鈴木健氏の『なめらかな社会とその敵』を読了しました。提起された「なめらかな社会」は我々が目指す「強くてしなやかな共生社会」にも重なり合います。
民主党の綱領を改定し終え、ソーシャルメディアに参入した直後に本書を手にしたのは、偶然にしては出来すぎです。本書に大きな可能性を感じましたので、読後の感想を皆さんに共有します。
ソーシャルメディアの登場で人的なネットワークは格段に広がりました。ただ、本書が目的としている「複雑な世界を複雑なまま生きる」のは簡単ではありません。
字数制限のあるツイッターには、ものごとを単純化し、犯人を捜して攻撃を加え、対立を煽る面があります。今、私自身も試行錯誤をしていますが、ソーシャルメディアを「なめらかな社会」のインフラにするには、まだ課題があるように思います。
特に興味深かったのは、投票権を分割して他者に委任できる分人民主主義で、重みの異なる代議士が議題ごとに誕生するという提案です。政治の現場にいる人間として、一つ心配になったのは、利害関係者が投票権を集めると、財政規律や法的整合性が維持できなくなるのではないかということです。職業政治家がいなくなる「なめらかな社会」で、行政をどのようにコントロールするかも、議論する必要があると思います。
社会は大きく変わりつつあります。政治はそれを視野に入れて動かねばなりません。以前からご指導頂いている松岡正剛さん。このところ、大澤真幸さん、東浩紀さん、鈴木健さんとご縁ができました。そうした交流の中で、自分自身を鍛え直したいと思っています。
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