ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

国立映画アーカイブで、大島渚監督の回顧上映がある(今日から)

2023-04-11 00:00:00 | 映画

ちょうどbogus-simotukareさんから昨日、下の記事

3月まで、『戦場のメリークリスマス』の、最後の大規模上映があるので、興味のある方はぜひ劇場へ

にコメントをいただきましたように(ありがとうございます)、国立映画アーカイブで、大島渚監督の映画の回顧上映があります。本日からで、プログラムのPDF版はこちら。サイトはこちらです。

没後10年 映画監督 大島渚

大島監督が亡くなったのが2013年1月15日でした。10年以上寝たきりの状態でして、介護の様子がテレビのドキュメンタリー番組で紹介されるという残念な状態でしたが、ともかく戦後映画史を語るうえで、きわめて重要な、そして映画監督以外の部分でもかなりの知名度を誇る人物でした。では、サイトから概要を引用します。

概要

 絶えず映画の自由を追い求め、作品ごとに主題やスタイルを刷新しながら、時に社会の暗部をえぐる反逆者として、また時に映画の常識を破る冒険者として屹立する巨人、映画監督大島渚(1932-2013)を失ってから早くも10年の歳月が経ちました。
 若き日に松竹撮影所で生み出された鮮烈な『青春残酷物語』(1960)や『日本の夜と霧』(1960)、自ら興したプロダクション「創造社」を基盤に次々と送り出された『絞死刑』(1968)、『少年』(1969)、『儀式』(1971)といった問題作、そして世界をセンセーションに巻き込んだ国際的合作『愛のコリーダ』(1976)や『戦場のメリークリスマス』(1983)――大島の作品群は日本の映画界ばかりか、日本社会そのものに大きな刺激を与え続けました。
 本特集は、大島の没後10年という節目の年に、長篇デビュー以前に大島が手がけた新人スター紹介用の短篇『明日の太陽』、脚本を担当した『月見草』や『どんと行こうぜ』(いずれも1959)、新規収蔵したテレビ映画『アジアの曙』全13話(1964-65)を含む計45作品(34プログラム)を上映する大規模な回顧特集です。大島が自ら体系的に遺した膨大な作品資料や個人資料をもとに構成される展覧会と連動して、その挑戦的な知性と行動の多面体に迫ります。

今回の上映は、大島監督の、単発テレビドラマ(たぶんすでに映像が残っていないので鑑賞不可)と主にテレビ番組として製作されたドキュメンタリー以外は、彼の監督作品はほぼ上映されるようですね。珍品宣伝映画の『私のベレット』や『小さな冒険旅行』などの上映もあります。私が今回注目したいのが、上の「概要」にもある『アジアの曙』ですね。これは、大島監督の最初で最後の連続テレビドラマです。しかし視聴率・評価ともに芳しくなく、Wikipediaから引用すれば、

>初回の試聴率が振るわなかったうえ、批評も芳しくなく、3人の脚本家での分担体制から生じる齟齬もあり、商売と割り切って撮り上げることの出来る作家でもないため、モチベーションが低下してしまい、辛い仕事であったと大島は述べている。そのため、以後は絶対に連続テレビドラマはやらないと決めたという。

という状況になってしまったわけです。大島映画には、大島監督自身もふくむ単独脚本、相方と組むデュアル脚本(って言葉はないのかも)、集団でやる脚本といろいろなパターンがありますが、やはり連続テレビドラマでは、佐々木守田村孟のコンビと、佐々木と石堂淑郎のコンビで作り上げるという分担体制はうまくいかなかったのでしょう。その体制で作るのなら、相当以前に完全に脚本を練り上げていかないと、視聴者が魅力を感じることはできなかったのではないか。

そういうわけで、鑑賞の機会もなかなかなく、ソフト化はされず、これもWikipediaから引用しますと

1983年三百人劇場(東京)で初めて全13話が一挙上映され、その後、2012年7月と11月にアテネ・フランセ文化センター(東京)、シネ・ヌーヴォ(大阪)で一挙上映が行われたほか、2000年1月にチャンネルNECOで放送された。

というわけで、限られた機会しか鑑賞できなかったわけです。三百人劇場での鑑賞は年齢的に無理ですが、アテネ・フランセやチャンネルNECOでの鑑賞はできたので、それは私も惜しかったな。

が、ともかく、今回は鑑賞できるので、読者の皆様も興味のある方はぜひご覧になってください。面白そうです。なお同時に企画展も開催されますので、これもぜひどうぞ。

 

 

 


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