ミニチュア&ドールハウス みにあーき

一級建築士の みにあーきがミニチュア木工の道具の紹介などをするブログ
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坪単価は結果論 相見積もりではあてにならないかもというお話

2011年12月05日 | その他建築関連(オープンハウス・古建築巡りなど)

よく「坪いくらで出来ますか」というご質問がありますが、結論から言うと結果論なので建ててみないとわからない

おそらく、総工費÷延べ床面積=坪単価と理解していらっしゃる方も多いので、このようなご質問が多くなるのではないかと思いますが、そもそもじつは坪単価にはコレと言った定義はないのです。

外構や屋外配線・配管や設備などをオプションにして(基本工費に入れない)も良いし、延べ床面積でなく施工面積を用いたりメーターモジュールを採用してもかまわないのです。

しかし、実際に生活するには、屋外配線・配管や設備は必要ですから、オプションは選んでも選ばなくても良いわけではなく必須になります。

本来、坪単価はすでに建築されたもの(マンションや建売住宅)を販売する際の発想だったのではないかと思います。

なぜなら、本当の坪単価は極端に言うと建ててみないとわからないからです。(実際は、実施設計後に詳細見積を決定しますからその時点で大体はわかります。)

どのような生活スタイルで(設備など)、どのくらいの広さで(延べ床面積)、どんなデザインで(建材など)・・・
なにもわからないうちに坪単価は算出しようがないのです。

ですから、建築費を比較なさりたい場合(相見積もりを取りたい場合)は、坪単価ではなく総工費でした方が予算オーバーになりにくいと思います。


建材(木材)について思うこと

2011年11月06日 | その他建築関連(オープンハウス・古建築巡りなど)

先日、夜のニュースで林業の再生についての特集を見ました。

建築士は、建材として木を利用する立場から林業・森林保全に関心の高い人が多いのです。

現在、少しずつ林業に携わる方が増えている、という数字を見て安心したような気持ちになったり、やっぱり大手さんじゃないと何かするのは難しいのかと複雑な気持ちになったりでした。

 

日本は国土の70%弱が森林で、そのうちの40%が育成林(木の畑)です。

森林の面積はこの40年間増減がなく、蓄積は2.3倍(育成林では5倍)に増えているそうです。

殆どの育成林は、第二次大戦直後に植えられ、すでに収穫期を迎えています。

(種類にもよりますが育成林に植えられている杉などは40年程で収穫期になるそうです。)

しかしその大半は、輸入木材が安くなってから手入れ(間伐)されなくなりました。

輸入木材には当時から関税が掛かっていないため、林業を続けるのは困難だったのだと思います。

 

手入れ(間伐)されない森林は、密集してしまいあまり良い木は育っていないようです。

これは、一本一本の木が細くなり商品価値が下がるだけでなく、そういった木は根も弱い為、土砂災害が起こりやすくなるという点で、環境保全の面からも問題です。

しかし、最近は技術が向上して、細い間伐材や育成林の木でも集成材として立派に販売できますから、問題とされている熱帯地方の自然林からの輸入分(10~20%と言われています)だけでも、収穫期の育成林を利用しながら、なんとか林業を再生できないものかと思っています。

 

ちなみに、杉などは30年生から花粉の量が増え、呼吸量は低下(Cc2の吸収が殆どない状態)になるそうです。

 


建築士の呼ばれ方

2011年11月03日 | その他建築関連(オープンハウス・古建築巡りなど)

建築士は一般に、設計士・建築家などと呼ばれることが多いと思います。

(中には先生と呼ぶ方もいらっしゃいますが)

印象としては、建主側の方は設計士と呼び、建築士自らは建築家と表現することが多いように思います。

なぜでしょうか。

お話を伺うと、建築家はデザインとか見た目を重要視しそうで、一般的な家を建てるのは設計士というような印象のようでした。

しかし、このイメージは実際とはちょっと違っていると思うのです。

実は、建築士法ができた頃は、その内容が建設業界よりだった為、それに納得しなかった建築士達が建築家と名乗った、ということなのです。

これは、当時の建築士が海外のアーキテクト(抽象的概念を体現化する人)を目指しており、『アーキテクトは建主の代理人であって、建設業界の利益に奉仕するものではない』という考え方だった為のようです。

現在でも、建主さんの抽象的概念を具現化し、建主さんの代理人として建設業界の利益に奉仕しない、という建築士は建築家と名乗ることが多いように思います。

 

(アーキテクトには『芸術・技術の両方の役割を担い、自己利益だけではなく、市民・社会に貢献する』というニュアンスが含まれるそうですが、それまでの日本では住宅に芸術という概念がなかったので、芸術の部分が印象に残ってデザイン重視のイメージが強くなったのかもしれません。)

ちなみに、建築家は建築士の資格がなくても名乗れます。

 


サッポロデザインウィーク終了

2011年10月25日 | その他建築関連(オープンハウス・古建築巡りなど)

23日、最終スケジュールのトークイベントをお終え、

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今年の別冊UN40も終了。

皆様、ありがとうございました。

ワークショップの様子。

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初日

              ↓ 

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中日

              ↓

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最終日