山奥の鍛治工房

趣味でやっている鍛冶作業の記録

作業記録(消し炭作り)

2008-04-13 18:14:44 | Weblog
百姓が始まり、鍛冶作業はできん。
ということで、百姓作業がてらに竹の消し炭を作ってみた。
原材料は、田んぼの影をする、邪魔をしないように切った竹。
野焼きすること2時間余り。
出来上がった炭は20kg近辺。しかし、それは消火するために撒いた水が含まれているため、乾燥すればもっと軽くなる。
問題発生。消火活動開始。火が消えん。アッチを消せばコッチが燃え、コッチを消せば真ん中が燃えとる…。
さんざん手こずって消した。
 どうも熱の供給源は焚火して熱を持った田んぼの土のようである。
 そしてひらめいた。
 大量製造するには、ドラム缶の中で燃やして、できた熾火を引きずり出して片っ端から消火すればできる。
 しかし、20kg作るうえで、それに掛けた水は倍の水が必要であった…。
 そのことも考えなくてはならない。

 
 ちなみに、扇風機を送風機にする実験は失敗。やり方が不味かった。したがって、再度チャレンジの予定。
 

鍛鉄作業とあいなりました

2008-03-30 15:54:55 | Weblog
 3月29日 午後2時45分頃開始~午後5時頃終了

 炉を平炉にした関係で既存の火掻きでは真拍子に合わんなってきた。
 できればプレート付きの火掻き棒が欲しい。
 ホームセンターに走った。しかし時既に遅し。もう売られてはなかった|||orz
 ならば作っちまえ、って暴走。本来はハシをこさえるために据え込みしていた16ミリ鉄筋であったが、このうち1本をバカスカ打ち据えてプレート一体型の火掻き棒にした。
 大鍛鉄状態。
 なかなか細くならんのです。ベルトハンマーあれば、一発で綺麗に作れるのかもしれないが、そこは手打ちでやるしかない。
 金敷のツノが活躍した作業でした。
 出来上がった物は重いけど、コークスのかき寄せが楽になりました。


火花試験実施

2008-03-23 18:14:22 | Weblog
 鍛冶仲間よりいただいた棒材(8ミリ径)の火花試験の様子。
 タイマー設定で撮影した物だが、他の鋼材数種類について、画像がボケたり写っていなかったり不明だったりしたため、マシな
S30C(鉄筋)と世界に名だたるスウェーデン鋼(ボーラーK990)の火花を参考に貼ってみた。
 鉄材、鋼材といえどもこんなにも異なる輝きと火花の形状。
 頂いた棒材は推定ではあるが0・5~0・8%の範囲にある鋼であると思われる。
 それにしてもお粗末じゃなぁ。
 もう少し考えよう。撮影方法。

 


速攻で大改修と速攻で鍬の修理

2008-03-16 16:45:59 | Weblog
土曜日。
 炉の大改修と鍬の速攻修理をやりました。
 炉はパティオレンガ(ハンペン)を一部に使い、後は炉体を形成していた粘土で隙間を埋めて完成。
 作業時間1時間。
 その後、乾燥もそこそこにいきなり火を焚いて、速攻で鍬の修理。
 鍬本体に鋼が残っておったのが幸いでした。先をちょん切って火造り。
 タガネで切りミスしでかして、1本だけ長いけど。
 画像はその一部始終。改修前と改修後。そして火の熾り具合。
 鍛接には向いてないかもしれない|||orz
どこからでも加熱ができるのでそれだけが取り柄。
 この手の鍬の最大の難所は、熱処理する時。三本同時に均一に加熱させること。
 これが大変難しい。結局、何がなんだかアバウトな温度になってしまった。
 使い勝手どうかなぁ。
 

大改修しなくてはならない

2008-03-09 18:48:41 | Weblog
 既存の炉であるが、今日、オヤジ様より三本爪の鍬(当方では三ツ鍬と呼ぶ)の修理を言い渡されたが、幅がレンガ一丁幅しかないため入らんことが判明。三本の爪を同時熱処理するにあたり、支障を来す。
 それゆえに大改修をしなくてはならない。
 そこで嵌め込んでいた耐火煉瓦をば引き上げると、あれれっ。大崩壊|||orz
作業終了時から完全冷却するまで、温度差によるのとロストルにしておる鉄筋の突き上げと、きちきち一杯にしたためとが重なって割れたようである。
 ここで、初のM・松永炉の構造を発表。
 これが使っていた炉をちょっぴり崩したところ。
 送風管が38ミリ径。幾分細い送風鉄管を用いております。
 気室なし、というところがこの炉の特徴。(気室というよりは、真下に延びておる鉄管がその役割を果たしているけど、期待はできない)
 この状態で、ようやく修理する鍬の全体が入る程度。


久方ぶりに作業

2008-03-02 19:15:12 | Weblog
3月1日~3月2日(午後1時半頃~3時頃 午前9時頃~12時)
 ひさかたぶりに、鍛冶作業。
 焚き付けは、例によって風呂の消し炭と煙突掃除で出た未分解スス。
ススの塊は、炭素分多くて、着火材の消し炭が少なくて済む代わりに、ひじょーに臭い。煙も激しく怪しく黄色い煙が立つこともある。
 しかし火力は抜群。粘って分解しながら燃えるため、ときどき突いてやる必要があるが。
 たちまちは、剣ナタをさしおいて、積層材地金造り。
 使用した素材。
 FKU材(22ミリ幅の9ミリ厚 32ミリ幅の6ミリ厚) 
 鉄筋(16ミリ径の鉄筋を叩きのめし、幅22ミリ厚さ9ミリにしたもの)
 ながいこと鍛接していなかったので、忘却の彼方になってる可能性もあったが、とりあえず成功。
 タガネで切るにミスってしまい、22ミリ幅のつもりが24ミリ幅になったり21ミリ幅になったり。
 鉄筋は延べて、32ミリで概ね良し。
 必殺一発重ね鍛接。(FKU材4枚と鉄筋打ちのめし板3枚 計7枚の高さ4センチ前後)

 今回は、鍛接ダマスカスの常套手段に挑んでみた。
しかしここで大ボケ。
 22ミリ角に仕上げて捻り、打ち延べて板材にしてドリルで抉って、また叩きのめし。
 ちとまて。一発鍛接して捻る前にドリルで抉らんと、水玉模様出んのでは?
 捻って板材にしてドリドリした後に気づいた。
 どうなる。この材は…|||orz
 気になるのは、鍛接線。捻りに伴い斜めに何本か走っておる。(タガネミスの結果)
 ううむ。これで何作ろう(計画なかったんかい)



 

初打ち

2008-01-05 17:25:32 | Weblog
1月4日に行った初打ち。
その時の作品。
昨年に作りかけていた,秋田ナガサを火造りしただけのもの。
風邪を引いて寝込んで,その病み上がりな状態で行ったため
かなりボコボコである。
まだこれから打ち拡げて行かねばならない。


実証実験

2007-12-09 18:06:06 | Weblog
ワラ灰いりの自作鍛接剤。
その効果について,実証実験を
行った。
脇に写っている板は、その実証実験で作った
積層材である。
温度は650度を下回ると融解しない。
750度で融解する。
900度近辺では仮付けできるし、本付けもできた。
くっつける素材の状態にもよる。
結晶水による素材の動きは緩慢であった。
今回の実験では、ワラ灰を混ぜてもさして変わらないことが確認できた。
黒焼きの灰でやると、色はまさに灰色。     

現実の鍛冶屋に20の質問の回答

2007-11-10 12:11:27 | Weblog
大和守さんのホームページに掲載されているものから。

回答(平成19年11月10日)
1. まず、お名前と所在地(都道府県)からお尋ねします。
 M・松永と申します。広島県在住(工房は島根県の山中)

2. 屋号(作者銘等)はございますか。
 ありません。作者銘を刻むもヘタレ故にしておりません。

3. 専業(プロ)の鍛冶屋さんですか、兼業ですか。それとも、趣味の鍛冶作業でしょうか。
 趣味鍛冶です。

4. 失礼ながら、鍛冶歴は何年程でしょうか。
  20年ばかりになるでしょうか。しかしながら、技術的には5~6年程度なのです。

5. 鍛冶作業を始めたきっかけをお教えください。
  親類に鍛冶屋(専業)があったこと。しょっちゅう出入りして、くず鉄叩いて遊んでいた。

6. 親方・師匠はどなたでしょうか。
  親類の鍛冶屋のおじいさん。既に故人となられました。

7. 火床は炭用ですか、それともコークス用ですか。(業務用だと重油もありますね。)
 兼用です。主にコークスを使用しますが、木炭のみでも使えます。

8. 自慢の道具・工具を教えてください。
 自作鍛冶炉。ハシ、形見の鍛冶屋槌 

9. 鍛冶作業をするときの格好・スタイルを教えてください。
  ラフそのもの。作業服着て、安全靴あるいは運動靴、または長靴。夏場は上半身ランニングシャツ。

10. 主に作っているものは何でしょうか。
  積層材。鍛接ダマスカス。そして息の切れる物の切れぬナイフ等。

11. 材料は、どんなものを使っていますか。
  そんじょそこらに転がっておる鉄筋の切れ端、古い農具の残骸など。手に入れば古鉄が欲しい。
 FKU材、黄紙3号、時に青紙2号、SK93A SKS3.アッサブ2号 ボーラーK990 S45C、S50C等

12. 材料・燃料の仕入れはどのようにされていますか。差し支えない範囲でお答えください。
   通販。高くなりましたのう。(泣) 鉄筋など古鉄は工事現場その他打ち捨てられていると拾っていたりする。

13. 鍛冶作業で、楽しいこと・嬉しいことは何でしょうか。
  思うがままに造形できること。積層材作って、模様が莫大きれいに浮かんだ時。

14. 逆に、鍛冶作業で辛いこと・悲しいことは何でしょうか。
  鍛接しくじった時。焼き入れミスってお釈迦にしてしもうた時。
  夏場はおえんど。
  
15. 鍛冶作業で、ここが難しいな、というものは何でしょうか。
  鍛接作業そのもの。

16. これだけは気をつけている、というものは何でしょうか。
  火事を起こさんこと(鍛冶屋が火事起こしたで、はひじょーに詮無い)怪我をせんこと.無理をしないこと。

17. 「鞴(ふいご)祭り」は今もやっていらっしゃいますか。また、その日はいつですか。どんなことをしますか。
   やっておりません。ただ、掃除して感謝してることぐらいでしょうか。

18. 鞴祭り以外の、鍛冶に関連する年中行事(仕事始め等)を教えてください。
   1月 打ち初め(3種はつくらないけども)
   6月 金敷大磨き
  12月 金敷大磨きと工房のすす払い。

19. 「秘伝」はありますか。(有・無だけで結構です。)
   秘伝なる物はないが、秘技もどきはあります。
   秘技→板に延べた素材の5枚重ね同時鍛接。

20. 最後の質問です。鍛冶という仕事は、これから先、残っていくでしょうか。
  人類最古の工業。基本であります。鋳造と並んで古い技術でありますが、残るでしょう。
  ほんまの職人さんがおらんなっても、妙技、神業と言われた技術が消えても、形を変えて
  残ると思います。

新たな挑戦2

2007-11-04 21:28:56 | Weblog
 鍛金第2弾。
 当金の3本目を製作。
 積層材造りも久しぶりになりましたが、ハンマーを外して金敷の天板に傷を付けること
2~3回。
 素材を沸かすも燃やしに近い状態で加熱し、鍛接不良も板にするまでの間に出ました。
 どうにかこうにかできたものがこれ。
 画像に映っている銀色のものがそれです。
 しかしながらにして、切り出したもとの形状よりも横に伸びてしまい原型より外れた
形になり、慣れていないためもあって結構難しく感じました。