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春の海 ひねもすのたり のたりかな 小豆島の旅その①

2018-03-29 23:13:11 | 旅行
世界一狭い海峡「土渕海峡」の最狭部分は街中にある

いつものように、JR西日本のトクトク切符や、「おとなび割引切符」のコーナーを眺めていたら、大阪から岡山まで新幹線こだまで2480円という切符があった。岡山まで行って往復5000円を切るのか…と驚き、もし岡山まで行ったら、その先の観光地はどこに行けるのか?といろいろ検索した。すると、新岡山港からフェリーで1時間10分で小豆島に行けることが分かった。小豆島は高松からフェリーで行くものーと、思い込んでいたから、姫路や日生、神戸、そして今回の岡山と、多方面からフェリーが出ていることを知った。いかにも認識不足だった。ただし、それぞれ到着する港が違う。自分は、観光拠点として最適な土庄港へ行きたかったので、新岡山港が最適だった。

う~ん、春の小豆島か。これはいいなと、すぐに旅程を立てた。こうなるとパソコンが威力を発揮する。すぐに大阪から小豆島の土庄港へ向かうスムーズな旅程が出来上がった。新大阪を10時29分に出発し、14時10分には土庄港に到着する。わずか3時間40分の旅である。

土庄港に着く直前、思いもせぬ匂いが充満していて驚いた。これは確か…、油系の匂い、そう思って港の入り口付近を見ると、なんとごま油で有名な「かどや」の工場がでんと鎮座しているのだ。調べてみると、まさしくこの地がかどや発祥で、本社は東京に置いているが、工場はこの土庄港しかないらしい。香ばしいごま油の匂いで腹が減ってきた。こうなれば、地元の美味しい食材で「昼飲み」である。

この港は新岡山、高松、宇野からのフェリー、高速船が出入りして、それなりの街並みである。期待を膨らませて「食堂」を探したが、観光施設のうどん、ソーメン(小豆島は有名)の他はそんな店が見当たらない。こうなれば意地だ、それらしき店を見つけるまで街中を歩こう!と決心し、2キロ近く歩いたが食堂と看板があっても廃業しているところがほとんどで、20度を超す日差しのせいで、足元が少しよろけてきた。「仕様がない。とりあえず宿へ行き、そこでビールでも飲もうか」と、世界一狭い海峡、「土渕海峡(全長約2.5km、最大幅は約400m。 最狭幅は9.93m)」の入り口辺りを歩いていると、ポツンと食堂が一軒。一応、暖簾は出ているが、やっているかどうかは怪しい雰囲気。考えてみれば、ランチタイムをとっくに過ぎているし、人通りは全くない。

ガラリと入り口の戸を開けると、70代くらいのおばちゃんが「いらっしゃい」と応えてくれた。「おお、まだ行けるの?」と聞くと、「うちは6時までですよ」とにっこり。「ガラスケースの中にあるおかず3品とごはん、味噌汁で650円です」と、説明してくれた。思わずケースの中を見ると、煮魚や焼き魚、卵焼きなどがは並べてある。「いや、飯はいらない。とにかくビールを出して」と、急かすと、「はい、はい承知しました」と瓶ビールを抜いてくれた。そして、下駄(舌平目)の煮つけ、きびなごの焼き物、シラスを取り出し、またたくまにビールを開けた。そして、「ビール追加!」と、言うと、「いい飲みっぷりですね」と笑う。

結局その店でビール3本を飲んだ。宿の晩飯が近づいているし、まあこんなものだろう。その間、食堂のおばちゃんに小豆島の歴史から外せぬ観光地、その他の情報をたっぷり仕入れ、明日の観光巡りが待ち遠しくなった。宿はそこから1.5キロくらいの所にある「ホテル鹿島荘」、1泊2食で7000円とリーズナブルな温泉宿。夏には海水浴でにぎわう鹿島ビーチの近くにあり、島の雰囲気を満喫できるらしい。ビールを飲んで元気回復、海沿いの道をのんびり歩いて、宿には5時前に到着した。 春の海 ひねもすのたり のたりかな 小豆島の旅その②に続く。


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