しんちゃん

ここ何年か、気に入って通ってるお店がある
その店のオーナーの名前、ひょんなことから聞いて「しんちゃん」というのがわかった
しんちゃんの好みで、このお店で下働きしてるのは、何故か女性ばかりだった
ところがある日、一人の男の子が・・・
ジャニーズ系とは言えないが、少なくとも関ジャニ∞くらいの男の子かな？
こんな仕事、続くのかなぁっと思ってみてた。
最初の頃は、彼のお母さんなんかも、お店に来て、様子を見てたみたいだけど
ある日、彼はいなくなった
やっぱり

若い子にはキツイ商売だよなぁ

そう思って、数か月

彼が、ふたたび、

カウンターに立っていた

なんか、ほっとした気分

それから、数年

その男の子の名前も「しんちゃん」だと

なんとなく小耳にはさむようになった

今夜、その店に

数か月ぶりでお寿司を食べに行った

しんちゃんが、少し、大人になったような気がした

店の女の子たちに

指示を出している

「いくつになったの？」

聞いてみた

「17です」

私は、この子に頑張って欲しいなと思った

それで、握手

握手の中には

千円札を一枚

タクシー代程度だけど

それは、私が

君のことを見てるよって

そんな思いが籠っているのよね

これを

彼が感じてくれればいいなと思う

彼の月給からすれば

微々たる金額かもしれないけど