両隣と斜め前の席の人が映画開始30分から泣きっぱなし。そのうちに嗚咽まで聞こえてきたり…やっぱ、レディーズデーにこの映画、適切な選択ではなかったかな(?)
とにかく結論から言うとね(例によって、力いっぱいネタばれしてます)キャメロン・ディアス演じる母親サラが、ひたすら「合理性」と「科学万能」にしがみつくのが痛々しかった。
そして、難病のケイトが、凄まじい闘病生活の中で、消えゆく自らの命を受け入れようとしていく道すじと、いつまでも変わろうとしない母親との対照がだんだん明確になってきて、最後はケイトがサラを「癒し」、「祝福しながら」逝くシーンは感動的ではありました。
つい先日ブロードウェーで見たミュージカルNEXT TO NORMALでも同じような印象を持ちましたが、今なお開拓者スピリットがもてはやされ、困難に屈することなく、ひたすら前進することが美徳とされる社会の中では、それとは真逆にあるような概念を受け入れるなどというのは、日本人が考える以上に大変なことなのかも知れないですね。
サラにとっては、「すべて子どもを思う親の愛情が基礎にあるのだから」という大義名分がありました。愛情というのは当然、計り知れないほどの犠牲を強いる。しかし、どこまで犠牲を払っても、やはり愛とはエゴと紙一重なのです。もう一人子どもを持とうと決意するあたりから、その辺は見えてきていた。姉のドナーとなるために生まれたアナ、LITTLE MISS SUNSHINEのアビゲイル・ブレスリンが演じていましたが、LITTLE・・・よりもこちらの役の方が好きでした。豊な表情がいつまでも印象に残る、天性の役者だと思います。将来がますます楽しみ。
でも、私が一番愛おしかったのは弟(だよね?)のジェシー。彼は、なかなか自分を表現できない繊細な少年でした。この映画では、何だかんだ言っても、女性陣はそれぞれに「強い」(笑)私はどうしても、ボーイに同情的になるようだ。あと、パパ役「んんん~~~、どこかで見た人だ」でエンドクレジットを見て「ジェイソン・パトリック…どっかで聴いた名前だ」…なんて(!)帰宅して、ネットで確認するまで、彼はSLEEPERSのシェイクスだと思いだせなかった私って~これって、ちょっとヤバい物忘れでしょうか(?)ちょっと心配になってきました。
とても印象的だったのは、サラもケイトも、それぞれに死を受け入れるようになったとき、病室にはカウンセラー(?)がやってきて、スピリチュアルな話をするのですね。どう聞いても、非合理的な話ではあるのですが(私個人としても、そういう世界は苦手)(今のところは…ね)でも、人間にはそのような発想が必要になるときが来るものなのでしょう。そういう話を聞くときのケイトの表情の穏やかなこと。
そして、ケイトの死後、家族はモンタナの大自然の中で亡き彼女を偲びます。神々しいまでに美しい大自然に抱かれながら、彼らはケイトの「命」を感じとるのでした。このあたりには、日本人にも理解できる世界観が示されているように感じました。
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