音楽日記

私が触れた音楽などを紹介していきます。

東北の旅⑤

2013-01-29 16:24:41 | Weblog
■1月10日(木)
仙台から陸前高田市へ。仙台を朝7時20分にバスで出発。車窓からはしばらくの間、青空と雪化粧した山々が美しく目に映りましたが、陸前高田の海が見えてくると、海沿いや平野部は建物がほとんど残っておらず、広々とした地面に雪が積もっている光景が印象的でした。仮市庁舎前に午前11時頃到着。
車窓から





2011年、IYEO(日本青年国際交流機構)という青年団体の和歌山での全国大会で出会ったご縁で、陸前高田市の副市長をされている久保田崇さんとお会いすることができ、職員の方たちと「りくカフェ」というコミュニティカフェで昼食を頂くことに。


待ち合わせまで少し時間があったので、周辺を少し散歩。広々とした地面。ところどころに建物のあとが見えて、津波が今たっている場所まで来たことを想像すると言葉もありませんでした。










寒くなってきたので、先にお店に入ってコーヒータイム。このコーヒー、とても美味しくて、粉で販売もしていたので、お土産に買って帰りました。





12時過ぎに、久保田さんと職員さんたちが来られ、ランチを頂きました。ふだんは喫茶メニューのみだそうですが、たまたま行った日はオープン1周年記念のイベントをしていて、お昼ご飯も出されていたそうです。ランチを作られていたのは、岩手県一関市のレストラン「あさひや」のオーナーシェフ原田さん。カフェに来られていて、直接メニュー紹介を聞かせてもらえたのはラッキーでした。



(ランチの写真を撮っていなかったのが残念…!と思ったら、この日のメニューがりくカフェさんのブログに載っていました♪)

りくカフェ店内



お店は主に地元の主婦の方たちが運営されているそうで、この日も7人くらいの女性がお店に来られていて、とてもにぎやかな雰囲気でした。様々なミュージシャンがライブに訪れたり、他にもいろんなイベントをしていて、町の人たちの憩いの場、また訪れた人たちとの交流の場になっているそうです。

久保田さんや職員さんが仕事に戻られてからは、ニューヨークに留学していて時々陸前高田を訪れているという大学生の女の子Mさんと出会って「異文化の人たちがつながって一緒に何かできるようなネットワークづくりをしたい」という夢の話を聞いたり、りくカフェの運営にあたっているYさんからは、お店で取り組んでいることなど、お話を聞いたりして、初めて来たのに、なんだか前から知っている人たちに会ったような雰囲気でした。

お昼2時半頃までりくカフェでゆっくりさせてもらい、3時にまた市庁舎へ。

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部の方たち10人ほどが久保田さんを訪問されており、陸前高田市の震災以降についてお話を聞く場に同席させてもらいました。

なんと、ご一行のリーダーの山本さんは、中国派遣団に参加した2007年、ミャンマー派遣団の副団長をされていた人で、どこでお会いしたか分かったときは、偶然の再会に本当に驚きました。

陸前高田には20mくらいの高さの津波が押し寄せ、大きなもの以外は基礎を含めてほとんど流されてしまい、4人に1人の職員の方が亡くなったため、名古屋市や京都(和歌山市からも)などから職員が派遣されています。

9000棟あった住宅などのうち4000棟が全壊。学校のグラウンドに仮設住宅が建てられ、2200世帯が仮設住宅で暮らしておられるそうで、いつ仮設から出られるのか、住民は願いが叶う日を待ち続けているそう。市には平成25年度中に100戸の公営住宅をつくる計画があるというお話も伺いました。

宿泊施設に関する話題も多くありました。

宿泊施設は800室ほどありましたが、今は250室ほどになり、今宿泊施設の建設も計画されているそうです。

直接お話を伺えたのは本当に貴重な機会で、今後起こるだろうと言われている南海・東南海地震のことを考えると、地震そして津波の恐ろしさ、備えの必要性をとても感じました。

山本さんご一行に帰りのバスの出発地である大船渡市へ同乗させてもらって、バス乗り場前のショッピングセンターで1時間ほど夕食、お土産探しをして17時半、大船渡を後にしました。

仙台についたのは夜9時半頃。そのまま夜行バスで仙台から東京へ向かいました。






東北の旅④

2013-01-25 23:03:50 | Weblog
■1月9日(水)
この日は仙台から石巻へ。7時すぎにゲストハウスを出発。電車を乗り継いで10時過ぎに石巻に到着。この日は雪が舞う寒い1日でした。

石巻駅近くの商店街



お知り合いのKさんに紹介してもらって、午前中は「みらいサポート石巻」を訪ね、スタッフの藤間さんから震災以降の町の様子を伺いました。

「みらいサポート石巻」事務所


「みらいサポート石巻」は、2011年夏、その頃は石巻を出ていく人が多い中、訪れる人を増やそうと設立されたそうです。

平野部の約30%に津波が来たこと、避難所になっていた小学校にも津波が来たこと、避難した人は仮設住宅、親戚の家などのほか、仮設だけでは足らず、家賃が2年無料になるアパート(みなし仮設)などに住んでいること…

また、お店などは求人を出してもなかなか人が集まらないそうで、もしかしたら届け出されれているよりも多くの人が出ていってしまっているのでは?という話もありました。
(石巻の人口は震災前は16万人でしたが、震災後は15万人くらいになっているそうです)

心に残ったのは「被災地や被災者といっても状況はさまざま。ひとくくりにまとめていう言葉は本当はないと思います」というお話。

本当に、1人1人失ったもの、おかれた状況は様々…。大切なことに気づかせてもらった一言でした。

震災から時間が過ぎ、ボランティアの数も減ってきている今、訪れた人に現地のことを伝えてほしい…その思いを大切に持ち帰ろうと思いました。

そして、重い雰囲気ではなく、楽しみながら石巻の情報を発信して風化を防ぐという取り組みが行われつつあることも知りました。
(巻.comというサイトをつくり、石巻のファンを増やしていこうという取り組みなど)
私も訪れた一人として、これからの石巻を応援していきたいと思いました。


お話のあと、藤間さんが津波の被害にあった地域など車で案内して下さいました。

市内の高台「日和山」から海岸方向を見た景色。


同じく日和山から北上川を望む。津波は北上川を50kmも遡ったそうです。



遠くに見えるのは石巻市立病院(現在は使われていません)



平野部の光景





復興マルシェ。レストランやお土産屋さんが集まっていました。


昼食に「牛タンつくね丼」(食べかけですが…^^;)牛タンの味、食感とも美味しかったです!



午後は、同じくKさんが紹介して下さった介護施設「めだかの楽校・楽園」さんを訪ねました。

Kさんはギター演奏で定期的に訪問しているということで、私もピアノを弾かせてもらいました。お年寄りやスタッフの方たちと「春よ来い」「おぼろ月夜」「もみじ」などの童謡などを合唱。皆さん歌うのに慣れておられるようで(1人1冊ずつ歌詞を書いた歌集を持っておられた!)、元気よく大きな声で歌ってくださいました。

宮城県と和歌山県の特産品を紹介しあったり、色々お話させてもらっていると、はじめの緊張もとけて、あっという間に1時間が過ぎていました。


(下の3枚の写真はめだかの楽校の職員さんがプリントして送ってくださったものです)






最後に集合写真(垂れ幕まで用意して下さったのには驚きましたが嬉しかったです)



レクリエーションタイムの後、スタッフの方から地震直後の状況などお話を伺いました。

地震が起きたあと、代表のIさんの判断で、近くの避難所になっている小学校ではなく、もっと高台の日和山まで、早くにお年寄り全員を連れてのぼっていたそうで、みんな無事だったそうです。

ただ、いったん避難した後、毛布などを取りに行った(この日は雪が降っていたそうです)職員さん5人が津波に流されてしまったものの、全員無事に帰ってきてくれたそうで、「帰ってくるまでは生きた心地がしなかった」とIさん。

津波に流されたというYさんにもお話を聞きましたが、大変な体験だったがそれを周りに伝えていくことが自分がこれからするべきことだという気持ち、と話しておられました。

「心のケアがこれからは大切」とYさん、そして別の職員のSさん。和歌山にいる私が東北の方たちにできることは、震災に見舞われた人たちの思いを忘れず、周りの人たちに伝えていくこと…、そう思いました。



東北の旅③

2013-01-22 11:41:44 | Weblog
■1月8日 山形~仙台

ゲストハウスミンタロハットさんで迎えた朝。

雪が降り積もった庭を見ながらの朝食。優雅なひとときでした。

もう一人男性のお客さん、Aさんが窓際で朝食を食べていました。

何かのきっかけで「どこから来たのか?」という話になり、聞くと福島県の相馬市とのこと。

学生の子どもさんがいて、一時的に山形に避難していたけれど、今は相馬で暮らしているそうです。

「原発なんてつくって…という気持ちだが、ほかにエネルギー源が確立されていない以上、難しい問題。

原発をつくるなら電気を使うところにつくる…など、自分で使う電気はそれぞれの地域でつくったらどうか…。

理想では原発がなかったら…と思うけれど現実には難しい」とAさん。


理想と現実のギャップはまだまだ大きい。。。しみじみ感じました。




AM10時、Aさんの車に乗せてもらって山形駅へ向けて出発。


向かう先は仙台…その前に、3駅ほど逆方向のかみのやま温泉駅で下車して約2時間、上山(かみのやま)の町の散策、そして温泉を楽しみました。

かみのやま温泉駅



昨年5月、上山市長さんが田辺のバーデンガーデンというハーブ園を訪れたときに、チェロとピアノで少し演奏を聴いて頂く機会があったのがきっかけでした。

市長さんは冗談を交えながら楽しくお話して下さる気さくな方でした。

かみのやまは共同浴場が多い町で、市長さんも仕事前に行って湯船につかりながら町の人の声を聞くと話しておられたのが印象的でした。


駅から歩いて15分くらいの「下大湯」という温泉へ。

温泉までの道







上山のいろんな共同浴場が紹介されたサイト↓
http://www.spa-yuyu.net/spa/kyoudoyokujyou/yamagata-kyoudou/kaminoyama.html


かみのやま温泉の共同浴場の中でも一番古い歴史があるということで、懐かしい情緒漂うつくり。お湯は少し熱めで、お風呂から出たあともしばらくは体の芯からポカポカしていました。

お風呂のあとは1時間ほど歩いて散策しました。

ここから先は温泉街


足湯









上山は映画「送り人」のロケ地にもなっています。

本木雅弘演じる主人公・大悟の実家。駅から徒歩10分くらい。





上山の散策を楽しんだ後は仙台へ。

仙台に5時頃着いてネットカフェへ。メールの返事などを送ってからいったん「苦竹駅」から10分ほど歩いたところにある「梅鉢ゲストハウス」へ。

2011年夏に新築オープンしたばかり。綺麗な内装で、オーナーさん夫婦も気さくな方たちでした。


今回の旅のきっかけをくれたミルキーさんと仙台駅で待ち合わせ。
駅近くの「蔵の庄」というお店へ。
仙台名物の牛タン、定義山三角揚げの炙り、地酒など…そして、お知り合いの三浦さんという方が丹精込めてつくられた「セリ」を使ったセリ鍋(葉はしゃきっと、根っこも味わいがあってとても美味しかったです)など、なかなか味わえない料理の数々をご馳走して頂き、ありがたい気持ちでいっぱいでした。

ミルキーさんこと伊勢みゆきさんは、2007年「日本・中国青年親善交流」という事業で副団長をされていました。

地元仙台では「特定非営利活動法人まなびのたねネットワーク」の代表理事をされていて、学校教育支援と社会教育支援を通した人づくり、地域づくりに取り組んでおられます。

子どもたちがカキとノリの養殖の仕事を体験する企画や、そのほかさまざまな職業体験、また職業のプロから話を聞く授業など、さまざまな取り組みを通して、自分で主体的に学び、自分らしい生き方を切り開いていく教育に心血注がれていることが伝わってきて、自分の使命を感じて活動しておられる様子にとても刺激を頂きました。

また、震災で家族を失った子どもたちや、原発事故の影響で弟さん家族が離れ離れに暮らしていること、講義に行った高校で震災の影響で将来が描けない生徒たちがいたこと…色々と話を伺いました。遠く離れた和歌山ではなかなか触れる機会のない現場の話…。実際に聞くとやはり他人事とは思えない…そう思いました。

ミルキーさん(右)と私。手に持っているのは、お知り合いが作られた「笑顔カレンダー」1日1日、その日が誕生日という人の笑顔の写真が写っています。(ぴーすでも2月から数冊置かせてもらいます)


また、仙台市から南へ30kmほどの亘理町の方たちがつくられた「いちごのストラップ」もお土産にと、頂きました。(ほんもののイチゴみたいで可愛いです^^こちらもぴーすに置かせてもらいます)




気がついたら、周りにはお客さんが他にはいませんでした。時計を見ると夜12時。
5時間近くも話していたのを知って驚きましたが、中国でもこれだけ長い時間お話したことはなかったので、とても思い出深い夜になりました。

東北の旅②

2013-01-21 12:20:14 | Weblog
■1月7日(月) 金沢~山形

この日はひたすら列車に揺られる1日。

金沢→直江津→六日町(ここからほくほく線)→長岡→坂町→米沢→山形という経路でした。

金沢を出たのが8時前。山形に着いたら夜9時半でした^^;


途中、直江津、長岡で途中下車。


直江津では、駅の近くの市立図書館にペンケースを置き忘れるというちょっとしたハプニングも。電話をしたら、送って頂けることになって、田辺に戻って無事受け取りました。

直江津の商店街↓




六日町から乗り換えた「ほくほく線」は、雪の降り積もった町や山の景色がとても綺麗でした。















この日は本を読んだり、メールしたりしながら、1人のんびり列車に揺られていました。

ちなみに、この旅の間に一冊の本を読みました。


「蘇鉄のある風景」という本です。




以前和歌山など、原発予定地で起こった原発建設阻止の闘いの激しさに、原発を跳ね除けた当時の人たちの深く強い思いを感じ、原発推進派の建設のためなら手段を選ばない…というようなやり方には許せない気持ちになりました。

原発に関心ある人も、ない人も、読んでみてほしい1冊です。


この日は、JR山形駅から徒歩20分くらいの、
「ゲストハウス ミンタロハット」さんに滞在させて頂きました。

館内は壁も床も木で、今の真ん中にペレットストーブが置いてあって、温もり感たっぷりのお宿でした。

夜は他のお客さんと一緒に「ゆんたく」という少しお酒を飲みながらの楽しい団欒のひととき。

朝食はこのページ→http://mintarohut.com/rooms.htmlにも載っていますが、自分で作って食べられて嬉しかったです♪

オーナーの佐藤さんはとても親切丁寧に接して下さって、列車に揺られた1日の疲れも忘れてしまうくらい、リラックスできました。



東北の旅①

2013-01-17 21:51:12 | Weblog
1月6日~11日まで北陸・東北・東京を旅してきました。

「被災地の状況を自分の目で見る」

1年ほどまえ、以前お世話になった仙台のお知り合いとお会いしてその大切さを聞いてから、いつか時間ができたら…と思っていたことでした。

はじめは仙台でその人に会えたら…という思いで計画した旅でしたが、日がたつにつれて、色々な方と連絡がとれ、毎日が出会い・再会の旅になりました。


■1月6日 田辺~金沢


朝9時頃、田辺を出発。





今回の旅は青春18きっぷの旅。もう2週間くらい前からだいたい予定が決まってきつつあったのに、私ったら、きっぷの発売期間が12月31日で切れていることに前日に気がつき、ショック!

けっこう長距離の旅なので、普通料金だとかなり高くなるのです。。

ネットで調べると大阪いはチケットショップが結構あってどこかで購入できそう、ということがわかり、電話してきっぷがあることが分かった天王寺のチケットショップへ。

なんとかそのお店でゲットして一安心^^ そこから金沢までは、ひたすら電車に揺られる半日でした。

途中ウトウトしながら、目覚めると、今年初めてみる雪景色に感動!




だんだんと雪深くなる車窓の風景。



敦賀駅↓




金沢につくと、学生時代の友人Aちゃんが迎えに来てくれて食事へ。

色々食べたいものを聞いてくれましたが、これといって思い浮かばず、近くのファミリーレストランへ。

かえって学生時代によくいったのを思い出して懐かしくなりました。


食事を終えて、pongyiゲストハウスへ。金沢駅から歩いてわりとすぐのとても便利な場所にありました。


Aちゃんも一緒に中へ。ちょうど飲み会(ほかの名前がついていたような気がしますがよく覚えてない…^^;)

が始まるところで、一緒に参加させてもらいました。

この日は男性のお客さんが4人、女性が私1人。みんなアットホームで初めてであったと思えないくらい馴染んでました。

スタッフの女性2人も明るく親切で、心地よく滞在させて頂きました。





朝7時半くらいと早くから出発したのですが、七草がゆを食べる日(人日の節句というそうです)ということで、朝早くから1人のスタッフさんが用意して下さいました。

心も体も温まって、さぁ出発!お客さんも1人起きてきて、親切にも見送ってくれました。


【ゲストハウスpongyi】
http://pongyi.com/
http://www.facebook.com/guesthouse.pongyi