったのに。

妹は、大人になってから、アメリカの会社で働き、頑張って管理職にもなりました。地元では「アメリカの会社で働くって大変なんだよね、大丈夫なの~」「よくやるよね~」などと親族や友人たちが気遣っていましたが、私としては「ロッキーを観て号泣するような妹だから大丈夫」(?)なんて、分かるような分からないような理由で安心していました。だから、私にとっての「ロッキー」とはそういう意味を持つんです。(殆ど意味不明のことを書いている…と自覚してます、スイマセン)

さて、映画ですけど…もうねぇ、展開は読めちゃうしねぇ~でも、観ているうちにそんなことぐらい、どうでもよくなりました。

最初はエイドリアンを失ったロッキーの悲しみが淡々と描かれます。実際私の年齢になると、身近に連れ合いに先立たれた人もちらほら出てきます。心の中でどんどん大きくなる喪失感をどうすることも出来ないロッキー…。「そういうものなのかもしれない」と胸が痛みます。気を紛らわそうと必死にもがいていた彼でしたが、やがては自分の中の喪失感と向き合い、それをかつてのような闘志をもって乗り越えようとします。

フィラデルフィアの貧しい地区は基本的には昔と変わっていません。リトル・マリーや犬のパンチー…昔も今も、幸薄く、何かを訴えるような健気な目をしているものに無償の愛を注ごうとするロッキー。そして、味わった屈辱が大きければ大きいほど忘れられないと言う。貧しさから抜け出す糸口さえ見出せない人たちが存在するのは、今も昔も同じ。

ロッキーの息子のロバートは、親が有名人であったことが有利に働いて一流会社に就職していましたが、父親には頑なな態度を取り続けていました。親の代よりも豊かに、有利に…というのもアメリカン・ドリームなのでしょうが、結局は個々の資質が伴なわないと上に登ることは難しい。ロバートは最初から分かっていたのでしょう。でも、それを認めたくなくて、父を受け入れようとしませんでした。しかし、再びリングに立とうとする父を見ながら、彼も「自分は何ものなのか…」次第に見えてくるようになります。

ロッキーがマリーの息子、ステップスに注いだ思いは、実の息子の関係がギクシャクしていたことで、息子に代わる存在として愛情を示そうとしたのか、それともマリーに対する思いが特別なものになりつつあったからなのか…

マリーが少女だった頃、彼女をまっとうな道に向かわせようとしたロッキーでしたが、結局は彼女もその息子も、数十年経っても、貧民街の生活から抜け出すきっかけにも恵まれませんでした。自身は大きな名声を手にしたものの、今も昔も、ロッキーの社会の底辺に生きる人への深い同情と共感は変わっていません。

ヘビー級のチャンピオン、メイソンは圧倒的な強さを誇りましたが、彼のボクシングには「プライド」がないとマネジャーは感じています。実際、その強さの割にはさほど人々から支持されていませんでした。そんな彼が、再びライセンスを手にしたロッキーと闘うことになるのです。

ロッキーの、いわゆる再チャレンジが「エゴ」だと言われたのは、私も(自分に言われているようで…)ちょっと辛いものがありました(笑)。年齢に関係なく自分の限界と闘う人を褒め称える言葉はいくらでもありますが、現実に年齢を重ねると、周囲から受け入れられにくくなってくることは年々身にしみて感じているところでもあります。若い頃は思いもよらなかったことですよ、ホントに…。世の中、そんな甘くありませんわよ~

ま、この映画の話も、カリスマティックなスタローンasロッキーだからいいようなものの、自分も一緒になって調子こいていると、しまいには…なんてことになりかねないのが一般人ってものですよ。(なんだか急に後ろ向き~)

あ…話がそれました。
ついつい愚痴るのも私のキャラなもんですから…

もうねぇ、前述のロバートやステップスなどのキャラクターの掘り下げ方に少々不満が残ったり、展開が読めてもいいとは言っても…それにしても、読めすぎ!…と思ったり、細かいことはいろいろあっても、唯一無比のロッキー・ブランドにとやかく言うのは、もはやナンセンスな気がします。

エンドロールで、今やフィラデルフィアのランドマークとなった美術館の階段を駆け上がってポーズをとる老若男女が次々と映し出されます。「ロッキー」は映画の域を超えて、今や、ひとつのスピリットの象徴となっているのですね。そして、これは紛れもなく、スタローンが成し遂げた偉業なのです。
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