細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

臨時国会開会

2012-10-29 22:44:48 | 国会活動

臨時国会が始まりました。特例公債法、社会保障改革国民会議、公選法改正など、重要な課題が山積しています。何としても、懸案を解決できる国会にしなければなりません。野田総理も、所信表明演説の中で、国会を機能させることを呼びかけました。参議院で所信を聞く本会議さえ開かれなかったのは、本当に残念です。

総理は所信の中で、東日本大震災への対応に最初に言及し、経済、エネルギーなどで、やるべき課題を明確に提示しました。特に、エネルギーの問題で、原発に依存しない社会への道筋を提示したのは、民主党らしくて良かったと思います。

結びでは、「分厚い中間層」、「中庸」など、野田総理らしい言葉が並びました。明後日から代表質問。民主党からは仙谷副代表が立ちます。きっと、民主党の立ち位置を示してくれるはずです。右傾化が目立つ政界にあって、中道政党、すなわちセンターを行く、民主党の役割は確実に大きくなっています。


民主党と自民党

2012-10-21 22:34:07 | 国会活動

土曜は朝一番に福島に入り、その後、地元・御殿場。日曜は終日、鹿児島の補選に入りました。どこに行っても、民主党に対する厳しい声と同時に、しっかり頑張れという叱咤激励を頂きます。充実した週末でした。と同時に、いろいろ考えさせられました。

先週の党首会談を受けて、明日から特例公債法と社会保障改革国民会議を自公の政調会長に呼びかけねばなりません。来週の日曜には補選の結果が出ますし、その後、国会が始まり、11月に入るとマニフェストの作業も本格化します。まさに、疾風怒濤の日々の幕開けです。

目の前の政局に目を凝らしながら、民主党の果たすべき役割を考える日々が続きます。

自民党は解散に向けてまっしぐらです。すでに、武部勤元幹事長、大野功統元防衛庁長官は世襲が決定。福田康夫元首相、中川秀直元幹事長、田野瀬良太郎元総務会長も、ご子息が有力だそうです。自民党の五役は全員世襲ですので、それを否定する術はありません。

私は二世が議員になること自体は否定するつもりはありませんが、これでは、議員が特権階級、貴族階級になってしまいます。

最近、自民党と民主党の違いが分からないと言われ、愕然とすることがあります。自民党と違い、民主党の人材は多様です。民主党がこれまで共有してきた理念と言えば、行革・無駄遣いをなくす、地域主権、チルドレンファースト、共助、新しい公共などなど。次なる戦いに向けて、それらを形にする作業に入らねばなりません。


民主党らしさ

2012-10-13 20:23:14 | 国会活動

東京都内のNPOを視察してきました。

最初に訪れたのは、新宿区にある東京おもちゃ美術館。日本グッド・トイ委員会が運営しています。玄関には美術館の看板が掲げてあり、その周辺には寄付者の名前が刻まれた木のブロックが敷き詰められていました。指摘されてはじめて気が付くくらいの控えめさが、寄付者に対する敬意の表し方として、好感が持てました。美術館の運営は、もう一つの寄付、すなわち、おもちゃ学芸員の皆さんの「時間の寄付」によって支えられています。親子連れで大賑わいだった今日は、おもちゃ学芸員の皆さんが生き生きと対応しておられました。

昭和初期に建てられ廃校となった小学校の校舎は、おもちゃ美術館に実にマッチしていました。小学校は地域の中心につくられましたので、今でも地域の人たちが集まりやすいところにあります。おもちゃ美術館以外にも、体育館では一輪車教室、グラウンドでは陸上教室など、地域の方々に利用されていました。地域の人たちの寄付で建てられた建物は、今でも愛されています。

町衆によって建てられた京都の番組学校の跡地を利用した国際マンガミュージアムを訪れたのは、ちょうど三年前。東京のど真ん中でも、古くからある共同体が息づいていることを実感しました。

NPOの活動を見に行ったのですが、純粋に楽しんで帰ってきました。実際に遊べる木のおもちゃは、ゲームウォッチもファミコンも買ってもらえず、テレビさえも捨てられ(涙)、父親から手作りおもちゃを与えられて育った私には、懐かしく感じられました。親子が、木の遊具で戯れる姿には、心が癒されました。

 

もう一つの視察先は、海外で活躍するNGOの草分け、JVC。昨年からは、南相馬市や気仙沼市などの被災地でも大活躍してくれています。活動資金の半分以上を寄付で、その他の大部分を民間の助成で活動しているのは、実績のある団体ならではです。NPO法の課題、福島の復興支援のことで意見交換をしていたら、あっという間に一時間が経ちました。福島の問題、改めて、しっかりやらねばと決意を新たにしました。

日本の多くの若者が、JVCを通じて国内外で活躍しています。最近の若者は、内向きだと言われますが、ここに集まっている人たちは、元気です。学生時代、フィリピンのミンダナオ島にスタディツアーに行ったこと、阪神淡路大震災のボランティアで神戸に滞在した経験が、私が政治への道に入るきっかけになりました。若いときは、座学より体験です(若干の主観的な言い訳が入っています)。多くの日本の若者が雄飛するのを応援したいと思います。

気になったのは、彼らを通じて日本政府が出しているNGO連携無償資金が滞っているという事実です。特例公債法が通らないので、歳出を制限していることが原因です。約束した資金が出せなければ、日本の信頼にも傷がつきますし、それ以上に、緊急案件が遅れれば途上国の人々の生命にかかわります。政局の犠牲にしてはならないものがあるはずです。

 

今回の視察で私が確認したかったのは、「新しい公共」の考え方に基づいて導入された寄付税制の成果です。両団体とも、以前から寄付優遇措置の認定を受けているのですが、税制優遇措置が大幅に拡大した4月以降、個人寄付が飛躍的に拡大したということはないそうです。

新しい公共は、民主党政権の最大の成果の一つです。これまで、政府の中でも取り組んできましたが、党の側でも、もっと力を入れて、新しい公共の重要性を国民に訴える必要がありそうです。


環境大臣退任 

2012-10-02 23:13:05 | 国会活動

引継ぎが終わりました。就任してから一年三か月、原子力規制委員会を発足させ、がれき処理に目処をつけることはできましたが、福島で課題を残しました。正直、心残りはあります。

人格、識見ともに私よりもはるかに優れた長浜大臣です。立派にやって下さると確信しています。ただ一つ、どうしても引き継ぎたかったのは、福島に対する思いでした。長浜大臣はしっかりと受け止めて下さいました。福島の課題にしっかりと取り組む体制を民主党の政調でもつくらねばなりません。

 

環境省での退任あいさつは、感慨深いものがありました。私が、職員の皆さんに伝えたのは、おおよそ以下の内容です。

「国難に直面する中で、職員の皆さんに、厳しい要求を続けてきた私をよく支えてくれた」

「環境省は、優しいだけではなく、強くなった。役割が大きくなっただけに、国民からの批判にも晒されることになるが、それは、期待の裏返しであると考えて、がんばってもらいたい」

「10年、20年以上かかるであろう福島の課題に、省をあげて取り組んでもらいたい。今後も、政調会長としてはもちろん、議員として、全身全霊で取り組んでいくことを約束する」

「環境省との縁は深いものになった。これからも、環境省の応援団であり続けたい」

少々内向きですが、職員の皆さんに向けて、言い足りなかったことを書きます。

がれき処理に私と共に格闘してくれた廃棄物リサイクル部の皆さん。本当に、お疲れ様でした。あとは、福島のガレキです。

除染、中間貯蔵に取り組み、福島に寄り添ってくれた水大気局の皆さん。中間貯蔵施設を何とぞお願いします。

温暖化問題に取り組みながら、地熱発電を推進してくれた地球局の皆さん。最後に、浮体式洋上風力を見に行けて良かった。

自然局の皆さんには、自然公園の中での地熱開発を決断していただきました。3か月をかけて、自然公園内での地熱開発のあり方を議論しました。私は、何とか、やりたかった。決断してくれたレンジャーの皆さんに感謝です。あそこで、官僚の皆さんと対立するのではなく、議論を尽くして結論を出すことができて良かった。国立公園、そして、それを体をはって守ってきたレンジャーの存在は、わが国の宝です。

保健部の皆さんには、水俣病に取り組んでいただきました。特措法の申請期限は設けましたが、水俣病は終わっていません。胎児性患者、認定患者の皆さんのために、これからも取り組んでもらいたいと思います。そして、何と言っても、福島の方々の健康管理が今後の最大の課題です。体制はつくりました。しっかり支えますから、がんばってもらいたい。

総合政策局に関連しては、温暖化対策税の導入に、ついにこぎ着けましたね。地熱や風力、火力のアセス迅速化では、大局的な判断をしてくれました。

そして、何と言っても、すべてに前向きに取り組んでくれた南川事務次官に感謝します。南川次官の明るさがなければ、我々は、ここまでは来れなかったと思います。未熟な私を支えて下さり、ありがとうございました。

 

内閣府で原発政策に取り組んだ皆さんとは、発災以来、一年七か月、時に寝食を忘れて、懸命に取り組みました。国民の目は依然として厳しいものがありますが、新しくできた原子力規制員会、原子力防災で厳しさを示すことで、信頼を取り戻さねばなりません。

福島のこと、今後ともよろしくお願いいたします。

 

休んでいる暇はありません。政調会長として本格的なスタートを切ります。受けた以上は、やるしかありません!