満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

温泉旅行の予定が詰まっている!

2017-03-16 00:24:24 | 旅行


温泉旅行の日程が詰まっている。3月17日から2週間の休みがあるが、20
日から24日までの5日間は後輩(もちろん男…涙)と、別府、宮崎の九州西側
を横断。28から30日の3日間は木曽山中の温泉宿(先輩…やっぱり男)、そ
して4月19日から21日までの3日間は6人会(先輩5人は爺い…阿鼻叫喚!)
の恒例旅行、この前、一人旅で旅の素晴らしさを満喫したけど、当分はひとり
で行けそうもない。いずれの方々も、自分が温泉旅行の魅力を説いたので断る
ことはできないのだ(苦笑)。

以前は、温泉旅行といえば女性と出掛けた。キーワードは「口説き」、「親密」
である。しかし、ここ4、5年は女性と行っていない。その方がお金は使わないし、
純粋に温泉を楽しめる、本当に温泉旅を満喫しているのだ。

2日前になじみの居酒屋に行き、地酒を飲みすぎ、少し酔った。その帰り道にショ
ットバーがあるのだが、ショットバーは昔から苦手意識があり、いつもその前を通過
していた。その日は誰もお客が入っておらず(外からカウンターが見える)、たまには
地元の店に還元を…と思い、少し逡巡したのち、店に入ったのである。

「いらっしゃませ」、「うん、初めて店に入ったわ」、「ああ、そうですか、ありが
とうございます」、「いや、ここから2、3分のところに住んでいるのやけど、たま
には地元の店に入ろうかと…」、「ええ!そうですか、それは、それは、ありがとう
ございます」…。

その店のママらしき人と、初対面の挨拶としばしの会話…。波長が合ったのか、そこか
ら30分ぐらいの話し込んだ。いきなりノンストップである。「おかしい。俺はめちゃ
くちゃしゃべっている。本来は無口な男やのに」、「私も変、初めてのお客さんにこれ
だけしゃべるのも珍しいです」と、お互い自己弁護。しかも、話の内容で、二人は同じ
年であることが判明!

「趣味は何ですか?」、「うーん、今は温泉旅とミステリ小説かな」、「え~、温泉!温
泉は大好きです」、「うん、ただ温泉に行くというわけでもなく、その地方のビューポイ
ントと、グルメを堪能して、その結果泊まるのが温泉という感覚や。ビジネスホテルに泊
まるより、数段ええやろ」、「ああ、そうなんですか?温泉行きたいな。今度連れて行っ
てください」、「ええ?マジで言ってんのか。今さっき会ったばかりやのに、会話のスピ
ードが速すぎへんか?」、「え~そうかな、でも温泉行きたいな。温泉行きたい!」

まさか、おれはカモネギ?この男はお金になるとママが判断していきなり甘言を…。でも
、俺はそんなヤワな玉じゃないぜ(笑)、まあしかし、前記したように、当分温泉旅行の予
定は詰まっているし、しばらくは俺の身も安泰だろう?










カーペンターズの「トップオブ・ザ・ワールド」

2017-03-11 23:02:37 | 人間
 

最近はめったに聞かないラジオを、友人宅で何となく聞いていたら、視聴者から、カーペン
ターズの「トップオブ・ザ・ワールド」がリクエストされた。トップオブ・ザ・ワールド…な
んて懐かしい曲なんだと、しばし瞑想した。俺は、山口県から家出同然で大阪に出てきて、
ボーリング場で働いたのだが、そこで友人ができた。その友人は、千葉県の銚子市から全国
を放浪したのち、大阪に来て、あまり審査の厳しくないボーリング場に就職した。まったく、
自分と同じ過程である。

ほぼ同じ時期に入社したので、会社の寮で同じ部屋になった。彼は無口な男だったが、それ
でもいろいろ話をした。彼との共通項は音楽だった。彼はロックが好きで、毎日黒人のロック
を聴いていた。特にチャック・ベリーが好きだった。チャック・ベリーはビートルズや、ロ
ーリングストーンズに影響を与えた名シンガーである。

そんな時、俺は一枚のレコードを買った。それが「トップオブ・ザ・ワールド」である。彼は
軽蔑した目で俺を見た。「カーペンターズ?」と…。「俺は、心にビビッときた歌がええ曲だ
と思っている。ジャンルは問わん、ええもんはええんや!」と、言った。いろいろな力関係は
断然俺のほうが上で、彼はそれ以上は何も言わなかった。

「トップオブ・ザ・ワールド」はたいしてヒットしなかった。でも俺は毎日その曲を聴き、ハ
ミィングしていた。確かにカーペンターズの中では特別ヒットした曲ではなかったけど、俺に
とっては、カーペンターズの魅力が一番出ている曲と信じて疑わなかった。と言うより、自分
の耳に一番合っていたのだ。

それから一年後、彼は肺結核で銚子に帰った。毎日夜中に咳をしていたので医者に連れていくと
、レントゲン検査でそれが判明した。彼はやむなく帰郷し、地元のサナトリウム(長期療養の施
設)に入った。そして、一年後に見舞いに行くと、彼は外出許可をもらい、実家に案内してくれ
た。実家は決して裕福ではなく、彼と両親、弟、妹含めて7人で晩飯を食べたが、誰もモノを言
わず、ひたすら飯を食った。それがおかしくて笑ったら、皆からヒンシュクの目で見られた(笑)。

一年後に彼は亡くなった。その三か月前に彼から手紙をもらったのだが、「カーペンターズはいいな。
特に、君が好きだったトップオブ・ザ・ワールドはいいいよ」と書いていた。ちょうどその時期に、何
かのコマーシャルでこの曲が使われ、リバイバルで大ヒットしていた。音楽、小説、絵画などの芸術は、
その時代に合うかどうかでずいぶん価値が変わってくる。

彼のことは忘れていたが、また思い出した。部屋の天井を見て、「おお、久しぶり!」と、声を掛けた。

山口県長門地方をひとり旅…その②

2017-03-10 17:21:13 | 人間

の中のあちこちに、こんなプレートがある。仙崎は金子みすず一色だった

小月駅(山陽線)から一ノ俣温泉の送迎バスに乗った時に、周囲の景色をつぶさに見ていたが
、特に目立っていたのは「ゲンジボタルの里」
という看板である。昔から、「豊田ホタル(豊田町)」として知られており、木屋川水域の河川は
6月になるとあちこちでゲンジボタルが乱舞するという。その季節になると、ホタル舟なる観光船
も出るというから、これは本物の産地である。これは知らなかった。機会があればぜひホタルの乱
舞を見てみたいものだ。

さて、一ノ俣温泉から無事ローカルバスに乗り(その時点で乗客は自分ひとり)、山陰線の「滝部駅」
に無事到着した。今や田舎では当たり前の無人駅である。ここで仙崎行きに乗り、しばらくローカル
線の海と里山の景色を楽しんだ。そして終点の仙崎(長門市)でおりる。ここは絶対行きたい場所だっ
た。仙崎と言えば昔はかまぼこに代表される海の幸が有名だったが、今では早世した詩人、「金子み
すず」である。金子みすずの詩は、テレビのコマーシャルなどで知ったが、なんて幼稚な、子供向け
の詩なんだろ
うと思っていた。

ところが、町中のあちこちにあるプレートの詩を読んだら、その良さ、奥深さがすごく伝わってきた。
仙崎の町はごく普通の漁師町だったが、その中をリュックを担いで歩いていると、妙にしんみりした心
境になった。そして、金子みすずの詩が心に食い込んできた。街中では、どの路地に入っても、どの
角を曲がっても金子みすずに会える。

これはいいところに来たなあと、一人旅の楽しさを改めて満喫した気分になった。街角の食堂で食べ
た、「泳ぎいか定食」が思いのほかうまかったせいもある( 笑)これで気分も乗ってきて、そこから
5~6キロの長門市駅まで歩くことにした。名勝として知られる青梅島を眺めながら、海風を大きく吸
い込んでひたすら歩いた。これも一人旅しかできない貴重な経験である。

長門市駅から向かったのは2日目の宿、長門湯本温泉。安倍総理大臣がロシアのプーチン大統領を招待
した温泉地である。さすがにその高級宿、「大谷山荘」に泊まる予算はなかったが、お金があったとし
ても一人旅で気を遣いたくない。「原田旅館」という宿に泊まり、気楽に温泉を満喫した。

この日のお客は他にカップルが一組だけで、ふろ場はいつも貸し切り状態。源泉かけ流しの名湯を心行
くまで楽しんだ。泉質はアルカリ性単純泉で、前日の一ノ俣温泉ほどではなかったが、ぬめりのある美人
の湯だった。体にやさしいまろやかなお湯で、なんと言っても源泉掛け流しが値打ちだった。

最終日は長門湯本駅から以前から乗りたかった「美祢線」で山陽側の「厚狭駅」まで行った。ここで少し
時間があったので昭和の雰囲気が残る駅前をぶらぶらし、酒屋で地酒を買った。そして新幹線こだまに乗
り、広島でのぞみに乗り換え、大阪まで帰った。

いや、一人旅は本当にいい。食事時間が味気ないという点はあるが、他は自由奔放、歩き、飲み、食べ、
真の旅を堪能できる。気持ちは早くも次の一人旅を計画していた。新潟の村上市から山形の酒田、鶴岡市
あたりを訪ねてみたい。これは長い間の念願である。

山口県長門地方をひとり旅…その①

2017-03-06 13:01:26 | 旅行


何年かぶりに墓参りに行き、山口県育ちながらまだ訪れていないところ、長門地方を旅して
きた。JR西日本、「おとなびパス」というお得なキップ(西は博多、東は北陸から新潟県上
越市まで3日間移動自由18000円)を使ってである。まずは故郷の周南市徳山駅まで新幹
線のぞみで行き、そこからローカルに乗り換え次の新南陽で降りた。この街で18年間過ごし
たのだから、駅に降り立つと、いつも感慨深いものがある。

駅前のスーパーで墓参り用の倶花を買い、歩くこと15分、あるお寺の境内にある先祖代々の
お墓についた。祖母が好きだった東海漬物の「きゅうりのきゅーちゃん」も忘れず墓に備え、
しばし瞑想…。それから少し遠回りしてなつかしい街並みを歩き、「遠くへ行きたい」のメロ
ディを口ずさみながら駅まで戻った。感じたのは、町の規模の小ささ、人通りの少なさだが、
昔からの友人の家の表札を見たら、以前のままで内心ほっとした。

今度は下関行きの2両編成のローカル電車に乗る。意外と車内は込み合っており、なんとか座
席は確保したが、ここからのんびり、「小月」という駅まで、一時間三十分ほど電車に揺られた。
「小月」到着が15時52分、そして駅前で16時出発の「一ノ俣グランドホテル」の送迎車に乗る。
一ノ俣温泉の名は全国区ではないが、知る人ぞ知る美人の湯で、なんとpHは10.0もある。

小月駅から30分と少しでホテルに着いたが、広い駐車場は満車状態で、「ええ~!」と声が出た
が、地元ではつるつる、ぬるぬるの温泉が有名で、北九州からのお客も多いという。この日は日曜
日、半分以上は日帰り温泉客だと思うが、それにしてもこの人気ぶりにはびっくりした。

フロントでチェックインを済ませ、さっそく温泉に入ったが、なるほどお湯に入った瞬間に化粧液
に包まれた感じになった。体にとろとろの膜が出来た感じで、大阪の高槻市にある、「美人湯 祥風苑」
に匹敵する。ここでたっぷり30分ぐらいお湯に浸かり、部屋に帰って冷たいビールをきゅっーとやった。
この旨さ、爽快さはとても表現できないが、「あ~、ここまで来た甲斐があった!」と思ったのはま
ちがいない。

この後、しばし休憩して夕食の膳となったが、レストランでの食事だった。中居さんが、「あら一人
旅ですか、寂しいですね」と言ったが、「そんなことはない。いつも5,6人で旅しているから、気楽
で満足していますよ」と答えた。これは本音である。みんなでワイワイもいいが、一人旅の方が本当
に旅をしている感覚になる。


明日はローカルバスで山陰本線の無人駅まで行き、そこから長門市を目指す。バスの本数が少なく、
ホテル前が11時ころだが、どうやって暇をつぶそうかと思っているとフロントの人が、「ここから坂を
下りたところに姉妹館があるので、そこで温泉に入って暇をつぶしてください」と、入浴券をくれたので、
「ありがとう」と言い、持参していた伊勢の名物「赤福餅」の8個入りをプレゼントした。

「え~、あの有名な赤福じゃないですか!本当にいただいてもよろしいのですか?」と、目を輝かせて
いた。一人旅で親切にしてもらった方にと、いつも2箱ぐらい持っていくのだが、これは本当に誰でも
大喜びする。あと、大阪と言えば「551の豚まん」だが、こちらも喜んでくれるのだが、においがきつく、
電車内で周囲に気を遣うのがマイナス点である。