満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

岬めぐりは傷心の旅なのか?

2017-05-27 23:08:49 | 旅行


若い時に、「なんとか南海の孤島で、ロビンソン・クルーソーのように、一人で生活できないか」と、思った頃がある。それほど一人がいいと思っていた。考えてみると、主人公はやがてフライデーと名をつけた現地人に会うわけで、その後は魅力のない物語になってしまった。それを凌駕したのがトム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」という映画だった。

彼の仕事は航空配送業だつたが、クリスマスも迫ったある時、タヒチ島に向かう貨物機が遭難し、気が付いたら小さな孤島に流されていた。その島はサンゴ礁に囲まれた南太平洋の名もなき島で、彼はここで4年間逞しく生きる訳だが(その後は島から脱出し、大型船舶に助けられる)、なんて魅力的な生活なんだと思った。孤独と戦う毎日、言葉を忘れてしまいそうな何もない毎日、太陽と風と星が友達の毎日…ひゃ~なんと素晴らしい!

今考えると思い上がりも甚だしい、自分がそんな強い男であるわけがない!と、苦笑している。だいたいが、一人旅の限界は何日だろうと考えている今日この頃なのである。歳は取りたくないものだ。しかし、めげずに、次も一人旅にしようと思っている。

今年は、いままで行ったことのない地に思いを馳せている。すでに、山口県長門市、宮崎県都城市、小林市、山形県庄内地方は制した。次は、「足摺、宇和海国立公園(高知県)」を目指そうと思っている。全国に国立公園は33か所あるが、おそらくこの地は国立公園の中でもワースト級の認知度ではないかと思う。足摺岬はともかく、宇和海を知る人々はどれほどいるのか?

もともと、足摺岬は国定公園だった。それが宇和海と合体して国立公園に格上げである。透明度抜群の綺麗な海、サンゴ礁の北限と、国立公園に認定した理由はいろいろあれど、実際は「知れている」と思っている(すみません)。しかし、くろしお鉄道に乗ってみたいし、仁淀川(実際の清流日本一)、四万十川も見てみたいし、出掛けるポイントは多数ある。なるほど、調べれば調べるほど魅力的な場所だったのである。

「岬めぐりのバスは走る。窓に広がる青い海よ。悲しみ深く、胸に沈めたら、この旅終えて、街に帰ろう。」

山本コータローとウィークエンド、「岬めぐり」というヒット曲のさびである。40万枚のレコードを売ったヒット曲で、明るい曲調だが、実際は失恋の歌だ。まだまだ傷心の日々を送っている自分には、この曲を思い出さないよう足摺岬を訪れるのは、無理のような気がするが、有名な「清水さば(土佐清水市)」を食べてみたいという気持ちも強い(笑)

このブログで、「足摺、宇和海」が素晴らしかったことを伝えてみたい。早く予定を組まなくては!

おもてなし最高の、湯野浜温泉「龍の湯」に行こう!

2017-05-22 23:34:35 | 旅行

東北ひとり旅。4泊5日の旅だったが、今思うと、非常に充実していた。だから、次はどこへ行こうか?いろいろ検討している。そんな時、嬉しい葉書が届いた。あちこち旅行していれば、お礼状や、新年、お盆、誕生日など、宿からいろいろ気遣ってもらう場合が多い。それは全国を旅する自分の財産で、そんな葉書、封書はしっかり目を通し、あの時はああだった、この時はこうだったと、一粒で二度おいしいグリコじゃないけど、その旅の余韻をまた楽しんでいる。

しかし、今度届いた、「湯野浜温泉・龍の湯」の葉書には感激した。今回の旅で、山形県人の皆様のおもてなしの心には正直、「日本一」と思い、宿のアンケート用紙に、「山形県に来て良かった!と書いたのだが、これは本音だった。その思いがホテルの係の方に伝わり、今回の葉書を頂いたのだと思うが、葉書は普通の葉書で、「ホテル龍の湯」の刻印はなかった。

名前は伏せるが(個人名)、おそらく、従業員の方の手書きではないかと思う。それがホテルの方針、指導だとしても、全然かまわない、素晴らしい葉書を頂いたと、喜んでいる。

帰りの送迎で、宿から高速バス停の「庄内物産館」に行くまでの若い男性スタッフとの会話。

「すみません。きのう、今日と送迎してもらって」、「何をおっしゃいます。これが私の仕事ですから」、「大阪はアジアの旅行者であふれているけど、龍の湯でも外人さんは多いの?」、「いえ、それほどではないですけど、この前、中国の団体さんがいらっしゃいました」、「ほお、彼らも庄内地方まで来ていますか、それで感想は?」、「う~ん」、「う~ん?やっぱりえらい目に合ったんやね」、「いえ、食事の時と、夜中に団体さんが騒いだので、他のお客さんからクレームがつきまして"(-""-)"、「うん、分かるわ。それで、これからどうするの?」

そのスタッフは、むしろ教えてほしいという目をこちらに向けた。「でも、回数的に庄内地方は大丈夫やわ。いちいち気にせんでもええんと違う?」と言うと、「そうですね。その時は他のお客さんに、土下座して謝ります」と、吹っ切れたような顔を見せた。外国の団体さんを無視できるような時世ではないのだ。

「次は6人ぐらいで来るで」と言ってしまった。男に二言はないか。秋ぐらいに龍の湯に行って、「また来たぞ!」と彼の手を握ろう!




人生の「分水嶺」は誰にでもある

2017-05-19 00:40:12 | 旅行
鳴子から陸羽東線のローカル電車に乗った

「分水嶺」を知ったのは、岐阜県の「ひるがの分水嶺公園」だった。大阪から車で飛騨高山市に行くときに、途中で休憩したのだ。その公園の真ん中に、一筋の水の流れがあり(溝と言うべき、30センチぐらいの流れ)、その流れはやがて右と左に別れて行く。なんでもない光景だが、その先は、右の流れが庄川、そして左に流れるのが長良川と知ってびっくりした。どちらも日本では大河である。

日本列島は細長く、真ん中に山脈が走っている。その山の頂点から右に流れれば日本海、左へ流れれば太平洋に注ぐ川と言うことになる(反対から見れば逆になる)。もともと地理は好きで、小学生のころから地図をずっと見ていた。しかし、「分水嶺」には気づかなかった。

大阪に出てきて5年後くらいの時に、ある会社の就職試験を受けた。面接も受かり、「さっそく東京へ行って欲しい」と、内定をもらつた。しかし勤務地が東京…と聞いてなぜか興味が薄れ、指定された新幹線に乗らなかった。東京駅では迎えの方が待っていたそうで、社会人としては大失格だったが、その後も熱心な誘いを受けたものの、東京へは行かなかった。

自分としては、あの時が人生の「分水嶺」だと思っている。そのまま東京へ行けば、まったくちがう人生を送っていただろう。幸せの度合いは分からないし、比較もできない。でも、今の自分としては、それはまちがいない判断だったたと信じている。

なぜ、こんな話になったかと言うと、宮城県の鳴子温泉から陸羽東線の新庄行きのローカル電車に乗ったときに、「堺田・さかいだ」という駅があったのだ。これはひょっとしてと思い、さっそくタブレットで調べてみると、「標高338m、太平洋と日本海にそそぐ川の分水嶺」とあり、駅の横の溝の流れが見事に左右に分かれていた。日本海は最上川系、そして太平洋は北上川系だそうである。

その時に大阪か東京か、迷った時代を思い出したのである。仕事にしても恋愛にしても人生を左右する「分水嶺」はあると思う。それが大河になるか、名もない川で終わるかだが、どちらも間違いではないと思う。所詮は、結果論なのだから。

鶴岡市でおもてなしの心を知る…

2017-05-18 00:29:01 | 旅行
本来なら湯野浜の向こうに「鳥海山」があるはずだった…

14時30分、山形県鶴岡駅の待合室…。30過ぎくらいの男性が入ってくるなり辺りをキョロキョロ。ベンチに座っている自分とも目が合ったが、こちらから視線を外した。自分は14時47分発の湯野浜温泉方面行のバスを待っているところだった。彼はもう一度待合室全体を眺めたが、やがてあきらめの表情で待合室を出て、改札の方へ向かった。

その時、自分の携帯に電話が…。「Мさんでしょうか?」、「はい、そうですが」…この時嫌な予感。また保険会社から勧誘の電話が入ったのかと思ったのである。ところが、「こちら、湯野浜温泉の龍の湯というホテルからなんですが」、「あ、はい。予約確認ですか?」、「いえ、送迎サービスの社員がそちらにお伺いしていると思うのですが…」、「え~?」、「Мさんから送迎サービスをご利用だとメールが入ったので、14時25分に鶴岡駅にお迎えしますという連絡を差し上げたかと思うのですが…」、何!「(゚д゚)!」…。

そうだった。自分的には帰りの送迎サービス(仙台行きの高速バス乗り場)ばかり気になって、迎えの方を失念していた。最初から予定表に、14時47分のローカルバスで湯野浜へと書き込み、ホテルからの迎車をすっかり忘れていたのだ。「申し訳ない。先ほど誰かを探しているお兄さんがいて、何をキョロキョロしているのだろうと、不審に思っていたのですが、まさか自分だったとは…」と言うと、「ウップ!~~~」と、失礼にも相手の女性は電話の奥で笑い転げているのであった(苦笑)。

さっそくお兄さんの所へ行き、「すみません。まったく忘れていて、ローカルバスを待っていました。私がМです」と言うと、「ああ、そうですか。良かった~お会いできて。どうしようかと思っていたんです」、「いや、今回は全部私が悪い。本当に申し訳なかったです」と言うと、「とんでもない。お客様がそんなことを言ってはいけません。ではさっそく車の方へ行きましょう」と、その係の男性は嫌な顔一つせず、しかも湯野浜までの20分あまり、ずっと話し相手になってくれた。

自分一人のために送迎に来てくれたが、今回はひとり旅、和洋室、朝食付きで1万円少しの宿泊費である。「当ホテルはお一人でも送迎します」と、彼は言ってくれたが、なにか申し訳なさで一杯だった。ホテルは2種類の温泉が源泉かけ流し、館内は綺麗で洗練されていて、和洋室も豪華そのものだった。夕食は館内のレストラン(居酒屋風)で自分の好きなものを食べるスタイル。特に「三元豚しゃぶしゃぶ(880円)」が美味で地酒も堪能した。

湯野浜は山形県一の海水浴場で、砂浜から見える「鳥海山」が美しくそれが目的でのチョイスだったが、この日は晴天にもかかわらず、空全体に霞がかかったような感じでその雄姿は拝見できなかった。

しかし、前にも書いたが、商売とは言え、山形県人のおもてなしの素晴らしさはいたく気に入った。「お兄さん、次はグループで来るよ」と言うと、「ぜひお願いします」と、彼はお辞儀をし、高速バス乗り場の部屋の中に入るまで見送ってくれていた。


みちのくから奥の細道へ…

2017-05-16 22:56:49 | 旅行
湯田川温泉、つかさ旅館の「若旦那厳選の山形県日本酒10選飲み比べ」

さて、東北旅行の締めである。本来はこちらがメインだった。何年か前に、北海道旅行した時に、行きの飛行機で、美しい鳥海山の雄姿を見たことがこの旅の始まりだった。日本各地、あちこち旅をしているけれど、始発点の大阪から交通網的に行きにくい場所がある。北海道や、沖縄などは激安航空機などのプランがあり、まったく距離を感じさせない。でも山形、庄内空港などは大阪からは直通便も事欠く状況である。正規で行けば、往復5、6万はくだらない。

だから山形に行く場合は仙台空港がらみになる。関西空港発進のピーチ航空は仙台もテリトリーなのだ(往復12000円!)。そこで思いついたのが鳴子温泉経由である。しかし、温泉的には鳴子温泉メインとなってしまった。東の横綱、鳴子温泉を経由していくと、他の温泉はほとんど銭湯レベルになってしまう。普通、温泉地にはひとつの温泉(泉質)である。しかし、鳴子のように(あるいは別府、登別のように)10種類もの泉質を誇る温泉パラダイスを味わうと、感覚的に物足りなくなるのは必然だ。

鳴子からJR陸羽東線で新庄市を経由して酒田市に入った。あの北前船、豪商イメージの酒田である。しかし、当日は雨に降られ気温も激下がりで、港までたどり着けなかった(タクシーは使わない主義。街中を歩くのがだいご味)、その天気のせいで鳥海山の姿も見えなかった。しかし、鶴岡市の湯田川温泉、湯野浜温泉であと2泊する。この間に天気は回復するだろう、天気予報を見れば明日は降水確率10%であるーと、思った。

次の日は確かに晴れたが、薄曇りで視界が利かず(黄砂のように)、近くの山さえ見えなかった。そして最後の日も、曇天で鳥海山のあの美しい雄姿は拝めなかった。う~ん、美人は一度や二度の口説きではおちないということだろう。宿泊した湯田川温泉・つかさ旅館、湯野浜温泉・龍の湯とも素晴らしい宿だった。鳴子温泉経由で、確かに温泉的には目立たなかったが、宿的にはどちらも口コミ高得点だけあり、連泊したい気持ちになった。特に感じたのは、山形県人のやさしいおもてなしの心である。これは鳴子温泉(宮城県)より数段?上回るのではないか(笑)

つかさ旅館、「10代目若旦那厳選の山形県日本酒10種類飲み比べ」は、本当に素晴らしかった。上の写真で分かるように、結構量的(3合以上)にも奮発している。もうひとつ、若女将が、今まで旅館の若女将の中で一番の別嬪さんだった(楽天の写りがグッド!)。

みちのくから奥の細道へ。そして、最後は高速バスで月山、湯殿山を通り、仙台へ。今回の旅も思い出深い旅になった。