
評価4
再読(前回2018年1月27日)。
東京第一銀行長原支店で現金有高が100万円足りない事件が起こった。
女子行員の北川愛理に嫌疑がかかるが上司の西木は愛理の犯行を真っ向否定し、秘密裏に犯人探しに突き進む。ここから話は一気に「金融クライムノベル」化してハラハラドキドキの展開に!メインストーリーは「まさにここ!」だと思うのだが、事件の中心人物を取り巻く関係者の生き様や家族との関係、銀行内での出世競争の実体が赤裸々に活写されていて重厚な物語に仕上がっている。各話で主人公が替わってそれぞれの人物像が掘り下げられているのも良い。義憤の作家・池井戸潤ならではの傑作。
①歯車じゃない
②傷心家族
③みにくいアヒルの子
④シーソーゲーム
⑤人体模型
⑥キンセラの季節
⑦銀行レース
⑧下町蜃気楼
⑨ヒーローの食卓
⑩晴子の夏
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます