映画『スリーパーズ』
中古ショップでDVDを見つけまして、久しぶりに観ました!Walk Like A Manで始まって、Walk Like A Manで終わる「ヘルズキッチン・ボーイズ」の話。
1996年の映画なのですね。なぜか、当時からとっても惹かれる映画で…ビデオではよく見ていたんですけど、DVDのご時世になってからはレンタル店にも置いてなくて、なかなか観るチャンスがありませんでした!
っていうか…もう「禁断症状」なのがバレバレですね(ハハハ)
舞台はマンハッタンのウエストサイド、ヘルズキッチン。アイルランド系、イタリア系、東欧系の貧しい人たちが住み、町の隅々にまで犯罪組織の力が及んでいました。成人したシェイクスが語るように、それはまるで「腐敗によって無垢を守り抜いているような」
ときは60年代、ベトナム反戦とカウンターカルチャーの時代。でも彼らの住むヘルズキッチンでは、子どもたちは十分な教育も受けられず、妻たちは夫の暴力に悩まされ続けている。新しい価値を語る若者も男女同権を訴える女性も、彼らの世界から見れば、中産階級以上のお坊ちゃま・お嬢ちゃまたちの戯言にしか聞こえない。
私って、どうもこういうシチュエーションにより共感を覚えるようで…こういう傾向は昔から変わらないですね。今、ブロードウェーで昔懐かしいHAIRが上演されていて、”…This is the dawning of the age of Aquarius ~The age of Aquarius~アクエ~リア~~ス♪”なんて歌われるのを聴くと「はぁ~、それ反則だろ!!」と思うくらいに懐かしい(?)のですが…でも、この作品の世界は私にはよく分からないです。…で、RENTになると、もっと拒否反応が出るわけですね(笑)
理由は単純だと思います。結局、私はちょっとマイナーな人間なんだからなんでしょう。
で、この映画ね…
とにかく私は、こういう「閉塞感漂う世界」の話に惹かれる傾向があるのです。「考える自由」「モノを言える自由」が当然のようにある環境にいながら、で、本人たちははそれをほとんど意識してなくて、それでもって「この世界は何なんだ?」とか「人はなぜ生きるのか?」とか、どうのこうの言いたがる輩は昔から苦手なのだ…(でも、だからと言って、そういう輩を責めるのは、それはそれで酷だとは思います。人間にはみな限界があるから)
映画の内容については…まぁいろいろご意見はおありでしょうが、私はとても面白いと思います。とにかく、ケビン・ベーコンが凄すぎる(笑)この役は彼にしか演じられないんじゃないだろうか?キング・ベニーの人、カッコよすぎる!(別に「そっちの世界」に憧れているわけでもないけど)ロバート・デニーロ、まぁまぁやな…。ダスティン・ホフマン、上手すぎて嫌みだ(?)ブラッド・ピット、無駄にカッコいい(…)
マンハッタンのヘルズキッチン地区を歩いていると、今も赤レンガ造りの古いカトリック教会がありますね。また、カートに激突した男性が運び込まれたのは、セントクレア・ホスピタルだと言っていましたが、その病院、知ってますよ(?)
ただ、一つ抵抗があるのは、ミニー・ドライバー演じるキャロル…私は、この役の彼女一番好きです。(まさか、このあとカルロッタをやるとは思わなかった)ただ、この映画では、彼女を神格化し過ぎていませんか?キャロルは結局、「独身を貫き、迎えた養子には4人の名前を付けた」なんて、ちょっと…Come on!と言いたくなるのは私だけ(?)
キャロルは4人の少年たちを近くで見守ってきた女の子で、それぞれの初恋の人のような存在でもありました。しかし、彼女は彼らの犯した罪には関わっていないわけですし、少年院で彼らが受けた虐待など考えも及ばなかったとしても、それは当然のことだし…恋を成就できなかったことで彼女も苦しんだわけだし…彼女には、やがては普通の女性と同じ幸福が訪れてもいいんではないでしょうか…?
まぁ「男性4人の血よりも濃い繋がり」を強く前面に出せば、女性はあんまり現実感を帯びていない方がいいというか、まぁ早い話が「どうでもいい」というか…でもキャロルの扱いの「不自然さ」を見て、改めてこのストリーのアブノーマルさが際立ってくるとも言えるでしょう…でも、不思議な統一感に貫かれた面白い映画だと思います。
(フォー・シーズンズはWalk Like A ManのほかにMy Eyes Adore YouとDecember ‘63:Oh, What A Night!が使われています。でも、ビーチ・ボーイズの曲はちょっと浮いているみたい…全部、東部のサウンドにすれば良かったのに)
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