一畑電車の出雲大社前駅から南に歩くこと約10分…
道路看板にまで表示されているだけに、期待してしまいます。
旧国鉄大社線 大社駅舎
90年に廃線になった大社線。出雲大社へ行きふと思い出したようにここの存在が浮かび上がりました。
旅館のような入口に温かみを感じます
入口を入ると、側面に「観光案内所」と書かれた窓口が正面に現れます。お城や観光名所にある入場券売り場のような雰囲気を感じました。
天井に目をやると、大正ロマンあふれるシャンデリアが・・・
こちらは窓口で、奥には歴代の国鉄制服を身にまとったマネキンがこちらを向いています。一人で行ったので本当に怖かったです・・・
次に、ホームへと出ます。
いきなり「出口」と書かれた看板が目にとまりますが、改札口です。
駅名表示板は旧国鉄使用のまま。JR西日本として3年あったわけですが、廃線が目に見えていたためか差し替えがされなかったようです。
ホームは二面三線で、全盛期には客車列車、参拝客を多く出迎えたであろう面影を残しています。
島式のホームへ移動し撮影
出雲市駅寄りにD51が留置されていました。
D51 774
戦時中に製造され東京、福知山、岡山、米子と巡った後、昭和49年に引退。説明が書きによると、数年前までは出雲大社に置かれていたようで、旧大社駅整備施策の一環で移動され現在に至るようです。
とはいえ、いくら大きなSLも大社駅のような広大な構内ではどこか淋しく、客車の一つや二つ欲しいところ…
出雲市駅方面を見ると、道路面がレールより1m前後低くなっている。もともとのレール部分にあった盛土が撤去されたからか、整備した際に掘り下げたのかは不明である。
多客時に使われたであろう臨時改札口。ラッチ部分もちゃんと動きました
そして再び駅舎に入り、展示物を見に行きます
タブレット閉塞機
乗務員の使用していた各種鍵類。
仕事柄忍錠を見る機会があるが、客車鍵の足の短いタイプをここで初めて見ました。
「乗って残そう」の悪い歴史は今に続く・・・
再び外へ
出雲大社方面に目を向けると、不自然な砂利敷きの駐車場があります
そのところどころにはこのように今でも撤去されずじまいのレールが散乱しています。数十分程度の滞在ではありましたが、旧大社駅を堪能することができました。
とはいえ、駅は乗客が利用して初めて価値が生まれます。どんなに駅舎が優れていても利用されていなければ廃れていきます。そんな姿をこれ以上見たくないなと思いながら、駅を後にするのでした。
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