ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

リョコウバトと歴史修正主義

2009-05-27 23:57:17 | Weblog
朝日新聞の天声人語欄に、ちょっぴりリョコウバトの話が出てきたせいもあり、先日私はちょっとネットでリョコウバトについて調べてみました。

ご存知のとおり、リョコウバトは、かつては北米に一説では50億羽(つまり当時の人間の総人口よりよっぽどたくさんいたわけです)いたというハトです。そして、人間の滅茶苦茶な乱獲で1914年に絶滅してしまいました。

インターネットでいろいろ調べていて、wikipediaやこちらのブログの記事を読んで、あらためて19世紀におけるリョコウバトの乱獲のすさまじさに驚いたしだいです。

で、このブログ記事で知った英語版wikipediaでの、リョコウバトの絶滅理由の記述がまたすごい。

次のようになっています(訳は、引用先のブログより)。
>「リョコウバトの絶滅にはいくつかの要因が挙げられます。以前は (商業的な) 乱獲が主原因と考えられていましたが、現在では生息地の喪失が有力視されています」

原文はこちらです。

>The extinction of the passenger pigeon has multiple causes. Previously, the primary cause was held to be the commercial exploitation of pigeon meat on a massive scale.[3] Current examination focuses on the pigeon's loss of habitat.


正気かよという記述です。

日本で「リョコウバトの絶滅の原因は、乱獲よりも生息地の喪失である」

なんて主張をしたら、「馬鹿か」と相手にされないでしょうが、アメリカでは通用するんですかね。

さすがに多少知識があって物事を論理的に考えられる人たちだったら、こんな話を鵜呑み(リョコウバト呑み?)はしないでしょうが、それにしてもひどいよね。そもそも、生息地がなくなったのだって、それは人間の責任じゃんねえ。

私はこの話を知りまして、あまりの内容に「まさか」と思ったのです。しかしwikipediaを調べてみたらほんとにそのような記述になっていて、かなり驚きました。

常識的に考えて、このような記述を本気で支持しちゃっている人たちがそんなにたくさんいるとは考えにくいのですが、でもwikipediaで堂々と書かれているのですから、信じちゃっている人もたくさんいるんでしょうね。

要するに、この記事を書いた人(と、この記述を支持しちゃっている人)は、リョコウバトの絶滅に人間(ていいますか、もしかしたらこの人たちのご先祖様)がかかわっていることを認めたくないんですよね。

でも、いかに人間がリョコウバトを滅茶苦茶に殺戮したかなんて話は、とくに詳しい人でなくてもかなり有名ですよねえ。そんな程度のことすら、彼(女)らは否定したいのでしょうか。

これも広義の歴史修正主義かもしれませんね。

私はもちろんアメリカ人(でしょう、この記事を書いた人はおそらく)は歴史修正主義の思考とは無縁であるなんて考えたことはありませんが、これはかなりすごいですね。同じような思考様式の人たちは世界中にいるということです。

いまだに中国その他での日本軍の蛮行を認めたがらない日本人もいますしね。
コメント
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