いつものようにスムーズに入国もでき、タクシー乗り場へと向かう。
空港からタクシーは、2017年以来だ。その時はアールズメチエの近くの友人宅だった。アジア系のとても親切な運転手だった。
2018年はリヨン駅のすぐそばの友人宅だったので空港バスで行った。
タクシーを待っているとき、不思議なことに?「どうぞお先に」と譲られた。日仏カップルだったと思う。そんな時一抹の不安がよぎる。以前パリ・リヨン駅からビュットショーモンの友人宅までタクシーに乗った時も譲られた。その時もつくまで、ドキドキしたものだ。
2019年、クリスマス旅行のリヨンでもそうだった。
空港からタクシーを利用する際気を付けていることがいくつかあり、まずそれを考えながら乗ることにした。
一目見て運転手のオリジンはフランスではないことはわかる。
今回はパリ市内ではなく、「サンジェルマンアンレー」だったので、その旨を伝え「いくらくらいで行けるか」と聞いたところ、60ユーロくらいかな」と答えた。何となく慣れてなさそうな感じではあった。
パリに近づいてきたとき、パリには環状線道路に沿っていくつかの門がある。私が日本で事前にルートを地図で確認していた時、その門の近くにはいかず別の道を通っていくことがわかっていた。
しかし、あろうことか、門の方に行くではないか。しかも混んでいる。
私の顔色を見たのか「あっ」と門をくぐったところでUターンをし、別の道へとハンドルを切った。
これだけでも時間のロスだった。もちろんメーターは回っている。
「道を間違えたのか」と聞いたら、「違う違う。混んでいたからこっちの道で行く」という。完全にここで怪しいと思った。
「わかっているのか?」と確認したら、「ヴェルサイユには行ったことがある。近くだろ」という。近くと言えば近くだが、行ったことがないということだ。
しかもここでナビを切ってしまったのだ。そして、「日本人か。日本の映画は好きだ」というが、「どんな映画?」「誰の作品か」と聞いても答えない(答えられない?)
サンジェルマンアンレーへは何度も車でも電車でも行ったことがあるが、空港からはもちろん初めてだったので、道は初めて通る道だった。
郊外の中でも屈指の高級住宅街ではあるが、今までに見たことがない小さなお城のような家がたくさん並んでいる街を通っていた。
運転手は電話で誰かと話し、「お金持ちが住んでいる街の様だ」とかと言っている。メーターがどんどん回っていくので気が気ではない。
ここで友人のパトリックに電話をした。「空港を出てからまだ今もタクシーの中だけど、運転手が道を知らないようなので、代わって説明してくれないか?」と。
しかし、運転手は嫌がるのだった。「今走っているから、先で停まってから」と言いつつ、一向に停まりもせず代わろうとしない。ここでも怪しいことがよくわかる。
こんなことをもう一回繰り返しながら、ようやく友人の住む町の標識が見えてきた。
運転手も「ああ、よかった。もう到着だ」と言っている。
そして、ようやく友人宅に着いた時には、90ユーロを超えていた。
最初に友人に聞いていた「80ユーロ前後」と比べると高いが、微妙なところだ。こういう微妙なときが一番困るのだ。
100ユーロを超えたら、「寄り道をしたからじゃないか」と言ってやろうと考えていた。しかし、ここで時間を取るのは得策でないと考え、そのまま払うことにした。
ほんとにこれだから、タクシーは問題なのだ。
大きな荷物さえなければ、タクシーなんて乗りたくないのだが、致し方ないところだ。
パトリックは仕事で店にいるので、家で待っていた奥さんのシルヴィと再会の挨拶をして、すぐにタクシー料金を確かめるべく、料金を言った。
「まあ、そのくらいなら普通かも」と言ったが、環状線の門をくぐったことがどうも引っ掛かり、今もまだ、道も空いていたし、まっすぐ来たら70ユーロくらいではなかったかと思うのである。
要するにフランスではタクシーは当たり外れがあり、良い人に当ればいいがそうでない人の時は問題が起こる。
フランス人は運転手を見分けられる?らしいが、私にはそれは難しい。順を譲られたときは要注意である。
上の写真は、ウエルカムティー? ほっと一息だった。