三毛猫の毛色の話（その２、三毛猫にはオスが居ない？）

その１では、猫の毛色の話をしました、ここでは、何故三毛猫にはオスが居ないと書いたのかの説明をします。
三毛猫はメスしか居ない理由
猫の毛色は、両親猫から受け継いだ遺伝子で決まります、遺伝子は細胞の核内にある染色体の中に収められています。猫は１８種類２本ずつからなる常染色体と１組の性染色体(ＸとＹ染色体)の計38本の染色体を持っています。性染色体は性別を決めるもので、ＸＸが♀、ＸＹが♂になります。
各遺伝子は、どの染色体の何処の場所に収まるか決まっていて、常染色体は同じ長さの染色体が２本づつペアで１種類なので、同じ種類の遺伝子も普通２個づつありますが、性染色体のペアだけがＸが長くＹが短いので、短い分Ｙ染色体に含まれる遺伝子の数が少なくＸＹ(♂)では１種類の遺伝子が１個しか含まれない遺伝子があることになります。
猫の毛色の遺伝子の殆どは常染色体の中にありますが、赤黒の遺伝子Ｏｏだけが性染色体の中に含まれていて、更に、Ｏｏの収まる場所がＸとＹの長さの違う部分に収まっているのでＸＹ(♂)では１種類の遺伝子が１つしか含まれない遺伝子にあたります。
遺伝子記号で見ると。
♀猫(ＸＸ)は、ＸＯ.ＸＯ（赤毛)　Ｘｏ.Ｘｏ(黒毛)　ＸＯ.Ｘｏ(赤黒毛)　が居るのに対して
♂猫(ＸＹ)は、ＸＯ.Ｙ－（赤毛)　Ｘｏ.Ｙ－(黒毛)　しか居ない事になります。
ですからｗｗ＋Ｏｏ＋ＳＳの三毛猫も、ｗｗ＋Ｏｏ＋ｓｓのサビ猫も全てメスと言うことになり、三毛猫にはオスが居ないと言う事になります。
じゃぁ稀に居る三毛猫のオスって？
三毛猫のオスが生まれない筈なのに、ごく稀に三毛猫のオスが生まれることがあるのは、性染色体異常でＸＸＹの３つの性染色体を持つクラインフェルター症候群という奇形なのです。
正常な♂の外観ですが生殖器官が発達せず不妊で性格も♀ぽくなります。
と、言うわけで三毛猫のオスは、遺伝子上立派なオカマさん(三毛が勝手に付けた呼び方)なので、三毛猫のオスは居ないと書いたのでした。

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三毛猫の毛色の話（その１、三毛猫色とニ毛猫色）「「せいさく思案虫」
―参考サイト&画像を頂いたサイト―
三毛猫はメスしかいないフシギ「猫の毛色」、　三毛猫の科学「招き猫大解剖」　　
遺伝情報から蛋白へ「ビジュアル生理学」
「 写真素材 フォトライブラリー」