男としてはあまり自慢にはならないかも知れないが、私は成人になってから人を殴ったことはない。T里病院に4回の入院中も殴られたことは3回あったが殴ったことは全くない。
問題のあの時は体の大きい彼女と手の絡ませ合いになり、手を解こうとした拍子で殴るモーションになっただけで、正確にいうと殴ろうとした訳でもなかった。
普段から誰が見ても暴力を振るうような男には見えない私だからこそ、相手は誰でもいいから本当に殴り合いをしたという既成事実が欲しくてたまらなかったようだ。
私を保護室に入れた後、彼女の頬を膨らませた事といい、あまりに短絡的な思考でいろいろ画策しやり過ぎた結果、絶対に私を早く退院させる訳にはいかなくなって、私の知らぬ間にそっと統合失調症を加えていたのであった。
事件の5年前の第1回目の入院の時、アルコール精神病と診断した頃の事を引き合いに出し他人も自分をも無理やり納得させていたように思える。
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でっちあげ暴力事件
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