懐かしい話をいろいろして、奥さんが「ランチを一緒にどう?」と言ってくれた。予約を入れてくれた店は、すぐ近くで、一度来たことがあるカフェ?だった。
彼らとではなく、ポルトドヴァンヴのそばに住むエリックの奥さんのイザベルとビュットショーモンでピクニックをした後、コーヒーを飲みに来たのだった。
ミッシェル夫妻のお気に入りの店だと知って、嬉しかった。
この店は、クスクスが美味しいという。私はクスクスが苦手なので、ホタテにしたが、これもとても美味だった。
ミッシェルさんとクリストフは、クスクスを注文。奥さんは別のものを注文。
奥さんのはおいしそうだなと思ってみていたら「食べる?」と少し頂いた。一番おいしかったように思う。そういえばこの奥さんのセレクトは、いつもはずれがない。
デザートもということで、お店の人に尋ねると、今日は洋ナシのタルトと桃のタルト、チョコレートタルトだった。チョコレート好きなミッシェルさんは迷わずタルトオショコラ。
私がフルーツタルトで迷っていたら、奥さんが「今は桃の季節じゃないから、洋ナシのほうがいいわね」といった。
これも外れなかった。とても美味しかった。
ごちそうしてくれようとしたのだが、今までの感謝には足りないくらいだが、ここは私がごちそうさせていただく以外にはない。
「コーヒーはうちで飲もう」ということで、また家に戻った。
クリスマスということで、大量のチョコレートが入った箱がある。まずそれにびっくり。
「どうぞ」と薦められ、私も好きなのでいくつかいただくことにした。クリスマスはチョコレートが不可欠なんだそうだ。
ここにいつものように泊めてもらっていたら、チョコレート三昧だっただろう。
さて、名残惜しいが、そろそろお暇(いとま)の時刻だ。
ミッシェルさんは アパートまで送ってくれるという。クリストフも同行だ。
ミッシェルさんに行きのバスの話をすると、ここまでバスが来るようになったのは最近のことだという。道理で目の前のバス停も初めてだったわけだ。そしてバスで来るのも最初で最後かもしれなかったのだ。
ヴァンセンヌの近くまで行くと、「この辺りはシックな街並みだね」とクリストフはびっくりしている。パリ郊外というと、特にこの東部当たりは、庶民的なところが多いからだが、シャトードヴァンセンヌは一味違うようだ。
私も今回初めて知ったが、なかなか静かで落ち着いた住宅街といった感じで、パリ中心部まで行かなくても食料品やスーパーをはじめ、小さなお店でもシックなお店もあるし、治安もよく、いい地区ではないだろうか。
何より、特に今回はメトロがほとんど運休の中、動いている貴重な線の始発点でもあり、これ以上の場所はないと言ってもいいくらいだった。