TBSの「ひるおび!」のコメンテーター、八代弁護士の発言が問題視されている。
国際弁護士なんだそうだ。ずいぶん頭が良さそうだ。法に関する知識はご立派であろう。しかしだ。「マザコンで幼稚」との評価はドクサでしかない。思い込みでしかない。
精神分析や心理学的な理解からの言説ではない。そういう専門知がないことが、容易にわかる。報道から一般的傾向を推し量ることができたとしても、推し量るという意味で、あくまで仮説的だ。
だから心理学者や精神分析家であれば、彼の言説を徹底的に分析するという複雑な作業があって、はじめて鑑定できる。精神分析なら、当然当該人物と面談を重ねて、どうにか見出すわけである。
ということから、八代弁護士はこのような知に関しては、一般的な人々と何も変わらない。オルテガでいうと、まさに大衆とは彼である。オルテガのいう大衆は知識人も含む。つまり専門家と言われる社会的には「頭のいい人」を含む。そして、自身は頭がいいと自惚れているわけである。
テレビの司会者やコメンテーターは、そういう人ばかり。そして、それに同調する視聴者。
さて、弁護士の郷原さんがやっているYoutubeに旧統一教会の実態に詳しい鈴木エイトさん(やや日刊カルト新聞)が出演していた。そこで気になることを。
山上容疑者は2世信者であるため、社会の中では2世信者の不幸が注目を浴びている。
ところが、当の山上容疑者から2世信者を問題とするような視角がないようなのである。というのは、山上容疑者は他の2世信者を馬鹿にするようなところがあり、「親を殺せば、認めてやる」との趣旨のTwitterをしていたという。
とすれば、彼の真の動機がなんなのか、なんだかわからなくなって来る。先の八代弁護士の件に重ねてみると、八代氏のように簡単に評価できないという事実が浮かび上がる。
そもそも人の心理など、そう簡単に理解できるわけではない。例えば山上容疑者が2世信者の不幸を軽視しているとしても、その不幸を無意識に押し込めているだけで、やはり真の動機はこの不幸にあるなどと想像することもできるのだ。そもそも、こういう人物を理解できないことから、人間の理解を超える存在に名前を与えたりしてきたのではないか。例えば、鬼とか悪魔とか。
人間が抱える非合理を、人間の合理的精神(意識、学問)で理解できるわけがないという事実に突き当たってしまう。