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私という世界でたった一つの物語

動物がくれた年 

2011-07-18 | 写・画・絵・詩・物語


ブルガリアの昔話

動物がくれた年


お星さまの光までこおりそうな、寒い冬の夜のこと。ウマとウシとイヌが、ふるえながらトボトボ歩いていました。

「ねぇ、ぼくもうこごえそうだ」

「わたしもだよ。どこか寒さをしのげるところをさがさなきゃ、死んでしまう」

「あ、あそこにあたたかそうな家があるよ」

「中に入りたいなぁ」

「たのんでみようか」

明かりのついた家までたどりつくと、おそるおそる戸をたたきました。

「すみません。ドアを開けてください」

「こんな時間に、いったいだれだね?」

「ウマとウシとイヌです。どうか家の中で、少しでいいので休ませてください」

「それはかわいそうに。どうぞお入り」

家の主人はみんなを中に入れ、パチパチ火の燃える、あたたかいだんろのそばにすわらせてくれました。

「あぁ。おかげで生き返ったようです」

「お腹はすいていないかね?」

「お腹ペコペコなんです」

するとこの家の主人は、それぞれにおいしい食べ物を、たっぷり出してくれました。ウマにはムギ、ウシには野菜くず、イヌにはスープにつけたパン。

「ああおいしい。とてもしあわせです」

「ありがとうございます」

それを見てニコニコ微笑んでいたいた主人は、ふと悲しそうな顔をしました。

「どうしたのです?」

「どこかいたいのですか?」

「わたしは、もうすぐ死んでしまうんだよ。おまえたちも知っているだろう。すべての生き物には、寿命という、みんな同じだけの生きる時間を与えられている。その時間がすぎたら、死ななければならないのだ」

主人の話を聞くと、ウマとウシとイヌはヒソヒソと相談をはじめました。
しばらくするとまずウマが言いました。

「親切な人間さん、どうぞ悲しまないで。あなたにわたしたちの寿命をおゆずりします」

次にウシがいいました。

「わたしたちには十年もあれば十分です」

最後にイヌがいいました。

「残りの寿命は人間さんにさしあげます。どうぞぼくたちの分も長生きしてください」

主人はよろこんで、動物たちの寿命をゆずってもらいました。

「ウマよ。おまえからもらった寿命は、若いときに使おう。若い頃は、ウマのように元気でまっすぐでいるために」

「ウシよ。おまえからもらった寿命は、働きざかりの時に使おう。ウシのようにしっかりと、休まずもくもくと働いていくために」

「そしてイヌよ。おまえからもらった寿命は、年をとって人生の終わりに近づいたときにとっておこう。いつも家にいて、しっかりと家族を守っていくために」

この時から人間は、ウマ、ウシ、イヌからもらったそれぞれの寿命の分まで、長く生きられるようになったということです。

365のみじかいお話


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このお話を聞いて寿命を考えたときに様々な生命はわたしたちに十分ないのちを与えてくださっているということを思い感謝いたしました。


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