今週3日厚労省が「財政検証」(公的年金制度の中長期見通し)を発表しました。これは年金制度が持続可能かを5年に一度点検するものです。
それによると2024年度の現状では「モデル世帯」(40年働いた会社員と専業主婦)夫婦二人の年金合計額は平均月22.6万円
それに対し現役男性の平均手取り収入は月37万円
よって年金額が現役平均手取り収入の何%にあたるかを示す「所得代替率」は
61.2%になるそうです。概ね現役時代収入の約6割の年金がもらえていますよという結果のようです。
この考え方には私は若干違和感があります。
確かに現役世代の平均手取り額はこれ位かと思いますが一般的な会社員の場合収入のピークは50代半ば~60歳定年時ではないでしょうか?
定年退職前課長や部長といった役職をもっていた時の月50万円や60万円もらっていた収入に比べれば実際の年金額は6割どころか半分あるかどうかの方が多いのではないでしょうか。だからこそ年金ってこんなに少ないんだ!と感じる人が多いのです。(私もその一人です)
「所得代替率6割」と政府が強調するのは何となく今の年金制度は大丈夫ですよ、100年安心ですからねという方便のような気がします。
さて将来の見通しですが、33年後の2057年度には経済成長率1.1%の場合所得代替率は現在比6%減少、横ばいの場合約2割減少する見通しです。
2割減少でも所得代替率は50.4%で5割はキープするそうです。
どうしても5割は確保したいようですね。
現在の6割確保でも年金以外と少ないなと思う人が多いのに、これが2割程減少するとなるとどうなるんでしょうね。
日本の年金制度は素晴らしい仕組みもあると思いますが、今問題となっている「パートの加入増」とか「第3号被保険者」など様々な課題もあります。
個人的には最大の問題は現役世代で年金受給世代を支える「賦課方式」であると考えており、しかも急速に人口減少する現役世代と高齢化・長寿化で増加する受給世代という背景の中で待ったなしに改革が必要なのではと思います。
制度が100年残っても国民が不幸なら意味がありません。
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