評価4
再読(前回2021年2月27日)。
ある事情を持った主婦が日常生活を抜け出して旅をして、そこにある風景、接した人々に心の傷を癒されていく様を綴った12編の旅行小説。景勝地を紹介しつつ、主人公の心が少しずつ解きほぐれて行く姿を追う著者の温かい視線が心地良い。ヒッチハイクで旅をする青年が主人公の息子の名前を叫ぶことで車に乗せてもらったお礼をする「青年のお礼」が凄くいい!何度読んでも涙が出て来る!
①姑の写真(秋田・男鹿)~長楽寺、五社堂
②一粒の真珠(熊本・天草)
③微笑む女(北海道・斜里町)~峰浜
④最後の嘘(大阪・富田林)~寺内町
⑤青年のお礼(新潟・佐渡)~賽の河原
⑥母の家出(山梨・上九一色村)~夜中の富士山
⑦湯飲み茶碗(岡山・備前)
⑧姉と妹(福島・三春)
⑨Eメール(山口・柳井)~金魚提灯
⑩越前海岸(福井・越前岬)
⑪泣き虫(三重・熊野)~七里御浜、さんま寿司、めはり寿司、熊野古道
⑫春の香り(高知・高知市)